健康知識:冬の数九寒天に養生を語る

中国では、一年中最も暑い時期の三伏天に対し、最も寒い時期を「数九天」としてている。数とは数える事を指し、数九は九を数えることである。冬至から天候が本格的に冷え込むため、冬至から九日間ずつ日々を数えて行き、一つ目の九日間を一九、二つ目の九日間を二九とし、三九と四九が二十四節季の小寒小寒と大寒を含めて最も寒い時期で、その後は気温が徐々に暖かくなっていき、最後に九つ目の九日間まで数えると、「九尽桃花開」(九が尽くしたら桃の花が咲く)で春が来るため、数九天は計八十一日間とされているが、実際は更に九日間を加えて九十日間を数えている。

「数九天」の厳寒天候に人体は最も寒気に損耗され易いため、温補の原則に重点を置いて養生する必要がある。下記の衣・食・住・行などの面で充分注意しなければならない。

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健康知識:冬の数九寒天に養生を語る

中国では、一年中最も暑い時期の三伏天に対し、最も寒い時期を「数九天」としてている。数とは数える事を指し、数九は九を数えることである。冬至から天候が本格的に冷え込むため、冬至から九日間ずつ日々を数えて行き、一つ目の九日間を一九、二つ目の九日間を二九とし、三九と四九が二十四節季の小寒小寒と大寒を含めて最も寒い時期で、その後は気温が徐々に暖かくなっていき、最後に九つ目の九日間まで数えると、「九尽桃花開」(九が尽くしたら桃の花が咲く)で春が来るため、数九天は計八十一日間とされているが、実際は更に九日間を加えて九十日間を数えている。

「数九天」の厳寒天候に人体は最も寒気に損耗され易いため、温補の原則に重点を置いて養生する必要がある。下記の衣・食・住・行などの面で充分注意しなければならない。

1、温暖を保持して消耗を防ぐ

寒気で生体の陽気が消耗され易く、更に冬至から陽気が芽生え始めるため、寒気に傷められないように十分に保温する必要がある。また寒邪は凝滞の性質が持ち、寒冷により生体の気血運行が緩慢になって停滞も起こり易い。平素に血液粘稠度が高い高血脂、高血糖、高コレステロールの患者を含め、特に頸・肩・腰・腿の部位を温めなければならない。

寒は陰邪で陽気を傷め易いため、特に頭と足の防寒を大切にすれば、より良く寒邪の侵襲を防ぐ。寒冷の日、温かい厚着だけを着ても頭から身体の熱が放散してしまう恐れもあるため、出来れば帽子やマフラーなどで頭を覆った方が無難である。一方、足が冷えると内臓まで及ぼして下痢、月経不順、陽痿、腰腿疼痛などの病症を引き起こす。足を暖めるためには、就寝前にお湯で足を浸す方法が効果的であり、冷え症の者には艾葉を加えたり、湿が多い者には花山椒を入れたりし、煎じてから足を浸すと更に効果を高める。

具体的な手段として、合理的に衣服の厚みを調整し、暖房などで室温を調節する。

但し、身体の温暖保持は適度にしなければならず、熱がりや汗かきのない程度を適宜とする。着過ぎたり室温が高過ぎたりすると、熱くて汗をかき、腠理が開いて陽気の封蔵を妨げ、寒邪を感受して罹病する恐れがある。

2、適度な飲食で身体を補う

飲食保養は健康養生において重要な手段であり、特に冬至を過ぎた後は身体を大いに補う最適な時期であり、温熱性質の食物を以って身体を補益すると、半分の労で倍の効果を上げる。

陽気が不足する数九寒天では、羊肉、大根、生姜、長葱など温熱性質の食物を多めに食すことにより、生体の陽気を補う。

但し、冬季では肉類など脂っこい物・甘い物・厚味を多く食し、飲食が消化されず湿痰や蓄熱を生じ易いため、温熱性質の食物に伴い、蓮根、大根、白菜、梨、黒慈姑など津液を補足する清涼性質の食物も必要である。

ほかに、一日一度くらい温かい雑穀粥を食べると、身体を暖めるほか、胃腸を暖めて消化機能を促進して食欲を増進させる。

3、充足な睡眠で陰陽を補う

充分な睡眠時間を確保することは、陽気の潜蔵と陰精の蓄積に有益である。数九寒天において最も直接な養生法として早寝遅起きであり、普段より一時間多めに寝るのをお勧めする。

《黄帝内経》には冬の養生について「早寝遅起き、必ず日光を待つ」と記載している。中医学的には、早寝は陽気を温存するためになり、遅起きは陰気を保養するのを助ける。このように体内の陰陽平衡、臓腑を滋養して生体の健康を増進する。

4、適度な運動で気血を助ける

運動養生は生体の防寒能力を高める効果があるが、自然の規則性に順応しなければならない。基本的に数九厳冬の時節には、「蔵」(陽気と精気の貯蔵)に工夫すべきで、運動を多めにすることをお勧めしない。運動する際には有酸素運動が重要である。

先ず運動の強度からみると、ジョギングや球技試合など激しい運動は身体のエネルギー消耗が大きく、汗かきにより肌膚腠理が開いて陽気や腎精の消耗を招くため不適切である。代わりに早足歩き、八段錦、太極拳などの緩やかな運動がお勧めである。

次に運動の時間からみると、早朝は気温が低くて陽気が消耗され易いため、運動には適宜ではない。特に老人や心脳血管罹患者などの場合は必ず日が出てから、昼前後の陽気が比較的強い時間帯(午前十時前後或いは午後三四時くらい)にお勧めする。

また運動前に充分な準備運動を行って身体を温め、寒冷時気の筋骨強硬による運動損傷の発生リスクを下げる。運動後は直ぐに温かい飲物を補給し、生体の水液消耗による血液粘稠度の変化を起こして心脳血管疾患を予防する。

5、日光浴で陽気を補給しながら情緒を調節する

太陽は自然界陽気の本源であり、生命の陽気も日光から摂取されている。陽気が少ない数九寒天に日を浴びる事は生体の陽気を保養する重要な手段である。

また寒冷時期は気候が乾燥しているし、暖房や焜炉などの使用で更に乾燥して逆上せを起こし、情緒の変化も見られ易い。中医的には「怒則気上」で、気が逆上せると陽気は乱されるため、数九寒天の情緒の調節も重要である。

日を浴びることで陽気を補って寒気を駆除できるし、同時に気分転換で情緒を調節して抑鬱を減少させる。具体的な方法としは、両側の手掌を開いて日に向け、散歩や深呼吸などを伴う。三十分から一時間ほどお勧めする。

今は数九寒天の三九の最中である。最も寒い時期のなか、正しい養生方法を以って健康な身体を作り、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの病邪から身を守りましょう。

健康知識:秋冬養生のためのお粥

お粥は最も古い料理だと言われている。遥か三千年前の商代最初の調理法として、お水で穀物や野菜を煮込むことで、栄養素が最も人体に消化吸収され易くなる。またお粥は便宜かつ安価が特徴で、古来農耕生活の東洋人の食卓では多く食べられている。特に病人や老人・小児・妊婦など身体虚弱の者に対してお粥は最も滋養作用を持つ食物である。生体の状態に応じて食材の配合を調整することで目的性を明確にして病人に応用し易いし、老若男女に適応して応用範囲が広い。

お粥は主に二大効能を持ち、日頃の健康養生に役立っている。

① 健脾益腎;② 和胃調腸。

温補作用を持つお粥は秋冬の養生に不可欠な健康食である。お粥の種類は百以上に及んでいるが、中でも最も秋冬に相応しく補養効能の高い物として六種類が数えられる。

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健康知識:秋冬養生のためのお粥

お粥は最も古い料理だと言われている。遥か三千年前の商代最初の調理法として、お水で穀物や野菜を煮込むことで、栄養素が最も人体に消化吸収され易くなる。またお粥は便宜かつ安価が特徴で、古来農耕生活の東洋人の食卓では多く食べられている。特に病人や老人・小児・妊婦など身体虚弱の者に対してお粥は最も滋養作用を持つ食物である。生体の状態に応じて食材の配合を調整することで目的性を明確にして病人に応用し易いし、老若男女に適応して応用範囲が広い。

お粥は主に二大効能を持ち、日頃の健康養生に役立っている。

① 健脾益腎:抵抗力と免疫力を高め、疾病予防と健康増進ができる;

② 和胃調腸:豊富な栄養の消化吸収を促進し、滋養強壮と体力増強ができる。

温補作用を持つお粥は秋冬の養生に不可欠な健康食である。お粥の種類は百以上に及んでいるが、中でも最も秋冬に相応しく補養効能の高い物として下記の六種類が数えられる。

1、粟と南瓜の粥

[作り方]

南瓜の皮を剥いて小さく角切りにし、粟を綺麗に洗う。お鍋に5倍のお水を入れて強火で沸かし、その後火を弱くして柔らかくなるまで煮込む。

[効能]

① 解毒排毒:大量のビタミンと繊維素を含有し、黴菌や重金属や放射能などの毒素を付着し排出する;

② 感冒予防:脾胃を温補し、栄養素が速やかに吸収されて生体の抵抗力を高める;

③ 健脾養胃:南瓜に含まれるぺプチンは胃粘膜を保護して潰瘍の癒合を促し、また胆汁分泌を促進して消化機能を助ける。

2、白木耳と百合根の粥

[作り方]

先に白木耳と百合根をお水で戻しておく。お米を煮込んで沸かしてから白木耳と百合根を千切ってお鍋に入れ、再度沸かしたら弱火に変えて2分ほど煮込む。

[効能]

① 癌予防と抗癌:百合根に含まれる多種のアルカロイドは血液細胞を増加させ、血球減少症の改善に有益であり、癌細胞の抑制にも効果的である;

② 潤肺止咳:清涼潤燥の作用を以て秋冬の乾燥季節に多発する肺燥咳嗽や虚煩不安を改善させられる;

③ 美白祛斑:黒色色素を抑制する作用がある。

3、人参粥

[作り方]

人参を角切りにし、お米を綺麗に洗い、一緒にお鍋に入れて煮立てから、弱火に変えて2分ほど煮込む。

[効能]

① 貧血改善:人参は造血機能を増加させて生体の必要な血を補給し、血液循環を促進する;

② 血管硬化予防:人参に含まれるケルセチンは生体の血流量を増加させ、血脂含量を降下させて血管硬化を予防する。

4、山芋と枸杞の粥

[作り方]

お米と山芋を綺麗に洗い、一緒にお鍋に入れ、お粥になるまで煮込んでから枸杞の実を加え、更に1~2分間ほど煮込む。

[効能]

① 益肺止咳:山芋にはサポニンや粘液質が含まれて気道を潤わせ、益気養肺の効能を以て肺虚咳嗽多痰の治療に用いられる;

② 血糖降下:山芋枸杞粥に含まれる粘液蛋白は血糖降下の作用を持ち、糖尿病患者に食事療法の良い物とされる。

5、黒胡麻粥

[作り方]

黒胡麻とお米を綺麗に洗い、一緒にお鍋に入れてお水を加えて煮込み、沸かしてから砂糖を適量加える。

[効能]

① 体虚改善:黒胡麻にはビオチンが豊富で、生体の抵抗力を高め、虚弱体質や早老症状を改善させ、羸痩虚弱の方に適する;

② 動脈硬化予防:黒胡麻に含まれるリノール酸は血中コレステロールを降下させ、動脈硬化の予防と治療を助ける;

③ 老衰対抗:黒胡麻は細胞の老衰を遅延させる作用を果たす。

6、竜眼と蓮実の粥

[作り方]

蓮実をお水で10分間浸してから、氷砂糖を加えて20分ほど煮込み、皮を剥いた竜眼を加えて引き続き3~5分間煮込んで沸騰させる。

[効能]

① 血圧降下:強心作用があり、末梢血管を拡張して血圧を降下させる;

② 記憶力増進:全身を補益し、特に脳細胞の疲労を解消して記憶力を増強させると実験研究から発見された;

③ 養血安胎:竜眼に多く含まれる鉄分とビタミンは妊婦の子宮収縮や下垂感を軽減させ、胎児の発育に有益である;

④ 癌予防と抗癌:蓮実に含まれるオキシキサンチニンは鼻咽癌に抑制作用がある。

秋冬時期の養生原則は温補に重点を置いているため、従来お粥は中医養生の第一良品として健康養生のために是非お勧めする。

健康知識:陳皮(蜜柑皮)の神秘的な効用

蜜柑を食べた後に残された皮を陰干しし、一年間以上経過したものを貴重な中薬の陳皮としているが、三年ほど保存された陳皮は薬効がもっと良いとされている。陳皮は理気健脾・養胃散寒の効能を持ち、消化機能を促進させて消化不良や食欲不振などの症状を改善させる。

現代においても陳皮は「国民の保健薬」として下記のように広く応用されている。

① 芳香理気、寛中消脹;② 脾胃調和、消食導滞;③ 益肺化痰、止咳平喘;④ 降圧降脂、心脳血管の改善;⑤ 抗腫瘍・抗炎症。

また他の薬物に比べて陳皮は殆ど副作用が無く、天然の果物から来た食用薬物は安全に活用できる。

ここでは調味料、薬膳食材、そして養生材料としての具体的な応用を幾つか紹介する。

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健康知識:陳皮(蜜柑皮)の神秘的な効用

蜜柑を食べた後に残された皮を陰干しし、一年間以上経過したものを貴重な中薬の陳皮としているが、三年ほど保存された陳皮は薬効がもっと良いとされている。

陳皮は理気健脾・養胃散寒の効能を持ち、消化機能を促進させて消化不良や食欲不振などの症状を改善させる。

中薬として陳皮の応用歴史は長い。中国最初の薬学専門古典《神農本草経》では上品に並べ、「橘柚,味辛温。主胸中瘕熱逆気,利水穀。久服,去臭下気通神。」(陳皮は逆上せを冷まして消化を促進させ、長期服用で濁気を下して神気を通す)とあり、陳皮の性能について記載している。唐の《新修本草》や宋の《証類本草》には「下気通神,軽身長年」の養生作用を明らかにし、更に「陳者為良」という応用原則を提起している。明の薬学経典《本草綱目》には「苦能泄能燥,辛能散,温能和。其治百病,総是取其理気燥湿之功」とあり、陳皮の薬性薬効について性味帰経から詳しくまとめている。他に《本草匯言》には「其気温平,善于通達,故能止嘔止咳」と陳皮の止嘔・止咳効能を記載している。

現代においても陳皮は「国民の保健薬」として下記のように広く応用されている。

① 芳香理気、寛中消脹;

② 脾胃調和、消食導滞;

③ 益肺化痰、止咳平喘;

④ 降圧降脂、心脳血管の改善;

⑤ 抗腫瘍・抗炎症。

また他の薬物に比べて陳皮は殆ど副作用が無く、天然の果物から来た食用薬物は安全に活用できる。

ここでは幾つかの具体的な応用を紹介する。

① 調味料としての主要作用

消臭:陳皮の芳香は魚や肉の異臭を取り除く;

香味:陳皮の苦辛味は他食物の味と混合すると独特な新鮮な香味を作り出す;

殺菌解毒:陳皮は一定の殺菌作用を持ち、魚や蝦による中毒を解消し、その寒性を緩和させる;

脂肪分解:肉料理に脂っこさを解消してお肉を柔らかく煮込み、消化促進にもなる。

② 薬膳食材としての応用

陳皮粥:お粥を煮る時に蜜柑半分または一個分の皮を入れて一緒に煮込む。朝食で陳皮粥を食べると、清々しく香って胃を暖めて食欲が増進でき、また感冒咳嗽の予防にも役立ち、胸腹脹満、咳嗽痰多の者に対して飲食治療の作用を果たす。滋補効果は陳皮人参粥と同等である。

陳皮牛肉:牛肉500g、陳皮1~2欠片(蜜柑1個分)、豆板醤1匙、甘酒適量(料理酒でも代用できるが、調理する際に砂糖と水を少し加える)。牛肉と陳皮を千切りにし、お鍋に油を塗して強火で牛肉を半熟まで炒め、豆板醤と陳皮を加えて均等に炒め、甘酒(或いは料理酒、砂糖、水)と醤油を加えて暫く煮込み、汁が乾きそうになると出来上がり。糖尿病など羸痩無力の方に適宜である。

陳皮香菜生姜汁:夏季では感冒に罹ると、頭暈頭痛に伴って悪心嘔吐、腹痛泄瀉などが見られるが、いわゆる胃腸型風邪である。これは空調に吹かれたり、雨に濡れたり、生ものや冷える物や消化し難い物を食べたりすると多く見られる。胃腸型感冒の場合は陳皮香菜生姜汁がお薦めである。陳皮1~2欠片(蜜柑一個分)、皮付きの生姜3スライス、香菜1小束。お鍋に水を入れて陳皮を煮て、沸かした時に微塵切りの香菜根と生姜スライスを加えて5分ほど煮込み、最後に微塵切りの香菜葉をいれて出来上がり。汁を飲んで香菜を食べる。また鼻閉、鼻汁を伴う者には髭付きの長葱白根を3本加えて一緒に煮込む。

③ 養生材料としての応用

陳皮枕:蜜柑皮を日差しの下で半乾きまで日干しし、細く千切りするか、「丁」字形に切ってから完全に干し、直接枕カバーに入れて出来上がり。安神助眠のほか、健康増進のためにもなる。

陳皮に含有される大量の天然揮発油は呼吸によって生体に入り、自律神経を調節して鎮静安神の効果を果たし、不眠や神経衰弱に緩解作用を持つ;特に体内積熱の方に対して清熱祛火の作用を持ち、長期間の使用により逆上せの症状を軽減させ、また消炎殺菌の効果もある;また脳循環を促進して血管の老化や硬化などを避け、脳梗塞など脳血管疾病の予防につながる。

健康知識:拍胸摩胸、養護心肺

一般的な健康養生法として摩腹揉腹法が多く知られており、臓腑機能を強化することにより、健康の維持と増進、疾病の予防と治療に大きく役立つ。実は摩腹揉腹と同じように、拍胸摩胸法も古来より養生医家に重視されている。胸部において拍打・摩擦など適切な保養動作を行うことにより、体内の濁気を排除し、心肺の機能を高め、そして健康増進と養生長寿に繋がる。

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健康知識:拍胸摩胸、養護心肺

一般的な健康養生法として摩腹揉腹法が多く知られており、臓腑機能を強化することにより、健康の維持と増進、疾病の予防と治療に大きく役立つ。実は摩腹揉腹と同じように、拍胸摩胸法も古来より養生医家に重視されている。胸部において拍打・摩擦など適切な保養動作を行うことにより、体内の濁気を排除し、心肺の機能を高め、そして健康増進と養生長寿に繋がる。

操作効果

① 経脈刺激:胸部には任脈を初め、肝・脾・腎の足三陰経及び足陽明胃経など全身に連絡する経絡が分布している。胸部の拍打・摩擦などを行うことで、寛胸理気・活血通脈・老衰対抗などの効果が得られ、健康増進で疾病予防の役割を果たす。

② 心肺養護:胸部には心肺二臓が納められ、肺は気、心は血を主っている。拍胸を行うことで、直接心臓と肺臓に刺激を与え、心肺の機能を強化して益肺養心・気血調暢の効果が得られる。現代研究によると、胸背部の拍打は肺法に対して軽度の衝撃波を起こし、患者の呼吸困難や胸部圧迫感を軽減させ、更に腹式呼吸を併用することで、肺の痰液や残気を上に動かす効果がある。これにより、冠状動脈心疾患、狭心症、慢性気管支炎、肺気腫などの予防と治療、そして胸悶動悸や気喘咳嗽や脇肋疼痛などの軽減改善に効果的である。

③ 免疫強化:胸骨の後方に胸腺組織があり、これは生体の生長発育促進及び免疫力向上に関わる内分泌腺である。加齢に伴い、胸腺が徐々に退化して脂肪組織に取り代わられ、それに従って免疫力も弱くなっていく。またストレス、心理障害、栄養不良、環境汚染、薬物損害、飲酒喫煙などの素因により、免疫機能も減弱し、感染症、免疫疾患、代謝疾患、更に悪性腫瘍などが発症し易い。拍胸を行うことで、胸骨に適度な震動を与え、胸腺の機能を活性化し、免疫力強化の効果が得られる。

操作方法

1、拍胸:直立または坐位を取り、腹式呼吸を行う。両手の五指を合わせて手掌をやや屈曲し、空心掌を用いて胸部において上から下へ拍打法を行う。拍打する際に口をやや開き、震動に伴って気を口から吐き出す。

片方ずつ右手で左胸、左手で右胸を拍打しても、両手同時に両側の胸部を拍打しても良い。30~40回ほど行う。

2、摩胸:坐位または仰臥位を取り、自然呼吸を行う。左側の手掌を用いて胸部の左上方から右下方へ、右側の手掌を用いて胸部の右上方から左下方へ、円を描くように摩法を行う。両手交互に30~40回ずつ行う。

一日に30分間ほど、夕飯の30分後から上記の動作を行う。

操作注意

① 動作を行う際に、爽快な気分で行う、全身をリラックスさせる。

② 拍打の時に手掌の着力面を広くし、手首の動きは自然に軽やかで弾力性を保ち、胸腔内に震動を感じさせる。

③ 上胸部ではやや力が大きく、下胸部では力は弱くし、損傷を避けるため粗暴な力を避ける。

④ 最初に動作を行う際に、力が強過ぎないように、自分で耐えられて震動が感じられるのを適度とする。少しずつ馴染んでいくと、拍打の力を強くすることができる。

⑤ 老年の方や骨粗鬆症の方は、胸部損傷や骨折の恐れがあるため、動作を軽やかに行う。また重篤な心疾患やペースメーカー装着の方には余りお勧めしない。

健康知識:養血明目の鶏レバー

現代社会では、毎日長時間パソコンやスマートフォンなどを利用して眼精疲労、目の乾燥や充血、視力減退、涙が出易い、近視、老眼など様々な病症が多発している。特に貧血の方に多く見られ、立ち眩みや頭暈感などを伴う。この場合は日頃から目に良い食物が必要とされ、通常は野菜の人参、菊花茶や枸杞の実、そして豚レバーなどを思い易いが、実際に最もお薦めするのは鶏レバーである。

レバーには独特な内臓の臭みがあって調理することに慣れないため、日常の食卓には余り現れていないが、ここで薬膳の一品として韮・玉葱の鶏レバー炒めを紹介する。

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健康知識:養血明目の鶏レバー

現代社会では、毎日長時間パソコンやスマートフォンなどを利用して眼精疲労、目の乾燥や充血、視力減退、涙が出易い、近視、老眼など様々な病症が多発している。特に貧血の方に多く見られ、立ち眩みや頭暈感などを伴う。この場合は日頃から目に良い食物が必要とされ、通常は野菜の人参、菊花茶や枸杞の実、そして豚レバーなどを思い易いが、実際に最もお薦めするのは鶏レバーである。

中医学的には、肝は蔵血を主り、目に開竅している。血を以て目を補っているため、血虚(貧血に当たる)の方は目も弱くなる。古来「臓を以て臓を補う」という薬膳療法の原則に基づき、動物のレバーは昔から肝血虚や目症状などに用いられてきたが、その中でも鶏レバーが最も効果的だとされている。鶏レバーは甘・苦・温の性味で、肝・腎・脾に帰経し、補肝益腎・養血明目・消疳殺虫の効能を持ち、主に肝虚による目昏眼暗、視物不清、老年肝虚、眼目昏花、目翳白障、夜盲などに適応する。一方、現代研究によると、100gの鶏レバーにはビタミンAが10,414µgほど含有し、豚レバーの4,972µgや枸杞の1,625µgより遥かに多いため、その明目効果が豚レバーの2倍、枸杞の6倍ほど優れると言っても過ぎない。ほかに鶏レバーには蛋白質、カルシウム、鉄、ビタミンBなど栄養物質も豊富で、長期の食用により生体の免疫力を高め、益肝養血明目の効果を果たす。

レバーには独特な内臓の臭みがあって調理することに慣れないため、日常の食卓には余り現れていないが、ここで薬膳の一品として韮・玉葱の鶏レバー炒めを紹介する。

[材料]

鶏レバー400g、韮1束、人参100g、玉葱半分、長葱、生姜、大蒜それぞれ適量、醤油3大匙、料理酒1大匙、砂糖と塩それぞれ適量、五香粉または胡椒粉1小匙、胡麻油適量。

[調理]

1、鶏レバーを綺麗に洗っておく。お鍋に適量のお水を入れ、2~3スライスの生姜と適量の料理酒を加えて強火で沸かしたら、鶏レバーを入れて再度沸かし、灰汁を除き、弱火に変えて暫く茹でてから鶏レバーを取り出し、冷めてから手で小さく千切っておく(ハツが付いている場合はハツをスライスに切る)。

2、韮を短冊切り、玉葱と人参を角切り、葱と生姜と大蒜を微塵切りにしておく。

3、醤油と料理酒を一緒に合わせ、砂糖、塩、五香粉または胡椒粉など加えて均等に混ぜて調味汁を作っておく。

4、フライパンに油を入れ、長葱、生姜、大蒜を入れて香味が出るまで炒めてから、鶏レバーを加えてから調味汁を入れて均等に混ぜながら炒める。汁が無くなってから人参と玉葱を加えて炒め続ける。最後に韮を入れて均等に混ぜたらお皿に移し、胡麻油を垂らして出来上がり。

[要点]

1、調味汁を準備する際に、個人の好みに応じて調味料を加減する。

2、辛い味を好む方は、唐辛子の角切りを加えても良い。