健康知識:冬季に必要な九つのお粥献立

お粥は人間の最も原始的な調理法による食物と言われており、煮込むことにより食物の栄養成分を効率よく吸収し易いため、滋養作用の高い食物調理法だと言える。王孟英の《随息居飲食譜》には「粥飯為世間第一補人之物」と記載されているように、お粥は生体を補う最も効果的な食物である。冬季は一年の中で万物が休養する重要な季節で、補益が養生要旨とされているため、お粥を食するのに適切な時期である。

今年の真冬は例年より寒いので、普段の食卓にお粥を多めに取り入れると、益肺潤燥・健脾補腎の養生価値が期待できる。ここでは冬季に相応しい九種のお粥を紹介し、身体温補の目的を図って健康的に極寒を乗り越えて欲しい。

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健康知識:冬季に必要な九つのお粥献立

お粥は人間の最も原始的な調理法による食物と言われており、煮込むことにより食物の栄養成分を効率よく吸収し易いため、滋養作用の高い食物調理法だと言える。王孟英の《随息居飲食譜》には「粥飯為世間第一補人之物」と記載されているように、お粥は生体を補う最も効果的な食物である。冬季は一年の中で万物が休養する重要な季節で、補益が養生要旨とされているため、お粥を食するのに適切な時期である。

今年の真冬は例年より寒いので、普段の食卓にお粥を多めに取り入れると、益肺潤燥・健脾補腎の養生価値が期待できる。ここでは冬季に相応しい九種のお粥を紹介し、身体温補の目的を図って健康的に極寒を乗り越えて欲しい。

1、羊肉粥

羊肉200g、綺麗に洗って角切りにし、大根と一緒に煮込んで生臭みを取り除く。大根を取り出してから、羊肉汁にお米を150g加えて柔らかくとろみが出るまで煮込み、適量の青葱や醤油または塩胡椒などで調味して食する。

羊肉は温熱の性質で脾・胃・腎に帰経し、健脾温腎・補益気血の効能を持ち、特に温養脾腎の効果が高い。また高蛋白で低コレステロールの食物の一つと数えられる。冬至の時から多く食することにより、益気補虚・温中暖下の作用を果たし、脾胃虚寒による肢冷不温・神疲無力、腎陽不足による腰膝酸軟・畏寒頻尿など脾腎虚弱の者に適している。

2、高麗人参粥

高麗人参3gをお水と一緒に土鍋に入れてとろ火で20分間煎じ、更に100gのお米を加えて柔らかくとろみが出るまで煮込み、適量の蜂蜜または氷砂糖で調味してから食する。

高麗人参は甘・温・微苦の性質で肺・腎に帰経し、大補元気・固脱生津・安神益智の効能を持ち、労傷虚損で元気虚衰の重篤証候及び気血津液不足の全ての病証に第一選択の温補薬材とされている。高麗人参粥の食用は、大病久病や年老腎虚による体調虚弱、脾胃虚弱による食少便溏・倦怠無力、肺気虚損による咳嗽喘息、気血虚損による自汗眩暈・不眠健忘などに適しているが、また心脳血管疾患の患者に対して効果的である。

3、竜眼粟の粥

竜眼肉15gを綺麗に洗って粟100~200gと一緒に煮込み、強火で沸かしてから弱火で柔らかくとろみが出るまで煮込む。

竜眼は甘温の性質で心・脾に帰経し、補益心脾・養血安神の効能を持ち、特に養心安神の効果が高い。粟は甘・咸・涼の性質で脾・胃・腎に帰経し、健脾和胃・益腎利尿・除煩止渇の効能を持ち、補益脾腎作用と同時に竜眼の清心安神作用を強化する。竜眼粟粥の食用は、心脾両虚による精神不安・思慮過度・不眠健忘、気血両虚による顔色無華・頭暈目眩・自汗盗汗、脾胃虚弱による下痢食少・倦怠無力などの者に適している。

4、胡桃粥

胡桃仁20gを綺麗に洗ってから細かく磨り潰し、お米100~200gと一緒に柔らかくとろみが出るまで煮込む。

胡桃は甘・温の性質で腎・肝・肺に帰経し、補腎固精・温肺定喘・潤腸通便の効能を持ち、特に滋補腎精の効果が高い。胡桃粥の服用は、腎虚による腰腿冷痛・耳鳴髪白・多尿遺精、肺虚または肺腎不足による咳喘気短・腸燥便秘などの者に適している。但し、脾胃湿熱または下痢の者は食しない。

5、山薬栗粥

栗50gの殻を剥いて山薬15~30g、棗3~5個、お米100gを一緒に柔らかくとろみが出るまで煮込む。

山薬は甘・平の性質で脾・肺・腎に帰経し、健脾補肺・固腎益精の効能を持ち、先天・後天を共に補益する。栗は甘・温の性質で脾・腎に帰経し、健脾益気・補腎強筋の効能を持ち、山薬の脾腎補益効果を助長する。山薬栗粥の食用は、脾虚による下痢溏便・食少嘔吐・倦怠無力、腎虚による腰膝疼痛無力・多尿浮腫・遺精帯下、肺虚による気喘咳嗽など、特に脾腎両虚の者に適している。但し一度に多食すると、飲食停滞で消化不良の恐れがある。

6、生姜大棗粥

新鮮な生姜または乾燥の生姜6~9gを綺麗に洗って微塵切りにし、お米または糯米100~150g、棗2~4個と一緒に柔らかくとろみが出るまで煮込む。

生姜は辛・温の性質で脾・胃・肺に帰経し、散寒解表(乾燥の者は散寒暖胃)・化痰止咳・止嘔解毒の効能を持ち、主に脾胃虚寒の治療に用いられる。大棗は同じく甘・温の性質で脾・胃に帰経し、健脾和胃・益気養血・生津止渇の効能を持ち、生姜の温補脾胃効果を強化させる。生姜大棗粥を多く食することにより、暖胃散寒・温肺化痰の作用を果たし、脾胃虚寒による腹部冷痛・食少嘔吐・下痢脱肛、風寒感冒による悪寒発熱・頭痛鼻閉、肺気虚寒による寒痰咳嗽・痰飲気喘などの者に適している。但し陰虚体質や妊婦は内熱旺盛の恐れがあるため慎重に食用する。

7、韮粥

お米を柔らかくとろみが出るまで煮込んだ後、適量の韮を微塵切りにして入れ、更に暫く煮込んで食する。

韮は甘・辛・温の性質で肝・胃・腎に帰経し、補腎助陽・温中開胃・行気散瘀の効能を持ち、特に温補腎陽の効果が高い。またビタミンA、B、Cとカルシウム、燐、鉄などのミネラルが豊富である。韮粥を多く食することにより、助陽通絡・補中緩下の作用を果たし、肩背寒冷、腰膝痠冷などの者に適している。

8、人参粥

新鮮な人参50gを小さなスライスに切り、お米200gと一緒に煮込み、強火で沸かしてから、弱火で柔らかくとろみが出るまで煮込む。

人参は甘・平(生の物は甘・涼)の性質で脾・肝・肺に帰経、健脾化滞・滋肝明目・化痰止咳の効能を持ち、特に健脾養肝の効果が高い。人参粥を多く食することにより、健脾胃・助運化・益肝明目の作用を果たし、脾胃虚弱による食少腹脹・食積不化・下痢便秘、肝虚による目乾夜盲・視物不清などに適している。

9、鶏肉ピータン粥

鶏肉200gを小さい角切りしてお水と一緒に土鍋に入れ、スープが濃厚になるまで煮込んでから、鶏肉を取り出してスープにお米200~300gを加えて柔らかくとろみが出るまでとろ火で煮込む。お粥が出来上がりそうな時に、小さく切っておいたピータン2個と鶏肉を一緒に加え、更に生姜、葱、塩などを適量掛けて調味して食する。

鶏肉は甘・温の性質で脾・胃に帰経し、温中益気・補精添隨の効能を持ち、主に気血の補益に用いられる。鶏肉ピータン粥を多く食することにより、補益気血・開胃生津・滋養五臓の作用を果たし、虚弱損耗、大病久病、気血不足、身体羸痩、心悸頭暈、脾虚による食少下痢、腎虚による頻尿水腫・耳鳴耳聾・遺精帯下などに適している。

ほかに、お粥の栄養価値を高めるため、雑穀米の併用が重要である。例えば蕎麦、燕麦(オーツ麦)、玉蜀黍の粉、粟、黒米、はと麦、更に豆類や芋類などが挙げられ、これらの雑穀類食物の摂取により飲食のバランスが取れ易い。但し食物繊維が豊富なため、消化され難くて消化不良を招く恐れがあるため、事前にお水で浸しておいてから調理するか、長く煮込むことをお勧めする。