健康知識:車前草による痛風の予防治療

痛風は一種の代謝疾患であり、プリン体の代謝障害により血中の尿酸が増加し、軟部組織の損傷を来たす。

臨床では、激痛・発赤・腫脹が第一症状となり、主に拇趾の中足趾節関節に見られ、甚だしい場合は歩行障害や関節変形を起こす。また痛風結節、尿路結石、痛風腎なども認められ、更に命に危害を及ぶ恐れもある。痛風は多く糖尿病、高血圧、冠状動脈心疾患などに伴って発生する。中老年に多発するが、近年では青年にも増加している。

ここでは、痛風の予防と治療に明らかな効果を持ち、且つ簡単に入手し易い車前草と言う薬草を紹介する。

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健康知識:車前草による痛風の予防治療

痛風は一種の代謝疾患である。プリン体の代謝障害により血中の尿酸が増加し、高尿酸血症になり、尿酸とナトリウムが尿酸塩結晶を作り、軟部組織に析出すると様々な損傷を来たす。

臨床では、痛風関節炎が最も多く発生する。突然の激痛・発赤・腫脹が痛風発作の第一症状となり、主に拇趾の中足趾節関節に見られるが、それ以外に足背・足関節や膝関節や手関節にも現れ、甚だしい場合は歩行障害や関節変形を起こす。因みに一つの関節で痛風発作が起こるが、色んな関節が一斉に発症することは無い。また尿酸塩結晶が関節以外の部位に析出することもあり、皮下組織や腱などに沈着すると痛風結節、尿路に凝固すると尿路結石、腎臓に蓄積すると痛風腎(腎臓障害を起こして腎機能を低下させ、腎不全に繋がる)なども認められ、更に命に危害を及ぶ恐れもある。痛風は多く糖尿病、高血圧、冠状動脈心疾患などに伴って発生する。中老年に多発するが、近年では青年にも増加している。

ここでは、痛風の予防と治療に明らかな効果を持ち、且つ簡単に入手し易い車前草と言う薬草を紹介する。

車前草は通称オオバコであり、山野、路肩、川岸などに自生し、その全草が薬用されている。中医薬的に、味は甘淡で、性は寒であり、肝・腎・肺・小腸経に帰経し、清熱利水・祛湿止瀉・清肝明目・涼血解毒・化痰止咳などの効能を持ち、湿熱内蘊による浮腫、尿少、排尿痛、排尿困難、尿濁;暑温挟湿による嘔吐、泄瀉、尿少;肝熱による目赤腫痛、肝腎不足による視力減退、飛蚊症、角膜混濁、迎風流涙;血熱による鼻血、尿血、癰腫瘡毒、熱痢;肺熱による咳嗽、痰多などに幅広く適用する。

従来車前草は主に利尿排石の常用薬草として小便不利、浮腫少尿、多尿頻尿、腎臓尿路結石などに多く応用されている。痛風の直接的な治療薬ではないが、その清熱利尿の作用によって血中尿酸の含量を降下させ、尿酸結晶の生成を減少させて痛風の予防や改善の作用を果たす。

通常、食用では主に車前草の柔らかい新芽を用いる。お湯を通してから和え物の前菜、炒め物、或いはスープなどを作ることができるが、また洗浄した車前草をお湯で浸して茶代わりに飲用することもできる。一度乾燥させてからお水で煎じて服用すると更に薬用効果を高める。

三、四月の車前草は質が新鮮で柔らかく、口当たりが良いため、最も食用に相応しい。五月から種を実のらせるが、これが車前子と言う漢方薬である。車前草も車前子も性味・帰経・効能はほぼ同じく、共に清熱利尿の薬用効果を以って痛風の改善に役立つので、近くでみかけたら少し採って置き、実際に試して欲しい。譬え尿酸値が高くなくても、その利尿作用により尿液の排泄を促進することで排毒にも役立つ。

応用注意として、車前草は寒性のため、湿熱の無い者や妊婦は服用しない。