健康知識:就寝前の補腎排毒のための二動作

寝る前にパソコンやスマホンなどから手を離さない方は少なくないが、実際就寝前の30分間は健康養生に最も重要な黄金時間である。毎日この時間を大切に利用し、腎気を補充して毒素を排出する下記の二つの小さな動作を行うことで、健康増進・養生長寿のため大いに役立つ。

生体の最大の排毒通路と言えば膀胱経である。膀胱経が通暢であれば、外邪も侵入せず、内毒も排出され、当然身体は百病から離れていく。但し、この膀胱経はただの通路で、それ自身は運行する動力を持たず、主に腎気の支持に頼って初めて邪気防御・毒素排出の役割を果たすのである。そこで、膀胱経を疏通させるために、補腎が前提として必要である。

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健康知識:就寝前の補腎排毒のための二動作

寝る前にパソコンやスマホンなどから手を離さない方は少なくないが、実際就寝前の30分間は健康養生に最も重要な黄金時間である。毎日この時間を大切に利用し、腎気を補充して毒素を排出する下記の二つの小さな動作を行うことで、健康増進・養生長寿のため大いに役立つ。

生体の最大の排毒通路と言えば膀胱経である。膀胱経が通暢であれば、外邪も侵入せず、内毒も排出され、当然身体は百病から離れていく。但し、この膀胱経はただの通路で、それ自身は運行する動力を持たず、主に腎気の支持に頼って初めて邪気防御・毒素排出の役割を果たすのである。そこで、膀胱経を疏通させるために、補腎が前提として必要である。

下記の二動作は補腎と排毒のためである。

① 腎気保養

就寝前に仰向けにし、両手の外労宮(手背)をそれぞれ腰部の両側に密接させ、5~10分間後、熱感が徐々に全身まで伝わっていく。これにより、運行気化で腎臓にある虚寒の気を汗に変えて体外へ追い出すことができる。始めは両手が腰に押さえられて痺れや張った不快感が現れることもあるが、3~5日続けて慣れていたら解消され、両脚も軽く感じる。また飲酒過度の方は按えると額部に汗が出たり、更に腰にも汗が出るが、いずれも腎気が少しずつ充足する良好現象である。

② 膀胱経排毒

上記の動作を完成させて腎気が補充された後、膀胱経絡を通させて毒を排出する動作に入る。仰臥位から上半身を起こして座り、両脚を合わせて真っ直ぐに伸ばし、足先を手前に最大限に戻し、両手でできるだけ足趾を掴み、上半身を少しずつ下へ落ちて背中を伸ばす。これは膀胱経を助けて排毒する方法であり、できれば15~30分間続け、太股の後部筋肉が引っ張られる感じがあると良い。

二つの動作は簡単で効果的で、補腎であり排毒により健康増進効果が得られる。

 

健康知識:春季における養肝昇陽の五種粥

陽春の三か月から人体の陽気が昇発になり、養肝補陽気に工夫する時節である。春には肝気が旺盛になり、脾胃の消化吸収機能に影響を及ぼし易いため、飲食上であっさりした物を主とすべきである。

ここでは春季の養生献立として養肝昇陽の作用を果たすお粥を紹介する。

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健康知識:春季における養肝昇陽の五種粥

陽春の三か月から人体の陽気が昇発になり、養肝補陽気に工夫する時節である。春には肝気が旺盛になり、脾胃の消化吸収機能に影響を及ぼし易いため、飲食上であっさりした物を主とすべきである。

ここでは春季の養生献立として養肝昇陽の作用を果たすお粥を紹介する。

1、セロリ粥

[作り方]セロリ120g、粳米150g。先ずセロリをお水で煮込んで、汁を取って粳米と一緒にお粥を作り、温かく食用する。

[効用]春季には肝陽が動き易く、肝火が逆上せ易いため、頭痛や目眩などの症状が多く見られる。また罹病期間や中老年には血圧を降下させ、イラつきを軽減させるためにもなる。

2、菊花粥

[作り方]菊花50g、粳米100g、氷砂糖適量。先ず菊花を煎じ、粳米を加えてお粥を作り、出来上がる前に氷砂糖を入れて溶かす。

[効用]春季に多く食することで、風熱頭痛や頭暈耳鳴などを緩解することができ、更に長期間の食用で手足が軽く、耳目が聡明で、生体の老衰を延ばせる。

3、山芋粥

[作り方]新鮮な山芋100~200g、粳米100g。山芋を綺麗に洗ってスライスにし、粳米と一緒に煮込んで粥を作る。

[効用]山芋は性味平和で脾・肺・腎を滋補する食物である。現代の薬理学研究によると、山芋にはアミラーゼ、糖タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミンCなどを含み、滋養効果を持っている。春季で山芋粥を多く食用することで、補益効果が強く、冬季における消耗を補給できる。

4、人参粥

[作り方]人参1~2本(好みにより)、粳米100g、葱と生姜少々、香菜と胡麻油適量。人参を細切りにし、お湯に透してからサラダ油で葱と生姜の微塵切りと炒めて置く。粳米を水で粥に煮込み、出来上がりそうな時に炒めた人参を加えて少し煮込む。香菜と胡麻油で調味して食用する。

[効用]人参にはビタミAが豊富で、食欲不振や消化不良、皮膚乾燥、夜盲症、高血圧などの者に適応する。

5、枚瑰花粥

[作り方]枚瑰花の蕾(脱水処理済み)適量、粳米。粳米を水でお粥を作り、出来上がる際に、枚瑰花の蕾を加え、お粥が徐々にピンク色になってから食用する。

[効用]枚瑰花粥の食用で皮膚の肌理が細かくされて美顔効果があるほか、肝気鬱結による胃痛を緩解させ、また精神不安に対して安神鎮静・抗憂欝の効果がある。

活動案内:「常見病証の針灸治療実技」講習会

針灸医学は理論に基づいた実践的な学科です。臨床においては、中医学の辨証論治を元にして正確な診断を下す事が出来て、初めて正しい治療方針が立てられます。そこから、経穴の特性に従って相応しい処方を組み合わせ、更に正しく技術を行うことにより効果的に治療を実施できます。日本の現状として、伝統医学の病証に対して基本概念の認識がはっきりせず、また総合的な辨別分析の考え方も欠けているため、辨証論治の臨床応用は未だに広く普及されていません。更に学校教育では実践に接した臨床実習が不足しているため、臨床現場に入ると、患者さんに対応し難く感じる方が多いようです。

本講習は伝統医学教育の実用性に重点を置き、針灸臨床において最も常見される6病証を代表例として取り上げ、その基本概念、病因病機と辨証分型、そして治療原則と治療方針を明確にしたうえ、選穴処方及び臨床経験を解説し、更に具体的な診察技能及び刺針実技を指導しながら、実技練習を行う予定です。これにより病証に対する診断と治療を導き、臨床実践の技術能力が高まる事を期待しています。

講習終了時、NPO法人伝統医学教育会の修了証書を交付します。 

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全6回 月1回の日曜日(計15学時間)

COVIC-19感染拡大防止のため午前と午後の二部制の少数定員で行う

午前の部10時30分~13時00分 午後の部14時00分~16時30分

毎回約60分理論解説、90分実技指導

① 05月23日 頭痛;

② 06月27日 腰痛;

③ 07月25日 便秘;

④ 09月05日 月経痛;

⑤ 10月03日 絶経前後症候;

⑥ 11月07日 中風半身不遂。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会臨床センター

交 通:東京メトロ銀座線末広町駅より徒歩4分、千代田線湯島駅より徒歩4分

都営地下鉄大江戸線上野御徒町より徒歩8分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より徒歩10分~12分

定 員午前と午後の二部それぞれ4名以上で開講 6名まで

費 用:56,000円(講習資料及び実習用具の費用込み、分割払い可)

当会会員は6,000円割引

教科書「病証の辨析と処方」別途3,800円

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局 FAX 03(5816)5235

締切り:2021年4月30日(金)まで

健康知識(特別公開):ウイルス抵抗に最も重要な食物 蛋白質

新型コロナウイルスの感染が蔓延してから、皆、どうすればウイルス感染に抵抗できるかと考えている。実際、その答えは非常に簡単で、病邪侵襲に抵抗する決め手は生体の免疫力である。この免疫力はいわゆる中医学における正気に当たり、生体の正気が充足であれば、病邪から侵襲されない。まさに《黄帝内経》に「正気存内,邪不可干」と記載されている通りである。

人体はウイルスに感染された後、自身の免疫力によってウイルスに打ち勝つことができるが、通常では免疫反応の過程は二週間くらい続く、つまり感染後は二週間くらいを経ってから始めて回復に向かう。現在では新型コロナウイルスに対して最も重要な「特効薬」はやはり免疫力しかない。罹病してからの二週間は多臓器の機能不全に遭遇する恐れがあり、この最も過ごし難い二週間を乗り越えられるかどうかは免疫力次第である。

現代医学では、体内に入った細菌やウイルスなどの病原体に対して抵抗し攻撃することにより身体を守る力を免疫力と言う。この能力は生体が本来備えている自己防御機能であり、血液中の白血球がそれを担っている。実際、病原体と戦う白血球は様々な役割を分担する細胞の集合体であり、具体的に小食細胞と呼ばれる顆粒球、大食細胞と呼ばれるマクロファージ、特定の抗体を作って病原体を抵抗するB細胞、病原体に冒された感染細胞を攻撃してその繁殖を抑えるT細胞、そして主に癌細胞を見付け出して攻撃するNK細胞など、五つの免疫細胞が常に働いている。

これらの免疫細胞の産生、そしてB細胞による抗体の産生には蛋白質が不可欠である。充足な蛋白質、特に上質な蛋白質の摂取を確保することこそ、自己免疫力を高める鍵である。実際、中国において新型コロナウイルス感染症対策の臨床現場でも実証されており、重症が軽症へ転化するため最も重要な素因は栄養素と蛋白質の確保である。栄養程度が比較的良い患者は重症化が多く認められず、逆に栄養程度が悪い患者は症状の増悪が現れ易いことから、医療チームの治療方針も毎日の食事に卵を増やして患者の蛋白質とアルブミンの水準を高める調整を行っている。病状の進行を抑えるには極めて重要である。譬え万が一、新型コロナウイルスに感染したとしても、充足な体力と免疫力を体の資本として保有すれば、病邪との闘いで困難な状態を乗り越えられる。

蛋白質は人体組織を構成する重要な部分として生命の物質基礎であり、同時に生命の現象は根本的に全て蛋白質の機能の現れである。では、どんな食物が上質な蛋白質の食物に属するのか?ここでは中国栄養学会が推奨する日常の上質な蛋白質の食物ランキング十位までを下記通りに並べる。

① 卵

卵に含まれる栄養素は豊かで、ビタミンCと繊維素を除いた全ての栄養素が揃っているため、完全栄養食物だと言われるほど栄養価値の高い食物とされている。卵の蛋白質含量は13%ぐらいであり、アミノ酸の組成も人体の需要と非常に近いため、通常アミノ酸を評価する参考蛋白質とされている。卵の蛋白質は僅かに母乳に次いで人体の中で利用率が高いことから、食物の中で最も上質な蛋白質とされている。

成人の場合は一日に1~3個の卵(白身と黄身を共に食べる)をお勧めする。因みに消化吸収率から見ると、ゆで卵が良い食べ方である。

② 牛乳

牛乳は液体食物として水分の含量が高いため、蛋白質の含量は僅か3%しかない。しかし牛乳は便宜に飲用できて容易に数百グラムの摂取量に達するほか、同時必須アミノ酸の比例も人体の需要に一致し、上質な蛋白質に属すると言える。

一日に300g或いは300gに相当する乳製品の摂取をお勧めする。乳糖不耐症の方は代わりにヨーグルトを飲むことができる。

③ 魚

魚類は蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルを豊かに含む。蛋白質の含量は約15%~22%であり、人体の必要な各種アミノ酸を含有し、特にロイシンとリジンが豊富であり、上質な蛋白質に属する。

④ 蝦

蝦の栄養価値は非常に高く、蛋白質、ビタミンA・B1・B2とナイアシン(Vit. B5)、カルシュウム、磷、鉄などの成分を含む。蛋白質の含量は約16%~23%である。

成人の一日の水産物(魚・蝦・貝類を含む)摂取量は40~75gをお勧めする。

⑤ 鶏肉

鶏肉の蛋白質含量は20%くらいであり、沢山の筋肉トレーニング者が愛用する蛋白質の源である。鶏肉には人体に消化され易い多種のアミノ酸を含有する。

⑥ 家鴨肉

家鴨肉の栄養価値は鶏肉に似ている。蛋白質の含量は約16%であり、主にミオシノーゲンとミオシンで、他の一部分は細胞間質蛋白である。そのうち、水溶性のコラーゲンとエラスチン、少量のゼラチンを含み、残りは非蛋白質窒素である。

⑦ 牛肉の赤身

牛肉の赤身には蛋白質が20%以上含まれ、アミノ酸の組成も人体の需要に近く比例も均等で人体の吸収利用率が高い。

⑧ 羊肉の赤身

羊肉の赤身の蛋白質の含量は20%くらいである。羊肉に含有する必須アミノ酸と総アミノ酸との比率は40%以上に達し上質な蛋白質の食物に属し、人体の吸収利用率が高い。またリジン、アルギニン、ヒスチジン、スレオニンの含量は他の肉類に比べて高い。

⑨ 豚肉の赤身

豚肉の赤身には約20%の蛋白質が含まれ、必須アミノ酸の組成も人体の需要に近い。

一日の肉類(鶏・家鴨などの鳥類及び牛・羊・豚などの畜類)摂取量は40~75gをお勧めする。

⑩ 大豆

大豆には黄豆、黒豆、そして青豆が含まれる。唯一の植物性の蛋白質の源として、大豆には上質な蛋白質、不飽和脂肪酸、カルシュウム、カリウム、及びビタミンEが豊に含有する。大豆の蛋白質含量は約30%~40%であり、必須アミノ酸の構成比も動物蛋白に類似し、且つ穀物類蛋白に欠けているリジンも豊富であるため、穀物類蛋白質と相互補完的な天然の理想的食品とされている。

一日の大豆とナッツ類の合計摂取量は25~35gをお勧めする。

食事のほか、笑うことで免疫力が上がる事が証明されているため、日頃はウイルス感染からの緊張や恐怖などの気分を持たず、常に精神を緩めて明るく愉快な状態に調整する事も重要である。更に針灸推拿などの方法を用いて大椎・足三里・膈兪・肝兪・脾兪などの経穴を刺激する事も免疫力を上昇させるため確実な一手段である。

健康知識:健康増進のための自己推拿法

新型コロナウイルス感染が拡大し、緊急事態宣言の再度発令及び期間延長により不要不急の外出を自粛しているほか、天候も例年より寒さが厳しいため、在宅時間が更に長くなり、日常生活の中で運動不足などの懸念が出てくる。この情勢では、外出も気が気でないため家の中での運動が好ましい。そこで、五禽戯、六字訣、八段錦など余り空間を必要としない中医気功法は大いに役立つ方法とされている。しかし、これまで習得しておらず、今から始めようとすると少し難しいと考える方も多いと思う。そこで、代わりに自分で行う簡単便宜な養生推拿法をお勧めする。

ここでは、個人的に日頃行っている自己推拿法を紹介する。これを参考にして毎日15分~30分ほど続けることで、健康増進の効果が期待できる。

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健康知識:健康増進のための自己推拿法

新型コロナウイルス感染が拡大し、緊急事態宣言の再度発令及び期間延長により不要不急の外出を自粛しているほか、天候も例年より寒さが厳しいため、在宅時間が更に長くなり、日常生活の中で運動不足などの懸念が出てくる。この情勢では、外出も気が気でないため家の中での運動が好ましい。そこで、五禽戯、六字訣、八段錦など余り空間を必要としない中医気功法は大いに役立つ方法とされている。しかし、これまで習得しておらず、今から始めようとすると少し難しいと考える方も多いと思う。そこで、代わりに自分で行う簡単便宜な養生推拿法をお勧めする。

ここでは、個人的に日頃行っている自己推拿法を紹介する。これを参考にして毎日15分~30分ほど続けることで、健康増進の効果が期待できる。

1、梳頭洗臉(頭髪をとかし、顔面を擦る)

坐位または仰臥位を取る。

[操作方法]

両手の十本指指先を用いて、前髪の生え際から頭頂・後頭へ、髪の毛をとかすような動作を36回行う。

両手の手掌を用いて、鼻翼の両側から上方へ額にゆき、そのまま両側へ分け、顳(こめかみ)・頬を経て下方へ、顔を洗うような動作を36回行う。

[追加動作]

百会穴の按揉:両手の中指を重ねて頭頂部の百会穴に当て、36回按えながら揉む。

2、揉眼搓耳(眼球を揉み、耳介を擦る)

坐位または仰臥位を取る。

[操作方法]

両手の手根部を同側の眼球に当て、時計回りと反時計回りの方向へそれぞれ36回揉む。

両手の手掌を用いて同側の耳介を覆い、36回擦る。

[追加動作]

睛明穴・太陽穴・四白穴の点揉:睛明穴に拇指の指先、太陽穴に拇指または示指の指先、四白穴に示指の指先を当て、それぞれ36回按えながら揉む。

耳輪の揉擦:両手の拇指を耳介背面に当てて支え、示指の側面を耳介正面に当てて挟みながら、上方から下方へ耳介を揉み、最後に耳垂を下方へ引っ張る。

3、叩大椎(大椎穴を叩く)

坐位を取る。

[操作方法]

拳を握り、その手掌面を用いて、頸項根部の大椎穴において18回軽く叩く。手が届かない場合は手掌(五本指を合わせて手掌の中に空を作る空心掌)を用いる。

4、擦腰暖腎(腰を擦って腎を暖める)

坐位を取る。

[操作方法]

両手の手掌を腰部の両側に当て、上方から下方へ36回擦る。

5、拍胸(胸部を叩く)

仰臥位または坐位を取る。

[操作方法]

一側の手掌(空心掌)を用いて、反対側の胸郭を上方から下方へ6往復6回ずつ計36回軽く叩く。その後、手を変えて同様に36回行う。

[追加動作]

膻中穴の按揉:手根部を胸骨中央の膻中穴に当て、36回按えながら揉む。

6、摩腹揉腹(腹部を摩り、揉む)

仰臥位または坐位を取る。

[操作方法]

両手の手掌を用いて、腹部において、それぞれ時計回りと反時計回りの方向へ、臍を円心にして円形に36回ずつ摩る。

その後、両手の手掌を重ねて(女性は右手を下、男性は左手を下に置く)上腹部の中脘穴に当て、反時計回りの方向に54回、下腹部の関元穴に当てて時計回りの方向に81回揉む。

[追加動作]

推腹:両手の手掌を腹部の両側(腹直筋上)に当て、上方から下方へ36回推し下ろす。その後、両手の手掌を両側の脇肋部に当て、外上方から内下方へ斜めに36回推し下ろす。

7、擦揉膝蓋(膝関節を擦って揉む)

坐位を取って脚を伸ばす。

[操作方法]

両手の手掌を用いて、同側の膝関節の上を覆い、上方から下方へ36回擦り、その後、円形方向に36回揉む。そのまま手掌を用いて36回軽く叩く。

[追加動作]

抓膝蓋骨:両手の拇指及び示指中指の指腹を用いて、膝蓋骨を両端から掴みながら、膝の上下方向(手の前後方向)に36回動かす。

8、推擦小腿(下腿を推して擦る)

坐位または仰臥位(下腿内側面)を取る。

[操作方法]

両手の手掌(特に手根部)を用いて、同側の下腿外側面において、膝の外下方から外踝付近へ36回推し下ろす。手が届かない場合は、左右を交替して前後に行う。

一側の足裏を用いて、反対側の下腿内側面において、膝の内下方から内踝付近へ36回擦る。その後、足を変えて同様に36回行う。

[追加動作]

足三里穴の按揉:拇指指腹を用いるか、或いは両手の拇指を重ねて、膝の外下方の足三里穴に当て、36回按えながら揉む。

9、揉圧太溪(太溪穴を押さえて揉む)

仰臥位または坐位を取る。

[操作方法]

一側の足踵を反対側の内踝後方の太溪穴に当て、36回押さえながら揉む。

10、擦湧泉(湧泉穴を擦る)

坐位を取って膝を曲げる。

[操作方法]

両手の手掌を用いて、両側の足裏を36回擦る。

上記の自己推拿法の各動作は基本的に頭部(上方)から足部(下方)まで行うが、一定の順序に拘る必要は無い。各自の都合や具体的な体位に従って操作し易いように行えば良い。例えば、寝る前に行う際に、頭部から背腰部を経て下肢までの動作を済ましてから、仰向けになって胸部と腹部の動作を最後に完成し、そのまま寝るのが睡眠改善にも効果的である。また回数も時間によって増減できる。

健康知識:冬の数九寒天に養生を語る

中国では、一年中最も暑い時期の三伏天に対し、最も寒い時期を「数九天」としてている。数とは数える事を指し、数九は九を数えることである。冬至から天候が本格的に冷え込むため、冬至から九日間ずつ日々を数えて行き、一つ目の九日間を一九、二つ目の九日間を二九とし、三九と四九が二十四節季の小寒小寒と大寒を含めて最も寒い時期で、その後は気温が徐々に暖かくなっていき、最後に九つ目の九日間まで数えると、「九尽桃花開」(九が尽くしたら桃の花が咲く)で春が来るため、数九天は計八十一日間とされているが、実際は更に九日間を加えて九十日間を数えている。

「数九天」の厳寒天候に人体は最も寒気に損耗され易いため、温補の原則に重点を置いて養生する必要がある。下記の衣・食・住・行などの面で充分注意しなければならない。

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健康知識:冬の数九寒天に養生を語る

中国では、一年中最も暑い時期の三伏天に対し、最も寒い時期を「数九天」としてている。数とは数える事を指し、数九は九を数えることである。冬至から天候が本格的に冷え込むため、冬至から九日間ずつ日々を数えて行き、一つ目の九日間を一九、二つ目の九日間を二九とし、三九と四九が二十四節季の小寒小寒と大寒を含めて最も寒い時期で、その後は気温が徐々に暖かくなっていき、最後に九つ目の九日間まで数えると、「九尽桃花開」(九が尽くしたら桃の花が咲く)で春が来るため、数九天は計八十一日間とされているが、実際は更に九日間を加えて九十日間を数えている。

「数九天」の厳寒天候に人体は最も寒気に損耗され易いため、温補の原則に重点を置いて養生する必要がある。下記の衣・食・住・行などの面で充分注意しなければならない。

1、温暖を保持して消耗を防ぐ

寒気で生体の陽気が消耗され易く、更に冬至から陽気が芽生え始めるため、寒気に傷められないように十分に保温する必要がある。また寒邪は凝滞の性質が持ち、寒冷により生体の気血運行が緩慢になって停滞も起こり易い。平素に血液粘稠度が高い高血脂、高血糖、高コレステロールの患者を含め、特に頸・肩・腰・腿の部位を温めなければならない。

寒は陰邪で陽気を傷め易いため、特に頭と足の防寒を大切にすれば、より良く寒邪の侵襲を防ぐ。寒冷の日、温かい厚着だけを着ても頭から身体の熱が放散してしまう恐れもあるため、出来れば帽子やマフラーなどで頭を覆った方が無難である。一方、足が冷えると内臓まで及ぼして下痢、月経不順、陽痿、腰腿疼痛などの病症を引き起こす。足を暖めるためには、就寝前にお湯で足を浸す方法が効果的であり、冷え症の者には艾葉を加えたり、湿が多い者には花山椒を入れたりし、煎じてから足を浸すと更に効果を高める。

具体的な手段として、合理的に衣服の厚みを調整し、暖房などで室温を調節する。

但し、身体の温暖保持は適度にしなければならず、熱がりや汗かきのない程度を適宜とする。着過ぎたり室温が高過ぎたりすると、熱くて汗をかき、腠理が開いて陽気の封蔵を妨げ、寒邪を感受して罹病する恐れがある。

2、適度な飲食で身体を補う

飲食保養は健康養生において重要な手段であり、特に冬至を過ぎた後は身体を大いに補う最適な時期であり、温熱性質の食物を以って身体を補益すると、半分の労で倍の効果を上げる。

陽気が不足する数九寒天では、羊肉、大根、生姜、長葱など温熱性質の食物を多めに食すことにより、生体の陽気を補う。

但し、冬季では肉類など脂っこい物・甘い物・厚味を多く食し、飲食が消化されず湿痰や蓄熱を生じ易いため、温熱性質の食物に伴い、蓮根、大根、白菜、梨、黒慈姑など津液を補足する清涼性質の食物も必要である。

ほかに、一日一度くらい温かい雑穀粥を食べると、身体を暖めるほか、胃腸を暖めて消化機能を促進して食欲を増進させる。

3、充足な睡眠で陰陽を補う

充分な睡眠時間を確保することは、陽気の潜蔵と陰精の蓄積に有益である。数九寒天において最も直接な養生法として早寝遅起きであり、普段より一時間多めに寝るのをお勧めする。

《黄帝内経》には冬の養生について「早寝遅起き、必ず日光を待つ」と記載している。中医学的には、早寝は陽気を温存するためになり、遅起きは陰気を保養するのを助ける。このように体内の陰陽平衡、臓腑を滋養して生体の健康を増進する。

4、適度な運動で気血を助ける

運動養生は生体の防寒能力を高める効果があるが、自然の規則性に順応しなければならない。基本的に数九厳冬の時節には、「蔵」(陽気と精気の貯蔵)に工夫すべきで、運動を多めにすることをお勧めしない。運動する際には有酸素運動が重要である。

先ず運動の強度からみると、ジョギングや球技試合など激しい運動は身体のエネルギー消耗が大きく、汗かきにより肌膚腠理が開いて陽気や腎精の消耗を招くため不適切である。代わりに早足歩き、八段錦、太極拳などの緩やかな運動がお勧めである。

次に運動の時間からみると、早朝は気温が低くて陽気が消耗され易いため、運動には適宜ではない。特に老人や心脳血管罹患者などの場合は必ず日が出てから、昼前後の陽気が比較的強い時間帯(午前十時前後或いは午後三四時くらい)にお勧めする。

また運動前に充分な準備運動を行って身体を温め、寒冷時気の筋骨強硬による運動損傷の発生リスクを下げる。運動後は直ぐに温かい飲物を補給し、生体の水液消耗による血液粘稠度の変化を起こして心脳血管疾患を予防する。

5、日光浴で陽気を補給しながら情緒を調節する

太陽は自然界陽気の本源であり、生命の陽気も日光から摂取されている。陽気が少ない数九寒天に日を浴びる事は生体の陽気を保養する重要な手段である。

また寒冷時期は気候が乾燥しているし、暖房や焜炉などの使用で更に乾燥して逆上せを起こし、情緒の変化も見られ易い。中医的には「怒則気上」で、気が逆上せると陽気は乱されるため、数九寒天の情緒の調節も重要である。

日を浴びることで陽気を補って寒気を駆除できるし、同時に気分転換で情緒を調節して抑鬱を減少させる。具体的な方法としは、両側の手掌を開いて日に向け、散歩や深呼吸などを伴う。三十分から一時間ほどお勧めする。

今は数九寒天の三九の最中である。最も寒い時期のなか、正しい養生方法を以って健康な身体を作り、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの病邪から身を守りましょう。