健康知識:三伏天養生の五大要点

本日より三伏天に入った。今年も閏中伏で、7月15日から24日までの初伏、7月25日から8月13日までの中伏、そして8月14日から23日までの末伏からなって計40日間にわたる。

三伏天は一年中で最も気温も湿度も高い時期であり、人体もこの自然界の陰陽変化に従って大きく変動している。日頃は防暑降温に注意を払い、飲食と起居を合理的に配置して酷暑から生体を守らなければならない。

三伏天の時期において下記の五大要点から養生に手を入れて欲しい。

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健康知識:夏季に最も重要な睡眠時刻二つ

立夏を過ぎて気温が少しずつ上がり、万物が栄えて茂っている。この時節から自然界の陽気が徐々に生長して陰気が徐々に減弱する。生体も自然に従って陰陽の盛衰消長が変化しており、心気が強くなって肝気が弱くなる。この頃から逆上せ易くなり、これによって体力も消耗されて疲れを多く感じるる。特に夜間の睡眠が不安定になって朝も早く醒め易い。全て体内の陽気が盛んになってきた現れである。また夏は暑熱から津液を消耗するに伴って気の漏洩も考えられ、常に疲労倦怠、眠く感じる。体力保養・疲労解消のためには睡眠が非常に重要である。

《黄帝内経》には「夏三月,此謂蕃秀,天地気交,万物華実,夜臥早起,無厭于日,使志無怒,使華英成秀,使気得泄,若所愛在外,此夏気之応,養長之道也。逆之則傷心,秋為痎瘧,奉収者少,冬至重病。」という養生原則が記されてあるが、夏季は陽気が盛んになって暑熱の擾乱で心神が安定し難いため、遅寝早起きをお勧めしている。当然、睡眠不足の状態にしてはならず、不足の睡眠は昼寝で補足できる。一日の中で、下記の二つの時刻は睡眠に最も重要であるため、効率的に応用して欲しい。

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健康知識:気力不足の認識と対策

中国の古書には「一年の計は春に在り、一日の計は朝に在る」という言葉があり、春と朝は陽気が増長する時で、万物は生気溢れ、一年や一日のためにしっかり計画して基礎を築かなければならない。しかし、こんな時期になっても、どうしてもやる気が出ない、何となく気力不足などを感じている方が多い。普段でも動きたがらず、少し動いただけで直ぐに疲れる、話したがらず、話しても声が低い、更にいつも倦怠無力感、物事に無関心で、まるで怠けているように見えて自分でも情けない感じで悩んでいる。実際、このような方の大半は怠け者ではなく、身体が弱いからである。

中医学では、この気力不足の状態を気虚と言う。身体の気が足らないため、疲れて怠け、やる気が出ないわけである。先天的の素因もあるが、往々にして長期にわたる不良な生活習慣から生体の気を損耗して気虚を来たし、臓腑の機能活動も低下する。

気虚は発生部位により主に心気虚、肺気虚、脾気虚、腎気虚に分けられる。ここでそれぞれ異なる発病原因と病状特徴を解説し、治療方針と対策方法を紹介する。

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活動案内:「整体推拿療法の実技と応用」講習会案内

中医推拿療法は中国伝統医学に基づいた按摩療法の事を指し、古来養生保健と疾病の予防治療の重要な手段となっている。推拿療法は操作が簡便且つ安全で、明らかな即効性を持つなどのメリットにより、医薬不足の古代だけでなく、自然療法重視の 現代社会でも益々注目されている。整体推拿療法は推拿療法の一部で、人体を一つの全体として考える前提に立ち、生体機能を整えるという意味があり、中国伝統医学の整体観念という基本的な特徴に対応している。

中医推拿療法は長い発展歴史から技法も数多くて応用も様々であるため、初心者は系統的に把握するのが難しく、更に基礎技法を臨床実践まで確実に活用できない事が現状とされている。

今回の講習は推拿療法に関連する人体解剖基礎や経絡腧穴知識などの基礎理論を要略的に講義した上、繁雑な推拿実技を実用的にまとめて基本手法と応用要領を講習し実習し、更に長年の臨床と教育の経験に基づいた整体推拿の施術方法を伝授する 予定です。いち早く臨床実践に即していけるように期待している。

また、講習終了時には特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証書を授与する。

 

日 程:全8回 月1回 午後14時00分~16時30分(計20学時間)

① 06月16日 整体推拿療法概説;人体解剖学概要;推拿手法実技;

② 07月21日 人体解剖学概要;推拿手法実技;

③ 09月08日 経絡腧穴学概要;推拿手法実技;

④ 10月06日 経絡腧穴学概要;整体推拿療法の施術要領;

⑤ 11月10日 頭頸部の推拿施術実技;

⑥ 12月08日 背腰部の推拿施術実技;

⑦ 01月19日 胸腹部の推拿施術実技;

⑧ 02月09日 四肢部の推拿施術実技。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務所

交 通:東京メトロ銀座線末広町駅4番出口 千代田線湯島駅5番出口より徒歩5分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より 徒歩10分~15分

定 員4名以上で開講 6名まで

費 用:70,000円(当会会員は5,000円割引、分割払い可)。

教科書「整体推拿療法」は別途5,500円(当会会員は割引後4,500円)。

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

ゆうちょ銀行 〇一八店 普通預金 5592797

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局  FAX 03(5816)5235

締切り:2024年6月1日(土)まで

健康知識:息を深く長くすることで健康養生

人間は、赤ちゃんとして母体から離れて産声を発して息が始まって自ら生命活動を営み始めるが、最期に息を引き取ることで生命活動の終止を示している。呼吸機能は生命活動の基本的な指標である。「人は一息で活きる」と言われるように、人間の生命は気によって営んでおり、生命活動自身は気の運動の一種である。健康の時には元気が充足し、病弱の時には息切れや息苦しいなど呼吸困難が現れてくる。

中医学的には、生体の気は肺に吸入された自然界の清気、及び脾胃に運化された飲食物の穀気から生成されている。脾胃による消化機能は確かに健康維持の基本であるが、肺による呼吸機能も健康増進の重要な素因である。気功養生療法では「調息」(息の調節)が非常に重要な要素とされている。

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健康知識:経穴を用いた美顔方法

近年、日本において美容針灸が非常に流行っている。針灸院やエステサロンだけでなく、接骨院などでも美容針灸を取り入れ、様々な所で治療を受けられるようになっているが、場所により治療効果は大きく異なっている。美容針灸の治療院を選定することは普通の人にとって中々難しい。そのため、自身で経穴を用いた美顔方法がお勧めできる。

実際、刺針の代わりに手指を用いて経穴に適度な刺激を与えることで美顔の効果も充分に得られ、しかも安全かつ簡便である。基本的に美容針灸は針具でなく、経穴への刺激によって美容効果を果たしたのであり、経絡の調節作用は美容針灸の基礎となる。推拿(按摩)手法を用いて相応しく経穴に刺激を与えることにより、臓腑経絡の機能を強化して陰陽気血の平衝を調節し、顔面皮膚が濡養されて潤沢で弾性に富むことができる。これはいわゆる美容推拿の作用機序である。

美容針灸でも美容推拿でも、経絡腧穴が最も重要な決め手である。先ずは体質と体調に従って適切な経絡腧穴を選択して治療処方を決める。次に正確かつ精密に腧穴の定位を取る。最後に経絡腧穴において適宜な手法を行って適度な刺激を与える。

ここでは、美顔に常用される経穴の所属経脈と応用要点を紹介する。具体的な定位と取法は《経穴の定位と技法》、詳細な効能と主治は《経穴の性能と主治》を参照することができる。

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活動案内:「常用針灸腧穴の基礎と応用」講習会案内

腧穴とは、いわゆる「ツボ」のことで、体内の臓腑経絡の気血が体表の皮肉筋骨に輸送されて注入する部位です。腧穴は経絡に属して体内で臓腑に繋がっているため、体内の病証を体外に反映する診断点であり、また針灸推拿・気功導引など外治療法の治療点でもあり、臨床における疾病の診断治療に重要な存在となっています。実際、刺針の刺激のみならず、指圧や温灸など様々な物理的刺激を腧穴に相応しく与える ことで、生体の臓腑経絡機能を調節し、陰陽気血精神を調整することができ、健康  増進・疾病予防の効果も大きく期待されています。

本講習は、腧穴学の基礎知識を始め、臨床で最も常用される凡そ100経穴を取り挙げ、それぞれ名称の解釈から、その精確な定位と取法及び主要な性能と主治を伝授し、更に具体的な応用実技まで指導する予定です。腧穴の具体的な臨床応用の方法や経験を習得し、健康の維持と増進、疾病の予防と治療に役に立てると期待しています。

講習終了時、NPO法人伝統医学教育会の修了証書を交付します。

 

講 師:陳 志強  特定非営利活動法人伝統医学教育会理事長、医学博士

日 程:全8回 月1回 午前10時30分~13時00分(計20学時間)

① 04月21日 腧穴の基礎知識、定位・取法・性能・主治の概説;

② 05月19日 督脈腧穴、任脈腧穴;

③ 06月16日 手太陰肺経腧穴、手陽明大腸経腧穴;

④ 07月21日 足陽明胃経腧穴;

⑤ 09月08日 足太陰脾経腧穴、手少陰心経腧穴、手太陽小腸経腧穴;

⑥ 10月06日 足太陽膀胱経腧穴;

⑦ 11月10日 足少陰腎経腧穴、手厥陰心包経腧穴、手少陽三焦経腧穴;

⑧ 12月08日 足少陽胆経腧穴、足厥陰肝経腧穴。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務所

交 通:東京メトロ銀座線 末広町駅4番出口より徒歩4分

東京メトロ千代田線 湯島駅5番出口より徒歩5分

都営地下鉄大江戸線 上野御徒町A4番出口より徒歩8分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より 徒歩10分~15分

定 員6名以上で開講 10名まで

費 用:73,000円(当会会員は8,000円の割引額、分割払い可)。

教科書「経穴の定位と技法」別途4,950円(当会会員は割引後3,500円)

教科書「経穴の性能と主治」別途3,300円(当会会員は割引後2,200円)

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局

FAX 03(5816)5235

締切り:2024年4月6日(土)まで

健康知識:新型コロナウイルス感染後遺症について

1、概説

新型コロナウイルス性肺炎は、中医学において外感病証の「疫病」の範疇に属する。疫病は強烈な伝染性と流行性を持つ疾病の一種であり、通常の外感六淫(風寒湿燥火)とは異なり、「疫癘」(瘟疫、疫毒、癘気、疫気、毒気、異気、雑気、乖戻之気などとも言う)という病邪(致病素因)により起こされる。疫癘の形成は自然界の異常気候、環境の汚染、飲食の不潔、社会制度などと密接に関係している。新型コロナウイルス性肺炎の発生は、急速な蔓延・広範囲の流行・重篤な病状などの特徴から一般的な外感六淫ではなくて「疫癘」によるものである。病状の性質から見ると、主に寒湿の邪気と密接な関係を持って「寒湿疫」と定義している。

中医学における邪気は一つの抽象的な概念で、人体に疾病を致す全ての素因を指し、いわゆる致病素因のことである。致病素因は大まかに外感病因(風寒湿燥火の六淫、疫癘)、内傷病因(喜怒憂悲恐驚の五臓七情)、そして不内外病因(飲食、労逸、外傷、寄生虫、水湿痰飲、瘀血など)の三大類に分けられるが、新型コロナウイルス性肺炎には外感病因の疫癘が致病素因となっている。邪気は主に発病する時に病状の特徴に従って病邪の性質をまとめてきたのであり、現代医学における細菌やウイルスなど具体的なものと全く一致しない。

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健康知識:便秘解消の五経穴

便秘は日常生活で多く見られ、年齢増加や運動不足などにより胃腸の機能が減退して現れ易い。特に秋季の乾燥に伴って便秘に悩まされている方が増えている。大便が乾燥して腸管に閉塞することで、腹脹腹痛や食思不振、更に煩躁不安などの病症が起こされることもある。

中医学的には、便秘の病位は大腸にあるが、脾胃・肺・肝・腎など臓腑の機能失調に関係している。

便秘の問題の解決には生活方式の調整するほか、人体における経穴の按揉法を行うことも効果的である。下記の五経穴は腑気通調・潤腸通便の効果を発揮して便秘の解消にお勧めできる。

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健康知識:秋季補肺のための百合の応用

酷暑が長引き、立秋から暫く経ちましたが、蒸し暑くて中々爽やかにならず、秋分になってようやく朝晩秋の気配が感じられるようになった。

秋季は「陰長陽消」の時期であり、万物が「引き締まる」特徴を現している。自然界の六気では燥が主気となり、燥は陰を傷め易い。また五行学説では、人体の肺臓は秋季と同じく金に属しているため、秋気に通じて合っている。肺は「嬌臓」と呼ばれるようにデリケートの臓で、湿を好んで燥を嫌悪する生理特徴を持ち、寒熱燥などの邪気に耐え難く、特に燥邪に傷められ易い。そのため、秋季では潤肺が最も重要な養生原則である。飲食薬膳による健康養生では、梨、冬瓜、百合、白木耳、蓮実、銀杏、杏仁、蜂蜜、鳩肉などの食材は直接肺臓に滋潤・補益の作用を持っている。中でも、百合が特にお勧めの一種である。

ここでは百合の食用方法を幾つか紹介して秋季の肺臓補益に役立てて欲しい。

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