健康知識:重曹の薬用効果

重曹は重炭酸曹達(ソーダ)の略称で、重炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムとも呼ばれる白い粉末であり、生活用品や食品、医療、農業、工業、土木など、様々な分野で活用され、重要な役割を果たしている。

重曹は天然の原料を使用して精製されている。現在、製法は原料から大きく二つに分け、岩塩を水に溶かして電気分解するか、重曹成分を含有する鉱石などを水に溶かし、炭酸ガスを添加して結晶化する方法である。

重曹は日常生活において料理や清掃など幅広く応用価値があるが、薬用効果を以て下記の活用もできる。

1、リウマチ関節痛の緩解

重曹を膏薬状(糊状)に調合し、関節疼痛の局部に塗り付け、自然に乾燥してから綺麗に洗い落とす。

またタオルに重曹の溶液を浸けて患部に熱布することができる。

2、痛風の予防治療

300~400gの重曹をお湯で希釈し、タオルで巻いた脚(患部)にかけて20分間ほど温める。お湯の温度は熱過ぎないように注意しよう。一日に二回行い、慢性痛風の場合は更に多く行うことをお薦め。

3、身体疲労の解消

適量の重曹と食塩を浴槽のお湯に入れて30分間ほど入浴すると、鎮静作用を果たし、また筋緊張を緩和させ、同時に皮膚のタコ消除できる。

因みに、長期の家事などで両手の皮膚が粗くなる場合があるが、重曹とココナツオイルでスクラブを作って両手で擦ることで、手の皮膚がきめ細かく柔らかくなる。

重曹の安全性について、元々生体の中にもあるし、天然成分なので、身体に大きな危害は無いと考えられる。しかし弱アルカリ性(pH約8.2~8.6)のため、肌に長時間付着したり、目に入ったりすると沁みる刺激性がある。また重曹には薬用、食品用、工業用、飼料用など様々な種類があり、服用の際は塩化物基準や純度、衛生面などを考慮して薬用か、食品用の物を使用し、1日目安は概ね3gくらいにした方がよい。長期間の服用は身体の健康に適せず、口腔異臭や食欲不振などが現れ、更に筋肉痛、引き攣り、持続性頭痛などが見られる。

健康知識:林檎の薬用効果を高める食用方法

秋の深まりに伴い、気候が乾燥して来ている。炎熱の夏季とは異なり、寒冷時期は飲料水などが体内で気化され難いため、身体を潤わせるために果物は最も相応しいと言える。寒い季節の果物と言えば、蜜柑と並び、林檎のイメージが強い。

林檎は人類が食する最古の果物とされ、約八千年前から栽培されていたと見られる。欧米では「一日一個の林檎は医者を遠ざける」と言われるように、栄養価が高くて食べ易いため、世界中に好まれている。

林檎には様々な薬用効果があり、中医学的にも現代医学にも実証されている。正しい食用方法により、その薬用効果を最大限に発揮させ、様々な病症の改善に役立てられる。

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健康知識:林檎の薬用効果を高める食用方法

秋の深まりに伴い、気候が乾燥して来ている。炎熱の夏季とは異なり、寒冷時期は飲料水などが体内で気化され難いため、身体を潤わせるために果物は最も相応しいと言える。寒い季節の果物と言えば、蜜柑と並び、林檎のイメージが強い。

林檎は人類が食する最古の果物とされ、約八千年前から栽培されていたと見られる。欧米では「一日一個の林檎は医者を遠ざける」と言われるように、栄養価が高くて食べ易いため、世界中に好まれている。

中医学的には、林檎は甘・酸・涼の性味で、肺・脾・胃・心に帰経する。開胃生津・止渇除煩・潤肺養膚・酒毒解消などの効能を持ち、脾胃虚弱、消化不良、食少、食後腹脹、便秘、泄瀉(慢性結腸炎);気喘(気管支喘息)、津液不足、煩熱口渇、飲酒過度などに用いられる。現代研究によると、林檎にはリンゴ酸やクエン酸など疲労回復を促進する有機酸、整腸排毒とコレステロール吸収抑制の効果を持つ水溶性食物繊維のペクチン、更に脂肪低減や抗酸化・老化防止効果の期待できるポリフェノールが豊富であり、また効果的にコレステロール・血糖・血脂を降下させ、美容養顔・減肥瘦身も注目されている。

これらの薬用効果を最大限に発揮させるため、食用方法が重要である。通常、林檎は生食されるほか、加工してジュース、酒、ジャム、菓子などにも広く利用されている。実際、生食より煮る方法が最も栄養素を吸収し易く、また加熱した林檎は様々な病症の改善に役立つ。

① 酸化防止:加熱した林檎に含まれるポリフェノール類の天然抗酸化物質が大幅に増加し、血脂降下・血糖降下の効能を持つほか、抗菌消炎・フリーラジカルを抑制する抗酸化の作用があり、老化防止に繋がる。

② 血圧降下:加熱した林檎はカリウム塩に富み、人体に摂取後ナトリウム塩に置き換えられて体外に排出させ、血圧降下の効能を持ち、心血管疾患の保護に繋がる。

③ 泄瀉治療:加熱した林檎に含まれるペクチンとタンニン酸などは共に収斂止瀉の効能を果たし、同時に腸内有益細菌叢の生長を刺激して腸管炎症を解消する。

④ 胃腸保護:林檎を多食すると腹脹や下痢を起こし易い。煮てから食すると、胃腸への刺激を軽減させ、胃腸機能が低下する方、身体が虚弱する方、そして冷え性の方に対しては胃腸への一種の保護とし、同時に林檎の栄養素の吸収促進にも有益である。

⑤ 内熱解消:気候が乾燥する時に、身体も乾燥して逆上せ易い内熱症状が現れ易い。この場合は林檎を皮付きで細かく切ってお水で煮て食すると、口唇の熱瘡、歯肉炎症、舌炎など内熱症状の予防治療に効果的である。

また水腫患者は利尿薬物による治療後、林檎の食用でカリウムの補充ができるし、またナトリウムの含量が少ないため水腫の増悪にもならない。

なお、食物繊維は主に皮にあるので、一般に皮ごと食するのをお勧めする。

ここでは、冬季における林檎を用いた止咳処方「枸杞林檎水」を紹介する。

[材料]林檎1個、枸杞の実15g、氷砂糖30g。

[方法]林檎の皮と種を除いてスライスに切り、お椀3杯ほどのお水を加えて弱火で2~3分間煮る;沸かしたら枸杞の実を入れて更に弱火で5分間ほど煮る;林檎が半透明の状態まで煮て氷砂糖を加えて更に2~3分間煮て火を止める。

冬季の最も効果的な止咳処方として健康維持のために活用しよう。

健康知識:健康増進と免疫強化について

新型コロナウイルス感染が三年ほど延び、疫病情勢が緩和したり、また緊張したりし、収束の目途が中々見えない。ワクチン接種は元々重症化防止のためで、直接感染予防に役立たないし、明確な効果を持つ特効治療薬の無い現段階では、感染されない、或いは感染されても発症せずに済むことは非常に重要で、それは恐らく自力に頼るしかない。そのため、健康増進に関連して免疫強化の話題も注目されてきた。日常生活で何を食べれば免疫力が高められるのか?患者さんや学生さんに多く質問されるが、回答として、

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健康知識:健康増進と免疫強化について

新型コロナウイルス感染が三年ほど延び、疫病情勢が緩和したり、また緊張したりし、収束の目途が中々見えない。ワクチン接種は元々重症化防止のためで、直接感染予防に役立たないし、ワクチン自身の生体に起こした免疫反応の安全性が未だに確認されていない。明確な効果を持つ特効治療薬の無い現段階では、感染されない、或いは感染されても発症せずに済むことは非常に重要で、それは恐らく自力に頼るしかない。そのため、健康増進に関連して免疫強化の話題も注目されてきた。

日常生活で何を食べれば免疫力が高められるのか?患者さんや学生さんに多く質問されるが、回答として、日常生活で免疫力を高める食物は無い。確かに普段、何らかのキノコ類の食べ物や菌類の飲み物の商品には免疫力アップや免疫力ケアの効果があると宣伝されているが、実際あくまでも人体の免疫力に関わる栄養物質を増やす効果に限られ、正確な意味では直接免疫力強化の効能とは言えない。

そもそも免疫とは病疫から免れることを指す。現代医学における免疫力は、人体が本来備える生理機能として、外界または体内の病邪(疾病を起こす素因)に対する自己防御機能である。具体的に血液中の白血球がこれを担っており、小食細胞と呼ばれる好中球(顆粒球)、大食細胞と呼ばれるマクロファージ(単球)、特定の抗体を作って病原体の侵襲を抵抗するB細胞(リンパ球)、病原体に感染された細胞を攻撃してその繁殖を抑えるT細胞(リンパ球)、そして主に癌細胞を見付け出して攻撃するNK細胞など、五つの免疫細胞が常に働いている。

こう見ると、日頃より何かの飲食物を多く摂取するだけで簡単にこれらの免疫細胞を増やしたり、活性化させたりすることは先ず無理であろう。また免疫力は増強され難いだけでなく、逆に減弱され易い。精神的なストレス、体力低下、栄養失調、睡眠障害、理化学的な不良刺激など、生活における様々な不良素因の影響により免疫低下が容易に起こされる。

一方、免疫力は人体の生命力の一方面として、治癒力や修復力(回復力)などと同じく、生体全体の健康状態の総合改善に従って増強できる。そのうち、体力と気力(精神力)は健康の基本となっているため、先ずは重要な影響素因となる睡眠と飲食を確保し、心身両面の消耗による免疫力減弱を避けなければならない。このうえに、東洋的な観点から医学的な手段を用いて免疫強化が可能である。

中医学的には、人体の正気が免疫力に当たる。具体的に体内の陰陽から言うと、身体の滋潤・栄養作用を持つ陰気に対して生体の推動・温煦・防御機能を持つ陽気が免疫力となり、また脈に流れている営衛之気から言うと、脈内に流れて栄養作用を持つ営気(営陰)に対して脈外に流れて防御機能を持つ衛気(衛陽)が免疫力となる。普段、背中に日光浴し、自然界の陽気を以て生体の陽気を保養する効果があるが、更に様々な中医療法の活用により免疫力を高める事が出来る。

1、長期的な養生法:医療気功

調身、調息、そして調神の三調節を長期的に持続することにより、生体全体の生理機能を高めるに伴い、人体の自然抵抗力と治癒力を高める。

2、即効性を持つ治療法:針灸推拿

体外から理学的な刺激を与えることで、体内に良性反応を起こして生体の免疫力を増強させる。実験針灸学の研究によると、ある特定の経穴に温灸または刺針を行うことにより、血液中の白血球数が顕著に増加する。お勧めできる経穴として、大椎、肝兪、脾兪、腎兪、足三里などがある。

また全身推拿を行うことで、全身の循環・呼吸・消化・泌尿・運動・神経・内分泌などの機能を調節するほか、免疫機能に明らかな良性調節作用を果たしている。実験研究によると、推拿施術は血液中の白血球総数を増加させ、リンパ球の比例も高め、白血球の呑食能力を増強させる。動物実験の結果で、推拿療法は免疫系への調節作用によりNK細胞を増加させることを示している。

3、総合的な健康法:薬剤薬膳

罹病患者には病証に基づく中薬処方の服用、また本来体質虚弱の者には薬効食物と食用薬物の相応しい応用により、それぞれの免疫力を改善させられる。基本的には補気養血の効能を持つ薬食両用のものを主としており、中には最も効能が優れてお勧めできるのは植物性の大棗と動物性の阿膠であり、両者は共に赤血球と白血球を明らかに増加させ、特に後者の阿膠は骨髄の造血機能を保護し、血球の外に血小板も増加させる。

陽気保養のための背中に日光を浴びる方法、温灸を行う方法、そして大棗を食用する方法などは、伝統医学教育会ホームページの会員専用ページの健康知識に紹介されているので、参考にして実施し、免疫力を高めて欲しい。

健康知識:中医薬茶材料製作法

立秋を過ぎた途端、 逆に猛暑が戻って残暑が過ごし難く感じられます。まだ熱中対策を続けて行かなければならないようです。
さて、3月末と7月末に会員の皆様に健康応援の目的で、薬茶の処方と見本をお送りしました。気に入ってご自身でも作って長く続けて欲しいです。
健康増進のための薬茶は日常生活の中で色・香・味を楽しむほか、季節と環境に従い、各自の体質や体調に合わせて相応しいものを選び、長く飲み続ける事で健康効果が果たせます。そのため、容易に入手できる身近な材料を用いて手頃に作成できるように工夫しました。
ここでは、関連する薬茶材料を自ら作成する方法を紹介します。皆様参考にして、ご自身の体調に合わせた薬茶を続けるよう努力しましょう。

① 橘皮(蜜柑の皮)

蜜柑の皮を半乾きになるまで陰干しし、細長く切ってから更に完全に乾燥するまで陰干ししておく。

② 蓮芯(蓮実の芯)

乾燥した蓮の実を水で浸して軟らかくなってから中の芯を取り出し、乾燥しておく。

③ 竹葉(竹の葉)

竹の柔らかい葉先を採って綺麗に洗い、乾燥するまで天日干ししてから、細かく切っておく。

④ 魚腥草(ドクダミ)

開花期のドクダミの新芽を採って綺麗に洗い、八分乾燥するまで天日干ししてから、陰干して乾燥しておく。使用する前にフライパンで茶色く香ばしさが出るまで弱火で炒る。

⑤ 蒲公英(タンポポ)

開花していないタンポポの全草(葉と茎を主とする)を採って綺麗に洗い、八分乾燥するまで天日干ししてから細かく切り、完全に乾燥しておく。

⑥ 冬瓜皮(冬瓜の緑皮)

冬瓜の皮の緑と白の部分を薄く剥き、細く切って完全に乾燥するまで天日干ししておく。

⑦ 西瓜皮(西瓜の緑皮)

西瓜の皮の緑と白の部分を薄く剥き、細く切って完全に乾燥するまで天日干ししておく。

⑧ 薏米(はと麦)

はと麦をフライパンに入れて焦げないように混ぜながら弱火で炒り、黄色く香ばしくなったら火を止め、冷めてから密封容器に保存しておく。

⑨ 枇杷葉(枇杷の葉)

枇杷の葉を採って八分乾燥するまで天日干ししてから、細かく切って完全に乾燥しておく。

 

健康知識:三伏天における生姜の特別な応用

中国では「寒は三九にあり、熱は三伏にあり」の諺がある。夏の三伏天になると、生体の陽気が体表に浮いてくるが、その時冷たい飲食を好んで過食すれば、体内の脾胃は虚寒状態に陥ってしまう。そこで、一年中で最も熱い時期では、一切寒冷を求めてはいけず、正確な養生方法として「熱を以て熱を制す」という原則を活用しなければならない。このことから、最も相応しい食べ物として生姜が挙げられる。

生姜は性味が辛温で脾・胃・肺に帰経し、散寒除湿・発汗解表・化痰止咳・温中止嘔・活血止血・解毒など様々な効能を持ち、三伏天では脾胃の虚寒を駆除するほか、冬病夏治の作用が大いに期待できる。これだけではなく、夏に多く見られる小さい問題も生姜を使って効果的に解消できる。

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健康知識:三伏天における生姜の特別な応用

中国では「寒は三九にあり、熱は三伏にあり」の諺がある。夏の三伏天になると、生体の陽気が体表に浮いてくるが、その時冷たい飲食を好んで過食すれば、体内の脾胃は虚寒状態に陥ってしまう。そこで、一年中で最も熱い時期では、一切寒冷を求めてはいけず、正確な養生方法として「熱を以て熱を制す」という原則を活用しなければならない。このことから、最も相応しい食べ物として生姜が挙げられる。

生姜は性味が辛温で脾・胃・肺に帰経し、散寒除湿・発汗解表・化痰止咳・温中止嘔・活血止血・解毒など様々な効能を持ち、風寒感冒、悪寒発熱、頭痛鼻閉、肺寒咳痰、痰飲喘咳、胸脇脹満;脾胃虚寒、脘腹冷痛、泄瀉;胃寒または胃気不和、悪心嘔吐、食少;婦人月経不順、崩漏、産後血暈、瘀血腹痛、吐血、鼻衄、喀血、便血;魚蟹や半夏(漢方生薬)の中毒など広く用いられる。三伏天では脾胃の虚寒を駆除するほか、冬病夏治の作用が大いに期待できる。

上記の病証のみならず、夏に多く見られる小さい問題も生姜を使って効果的に解消できる。

1、食欲不振

生姜にあるギンゲロールは舌の味覚神経及び胃粘膜の受容体を刺激し、神経反射によって胃腸の充血を催し、同時に消化液の分泌を促進する。これによって健脾開胃・消化促進・食欲増進の効果を果たす。

方法:生姜を綺麗に洗ってから水気を取り、薄くスライスし、少々塩を塗して12時間ほど漬けておく。出来上がった生姜のスライスを綺麗な密封容器に移し、充分浸すほど酢を入れ、ラップしてから蓋を閉め、4日以上放置してから食用できる。毎朝1~3スライスお勧めする。

2、胃腸不調

生姜は外へ発散するという特別な特徴があり寒邪を排除することができる。脾胃虚寒の方や、冷やされた後に吐気・腹痛・泄瀉などが現れる方は生姜棗茶或いは生姜米茶が役立つ。

生姜棗茶:皮付きの生姜3スライスと棗6個(千切って種を除く)を一緒にお鍋に入れ、水を加えて20分間ほど煮込む。煮込むのが難しい場合は直接コップに入れてお湯を加え、暫く蓋を閉めて浸しても良い。

生姜米茶:生姜と米を1:2の比例にし、生姜を千切りして2分間ほど炒って水気を取り、米を加えて約20分間混ぜ合わせながら炒り、黄色い焦げになったら密封容器に保存しておく。毎度50gほどを取り出して500mlの水で10分間ほど煮る。

3、肩腰疼痛

冷房に吹かれた頸肩や背腰は特に風寒湿などの病邪に侵襲され易い。また設定温度が低いと、肩や腰の持病も再燃することが多い。この場合は、生姜の煮汁を使えば効果的である。

方法:生姜を煮込んだ汁の中に少々塩と酢を加え、タオルを浸して絞り、患部に置いて温める。数回ほど繰り返すと疼痛を緩和させる。

4、傷風感冒

長期に渡って空調環境に身を置くことが続くと、室内外の温度差が多いため、体内の調節システムが乱れて免疫力も下がり、風寒を感受して感冒に罹患し易い。傷風感冒の場合は直ちに数スライスの生姜を食べるか、生姜黒糖スープを飲むと、寒邪の駆除に大きく役立つ。

方法:皮付きの生姜を5スライス切り、沸騰するお湯に入れて3分間経て黒糖を加え、均等に混ぜて飲用できる。

生姜は非常に良い食べ物であるが、実際に使用する際に注意しなければならない事がある。

先ず生姜の食用時間に気を付けて欲しい。一般に朝や午前中に食すと、陽気の昇発を助長できるが、夕方や夜に食すと、心神が収斂できない恐れがある。故に「朝に食す生姜は人参(漢方生薬)の如き、晩に食す生姜は砒素の如き」との説がある。

次に生姜は辛温の性味で、熱性疾患には適しない。陰虚内熱(面色潮紅、心煩盗汗、手足心熱、口渇咽乾、皮膚乾燥、舌痩紅、苔少など)や、体内実熱(風熱感冒、肺熱の咳嗽で黄粘痰、胃熱の嘔吐口臭、膀胱湿熱の尿黄赤で渋痛、肝火の煩躁易怒、心火の神志不安、瘡瘍潰爛、痔瘡出血など)の方には少なめに食すか、食用しない。

また肝病証(肝気は昇発主動)、目疾患(肝の竅)、そして小児(純陽の体質特性)にも慎重に食用しなければならない。

健康知識:馬歯莧の性能と応用

馬歯莧はスベリヒユ科の植物でスベリヒユの全草である。初夏から晩秋までに畑、道端、庭園、廃墟など日当たりの良い場所に自生している。葉が丸くて小さく、茎が赤く、肉質が肥えて厚みがあり、夏には黄色の花が咲いて綺麗に見せている。

薬食両用の植物として、夏季に食用するほか、全草が薬用できるし、また種子も生薬として応用される。民間では「長寿草」や「長命草」などと呼ばれている。

新鮮な馬歯莧は口当たりが柔らかいが、シャキシャキし、ツルツルする感じで、やや酸味がある。野菜として味は普通であるが、薬用価値が大きい。

中医学的に、馬歯莧は酸味で寒涼の性質であり、心・肝・肺・大腸経に帰経する。ここでは、馬歯莧の薬用効果、食用方法、注意事項について詳細に紹介する。

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健康知識:馬歯莧の性能と応用

馬歯莧はスベリヒユ科の植物でスベリヒユの全草である。初夏から晩秋までに畑、道端、庭園、廃墟など日当たりの良い場所に自生している。葉が丸くて小さく、茎が赤く、肉質が肥えて厚みがあり、夏には黄色の花が咲いて綺麗に見せている。

薬食両用の植物として、夏季に食用するほか、全草が薬用できるし、また種子も生薬として応用される。歴代の薬草専門書では馬歯莧について「馬歯莧,又名五行草,以其葉青,粳赤,花黄,根白,子黒也。」(馬歯莧、又の名は五色草で、其の葉が青く、茎が赤く、鼻が黄色く、根が白く、種が黒いためである)と描いており、小さな草でありながら、五行色の全部を占めて決してその価値も軽視してはいけない。民間では「長寿草」や「長命草」などと呼ばれている。

新鮮な馬歯莧は口当たりが柔らかいが、シャキシャキし、ツルツルする感じで、やや酸味がある。野菜として味は普通であるが、薬用価値が大きい。

薬用効果

中医学的に、馬歯莧は酸味で寒涼の性質であり、心・肝・肺・大腸経に帰経する。主に清熱利湿・涼血止痢・解毒消腫・止咳止渇などの効能があり、様々な病状の治療に用いられる。

① 消化管伝染病の予防と治療:馬歯莧は赤痢菌、腸チフス菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などに対して強い抑制作用を持ち、熱毒による赤痢、テネスムス(裏急後重ともいい、頻回に便意を催すが便は出ない症状)、細菌性下痢(湿熱泄瀉)、大腸炎などの治療を補助するほか、実熱による大便秘結、痔瘡出血、腸ポリーブなどにも著しい効果がある;

② 皮膚疾患の治療:「諸痛痒瘡,皆属于心」(《黄帝内経》)、また肺は皮毛を主る。馬歯莧は清心火・散肺熱の作用を持ち、口内炎、舌炎、癕腫疔毒、湿疹乾癬、丹毒など血熱による皮膚疾患のほか、蛇虫咬傷や蜂刺傷にも効果的である;

③ 眼目赤腫の改善:肝は目に開竅するため、肝熱が経脈に沿って目に上がると、目の発赤や腫脹、目脂などが見られる。馬歯莧は酸味が肝に入り、清肝涼血明目の効果が期待でき、特に夜更かしによる肝の陰血を損なった後の赤目に役立つ。種子の明目作用が最も顕著である。また若者の白髪も肝熱が盛んで頭頂に上がって発症したもので、治効がある。

④ 出血疾患の改善:心は血脈を主り、肝は蔵血を主る。馬歯莧は清熱涼血止血の効能を持ち、性器不正出血、産後・流産による出血などに適応する。

ほかに、止咳の効能を百日咳に用いたり、利尿の効能を浮腫に用いたり、止渴の効能を消渇(糖尿病)の口渇に用いたりすることができる。近年、馬歯莧の抗がん作用も研究されている。

食用方法

馬歯莧の茎と葉が茂っている時期に、その若い部分を取って根を除き、綺麗に洗っておく。温惣菜の場合は、少し油で炒め、柔らかくなったら潰した大蒜を加えて塩で調味してできる。冷惣菜の場合は、熱湯に2分間ほど通し、取り出して水で冷やして軽く水気を取り、潰した大蒜や生姜を入れて塩、醤油、お酢、胡麻油などで調味する。また新鮮な馬歯莧を湯がいてから天日干しして乾燥させ、使用する時にお湯で戻し、炒めても餃子などの具としても活用できる。

なお、お湯を通した煮汁は捨てず砂糖(黒砂糖を使用しない)を加えて飲むと治療効果が得られる。特に前立腺炎の治療処方として紹介すると、

[材料]新鮮な馬歯莧500g。

[作り方]綺麗に洗って潰し、ガーゼで包んで汁を絞り出す。

[飲み方]毎日朝晩空腹時に砂糖少々を加えて白湯で薄めて飲む。

[効果]一週間で治癒。

皮膚疾患の治療においては、食用に伴って新鮮な馬歯莧を潰して患部に直接塗るか、更に乾燥した馬歯莧の煎じ汁をお風呂に入れて入浴すると、治療効果が高められる。

注意事項

注意しなければならないのは、馬歯莧は寒滑性質のため、寒邪による泄瀉や脾虚便溏の者はお勧めしない。また滑利の特性を持っているため、妊婦、特に習慣性流産の妊婦は食用しない。ほかに、鼈甲を含んだ漢方処方を服用する際に食用しない。