健康知識:冬季養生における陽気養護

中医学的には、冬季は寒が主気となっている。寒は陰の気に属しており往々にして人体の陽気を傷め易い、また凝結の性質を以て血脈筋骨を拘攣させて疼痛を引き起こす特徴がある。平素より陽虚体質や持病古傷を持っている人は特に不摂生をせずとも、この時期に体調を崩すことが多い。

《黄帝内経素問・四気調神大論》には冬季における陽気養護が非常に重要な養生原則だと明確に示している。陽気は人体の生命活動を主宰しており、体内の太陽のように喩えられるように、生体の温暖と活動のエネルギー源となる。古代では「陽強則寿,陽衰則夭」との説があり、陽気が充足であれば、正気が旺盛で、病邪も侵襲できず、健康長寿の前提条件となる。

通常、外界から寒邪に侵襲されて陽気が傷めるほか、罹病や加齢などに伴って陽気が徐々に弱くなりがちである。日頃、寒さに弱い、背腰痠痛、手足が冷える、易感冒、或いは夜間に睡眠不安で昼間に精神不振など多く見られるが、実際これらの症状はいずれも陽気不足に関わっている。

ここでは日常生活において陽気不足の病理現象、陽気流失の不良習慣、そして陽気補足の効果的な方法について詳細に解説する。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:冬季養生における陽気養護

中医学的には、冬季は寒が主気となっている。寒は陰の気に属しており往々にして人体の陽気を傷め易い、また凝結の性質を以て血脈筋骨を拘攣させて疼痛を引き起こす特徴がある。そのため、平素より陽虚体質や持病古傷を持っている人は特に不摂生をせずとも、この時期に体調を崩すことが多い。

《黄帝内経素問・四気調神大論》には「冬三月,此謂閉蔵,水氷地坼,無擾乎陽,早臥晚起,必待日光,使志若伏若匿,若有私意,若已有得,去寒就温,无泄皮膚,使気亟奪,此冬気之応,養蔵之道也。逆之则伤肾,春为痿厥,奉生者少。」と記載してあり、いわゆる「冬の三ヶ月は万物閉蔵の季節と謂う。この期間は、水面に氷が張り、土地は凍って裂け、人体の陽気を乱さないようにするため、早く寝て遅く起き、必ず日の出を待ち、志を伏せ隠すように静かに保ち、秘密を守護するように密やかな気持ちで、収得が得られたように満足な心を持たなければならない。また寒さを避けて温かい場所に近付き、皮膚を開泄せず、陽気を奪われないようにすることが大切である。これを冬気に順応させることで、養護・貯蔵の法則である。これに逆らうと、腎を傷め、春になると手足が萎えて冷える「痿厥」の病を来し、閉蔵不足により春季に生発の基礎が少なくなる」との意味であるが、つまり冬季における陽気養護が非常に重要な養生原則だと明確に示している。

陽気は自然界において全ての運動変化を主宰している。人体の生命活動も同じく、「生・長・壮・老・己」の全過程は生体の陽気に主されており、精血津液の生成も陽気によって化されるのである。言い換えれば、生命現象自身は陽気そのものである。具体的には、生体の陽気は臓腑経絡の機能活動を推動し、組織器官を温煦し、外邪侵襲を抵抗し、精血津液を気化するなど様々な生理機能を果たし、体内の太陽のように喩えられ、生体の温暖と活動のエネルギー源となる。古代では「陽強則寿,陽衰則夭」との説があり、陽気が充足であれば、正気が旺盛で、病邪も侵襲できず、健康長寿の前提条件となる。

通常、外界から寒邪に侵襲されて陽気が傷めるほか、罹病や加齢などに伴って陽気が徐々に弱くなりがちである。日頃、寒さに弱い、背腰痠痛、手足が冷える、易感冒、或いは夜間に睡眠不安で昼間に精神不振など多く見られるが、実際これらの症状はいずれも陽気不足に関わっている。

1、陽気不足の病理現象:日常生活において陽虚は多く下記の症状から現れる。

畏寒悪風:「陽気衛外而為固也」と記しているように、陽気は外表から生体を護衛して堅固に為させるため、陽虚になると人体は外界の寒邪に対する防御力も低下し、寒さや風に弱くなる。この長期的な寒がりの症状は主に背・腰・膝に現れ、また気温には関係せず、常に寒がる、37℃ほどの低い熱でも苦しく感じる。

手足不温:「陽虚則寒」とあり、陽虚の方は生体を温められず、末梢から先に現れ、最大の特徴として手足の冷えである。また陽虚の程度と正比例にして陽気が弱ければ弱いほど、手足の温度は低く、重症の場合は肘膝関節以下が全て冷えている。

精神萎糜:陽気は生命活動の原動力となるため、陽気が弱くなると、疲れ易い、倦怠無力など体力低下に伴い、精神状態も低調になり、意欲低下、やる気無い、物事に無関心などが見られ、認知障害も陽気衰退による心神脳神の重度な機能低下である。

感冒頻発:陽気には人体の外表を固摂する作用があり、主に肺の衛陽が働いている。陽虚の方は体表のガードバリアが健常者より弱く、同様な環境で感冒、咳嗽、鼻炎、気管支炎など肺系の表証が罹り易いし、罹患すると全癒も遅い。

腹痛泄瀉:少し冷えたか、或いは生ものや冷えたものを食すことだけで、直ぐに腹痛や下痢を来たしたり、平素も軟便や薄い便が長く続いたりする方は少なくないが、これは脾の陽気不足により引き起こされたのである。

頻尿多尿:水分の摂り過ぎではなくても、昼間に小水が近い、或いは夜間にトイレが多くて睡眠に支障をきたす方は、腎の陽気虚衰から現れた典型的な症状である。

2、陽気流失の不良習慣:日常生活において陽虚は多く下記の習慣から起こされる。

飲食寒凉:現代社会の生活では飲食の寒冷化が陽虚を致す重要な素因である。飲食の寒冷性質には生・冷・苦という三方面の意味があり、果物や生野菜や刺身など生の食物、アイスクリームや清涼飲料など冷蔵冷凍の食物、そして苦瓜や苦丁茶など苦味清熱の食物、これらの寒冷食物を長期的で習慣的に続けると、いずれも脾胃の陽気を損傷してしまう。

冷房低温:空調はまるで生体を人工的な厳冬に置き、特に気温の高い時期は体表の毛穴や経穴などが全開して体内の陽気が体表に溢れる状態にも拘らず、真逆の低温環境に身を置くと、寒邪が急激に体内の陽気を傷めるし、また体温維持のため陽気は止められず寒邪と戦い続けて消耗される。

衣服過少:生体の腹部、腰部、そして足踝などは陽気が失われ易い薄弱部位となり、日頃より半袖短パンや薄いシャツを着る、夜間睡眠中に毛布などを掛けず薄弱部位を露出し寒邪が侵入するか、体表の寒冷に抵抗するため体内の陽気が消耗してしまい、長くなると陽気が不足する。

3、陽気補足の効果的な方法:日常生活において様々な方法で陽気を補うことができる。

飲食保養:性味辛甘温の食物は温補陽気の作用を持って陽気を保養する。常用する壮陽の食物として、黒豆、韮、生姜、枸杞菜(枸杞苗)、茴香、黒胡麻、胡桃、栗、ライチ、羊肉、羊腎、羊骨、豚腎、狗肉、鹿肉、鶏肉、雀肉、雀卵、蝦、海鼠、太刀魚、田鰻などが食用できる。

起居養生:普段から温暖な環境を作り、厚着することで寒冷を避けることが大事で、特に項部・腰部・足部を常に温かく保つ。気温の増減に伴って衣服を加減して汗による陰液の消耗を避ける。「早寝遅起き」を提唱し、早寝により陽気を養い、遅起きにより陰精を固く守る。また早朝は寒気と濁気が盛んであるため、早く起きて運動すると人体の陽気が乱されて壊される恐れがある。ほかに、背に日光を当てる、暖かいベンチに座るなど様々な生活習慣から陽気を守護する。

中医調整:季節の陰陽転換時、或いは陽虚の病証罹患時に明らかな体調不良の場合は、鹿茸、海狗腎、冬虫夏草、杜仲、菟糸子、肉桂、熟地黄、肉苁蓉、芡実、霊芝、紫河車、乾姜など助陽薬物を用い、更に病証に従って適切な中薬処方を服用することで疾病を治療するうえ、大椎や命門、関元など温補経穴に温灸を据えることで治効を強化することもでき、また保健功や六字訣や八段錦など養生気功を鍛錬することにより、陽虚体調の改善を図ることができる。

当会の会員専用ページにて健康知識としてお勧めした姜棗茶は陽気保養の効能を持ち、寒い冬において特に陽気不足の方に大いに効果的である。ここで再度紹介する。

[材料]生姜(とうの立った繊維質が多くて辛い母姜を乾かしてできた乾姜が最も良い)3~5スライス、棗3~6個。

[方法]両者を一緒に土鍋またはステンレス鍋に入れて500~800ccのお水を加え、強火で沸騰させてから、弱火に変えて20~30分間煮込んで煮汁が濃い黄色になり、香りが溢れたら出来上がり。

[用法]午前中は人体の陽気が自然界の陽気と共に上昇発生する時に当たり、毎日飲用すると効率が良いとされている。普段口舌乾燥や大便乾燥、寝汗不眠など逆上せ易い方には生姜を少なめにするか、1日おきにし、また妊婦は飲用しない。

飲食薬膳療法のほか、養生気功療法からも工夫できる。ここでは簡易な気功法を紹介し、入眠前に行い続けていくと、昇陽気・補腎気のために大いに役立てて欲しい。

① 還陽臥

[方法]身体を自然に仰向けにし、背腰をしっかりとベッドに密着させる。股関節を緩め、両膝を屈曲させて身体の両側へ外転させ、両側の足裏を合わせて踵を会陰部に向ける。両手を重ねて下腹部に置くか、身体の両側に自然に置き、手掌を上方に向ける。姿勢を正しく整えてから、目を軽く閉じ、深い腹式呼吸を行う。鼻で吸気しながら、意念的に気が下腹部に集まり、そして腰部へ転がるように想像する;口で呼気しながら、意念的に体内の邪気が息に伴って体外へ排出されるように想像する。このように睡眠前に15~30分ほど練習する。

② 混元臥

[方法]上記の還元臥を1ヶ月ほど練功してから、混元臥に変わる。姿勢は同じく仰臥位を取り、両側の足裏を合わせて踵を会陰部に向ける。両手を重ねるか、十指を交差して頭頂部の百会穴に置く。目を軽く閉じ、舌尖を上顎に軽く当て、自然に腹式呼吸を行う。意念的に天門(泉門)頭皮から印堂(眉間)・目・鼻・口・耳の各器官、そして前頸・胸背から肺・心・横隔膜・脾胃(膵臓を含む)・肝胆・腎・小腸・大腸・膀胱と性器の各臓腑、上肢・手掌・下肢・足裏の各部位を順次に緩めるように想像する。続いて会陰部を収縮させて引上げ、身体は温かくなり完全に緩め、毛穴も開放して自然界と気が交流しているように想像する。この操作を繰り返すことで補腎助陽のほか、頭部をリラックスさせられるため、不眠や神経衰弱にも効果的である。

姜棗茶の飲用及び還元臥と混元臥の練功は比較的簡単で実行し易い、これにより陽気を充足させて厳しい冬を乗り越えよう。

健康知識:冬季養生の良品 牛肉

日常生活の身体補益のため「血肉有形之品」の肉類は最もお勧めである。普段の食卓において豚・鶏・鴨・魚など様々な食材が多く見られるが、中でも牛肉は天然の補気食材として古くから重要視され、古書にて大いに称賛されている。《名医別録》に「安中益気,養脾胃」と記されているように、気血を補って全身に栄養を与え、脾胃を強めて運化機能を助ける効能があり、《韓氏医通》に「黄牛肉,補気,与綿黄耆同功」とあり、牛肉の補気力は「補気聖薬」の黄耆に匹敵するとされている。また《医林簒要》には「牛肉味甘,専補脾土。」、《本草拾遺》には「消水腫,除湿気,補虚,令人強筋骨,壮健。……補益腰脚。」、《滇南本草》には「水牛肉,能安胎補血。」などとあり、いずれも牛肉の温養脾胃・補益気血・強壮筋骨の性能を解説している。

冬季は生体の陽気が体内に収められて蔵されるため、身体補養の重要な季節であり、合理的に牛肉を食すことにより、最大限にその温養効果を発揮することができる。脾胃を温補して気血の生成を促進し、外界の寒邪を防御するに伴って気血不足や虚弱畏寒などの問題を改善させ、筋骨強壮の作用も果たす。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:冬季養生の良品 牛肉

日常生活の身体補益のため「血肉有形之品」の肉類は最もお勧めである。普段の食卓において豚・鶏・鴨・魚など様々な食材が多く見られるが、中でも牛肉は天然の補気食材として古くから重要視され、古書にて大いに称賛されている。《名医別録》に「安中益気,養脾胃」と記されているように、気血を補って全身に栄養を与え、脾胃を強めて運化機能を助ける効能があり、《韓氏医通》に「黄牛肉,補気,与綿黄耆同功」とあり、牛肉の補気力は「補気聖薬」の黄耆に匹敵するとされている。また《医林簒要》には「牛肉味甘,専補脾土。」、《本草拾遺》には「消水腫,除湿気,補虚,令人強筋骨,壮健。……補益腰脚。」、《滇南本草》には「水牛肉,能安胎補血。」などとあり、いずれも牛肉の温養脾胃・補益気血・強壮筋骨の性能を解説している。

冬季は生体の陽気が体内に収められて蔵されるため、身体補養の重要な季節であり、合理的に牛肉を食すことにより、最大限にその温養効果を発揮することができる。脾胃を温補して気血の生成を促進し、外界の寒邪を防御するに伴って気血不足や虚弱畏寒などの問題を改善させ、筋骨強壮の作用も果たす。

一、基本性能

中医学的に牛肉は、甘・平の性味で(黄牛は甘・温、水牛は甘・涼)、脾・胃に帰経する。主に補脾胃・益気血・強筋骨の効能を持ち、脾胃虚弱、脘腹冷痛、食少納呆、泄瀉、浮腫、気血不足、少気無力、自汗、大病後の虚労羸痩、腰膝痠軟、消渇吐瀉、痞積臌脹、大腹浮腫、小便渋少、気喘不安、水気病による四肢腫脹沈重などに用いられる。

豚肉、羊肉、鶏肉に比べて牛肉は養生価値が特に優れている。現代研究では、牛肉は良質蛋白質、カルシウムやリンなどを富んでおり、アミノ酸の構成は生体の需要と非常に整合して消化吸収され易く、筋肉減少(萎縮)を防止し、同時に骨格栄養を支持している。また血色素鉄の含量も他の肉類より高く、効果的に鉄欠乏性貧血を改善させる。ほかに、豊富なビタミンB12、亜鉛、セレンなどの微量元素は神経系と免疫系の機能強化に有益であり、高含量のカリウム元素も泌尿系と心・脳血管の機能保護に役立つ。

また牛肉は性質が温でありながら燥にならず、補いながら滞らないため、陽気を温補して体内の燥熱にならないため、冬季の「蔵養」という養生原則に一致しており、脾胃機能が弱い方には特に適している。

ほかに、牛肉は何にも合わせ易い養生食材であり、様々な食材や薬剤と合わせることで養生効果が広げられる。例えば、大根と組み合わせて消食化積・理気化痰の作用を果たし、また山薬と組み合わせて健脾補虚・養護胃腸の効果がある。

二、食用方法

牛肉は部位の異なりにより脂肪の含量が大いに異なっている。一般的にはモモ肉、リブロース肉とランプ肉、そしてヒレ肉などは脂肪含量が比較的少ないため、この赤身の部位をお勧めする。そのうち、リブロース肉とランプ肉は最も柔らかくて様々な調理法に適しているが、モモ肉は比較的線維が粗くて筋も多いため、煮込み方法には適している。

また体質に従って合理的に部位を選択する。脂肪の少ないモモ肉やロース肉は脂肪制限・筋肉強化(脂肪を減らして筋肉を増やす)のもの、鉄欠乏性貧血、そして良質蛋白質補給のものに相応しい。一方、赤身より脂肪が富む肩ロースやバラ肉は長く煮込むことで柔らかくなり易いため、消化機能が弱いものや老年幼児などに相応しい。

通常、牛肉の週摂取量を300~400g調節するのが相応しい。平均して一日に約50gで卵一個の分量に当たり、程好く栄養を得られるし、生体に大きな負担にならない。また調理方法も栄養に大きな影響を与えている。炒る、焼く、そして油で揚げると香ばしくなるが、水分が流失して肉質が硬くなるし、高温により蛋白質が変性を起こして消化吸収に支障を来たす可能性がある。それに対して蒸す、煮る、そして煮込むなど低温調理は牛肉の栄養と風味を保留できるほか、有害物質の産出が避けられるため、健康的である。

ここでは、「寒・燥・虚」という冬季養生の特徴に対し、温補滋養の代表的な養生薬膳料理「黄耆牛肉野菜の煮込み」を紹介する。牛肉を基本とし、補気薬材の黄耆を配合し、更に玉蜀黍や人参などの野菜を加え、健脾養胃・益気養血・温補祛寒の効果に伴って免疫力強化の作用も発揮できる。

適応:特に冬季に身体虚弱、気虚疲労、羸痩、畏寒、手足不温、免疫低下、易感冒などの方には役に立てる。

[材料]牛肉250g、新鮮な玉蜀黍1/2本、人参1/2本、黄耆15~20g、葱5㎝、生姜1かけ、塩と胡椒粉少々。

[方法]① 牛肉を小さく切ってお水に入れ、沸騰したら灰汁を取ってから取り出しておく。② 人参の皮を剥いて小さく切り、玉蜀黍を短冊切りにしておく。③ 土鍋にお水をたっぷり入れ、牛肉、人参、玉蜀黍、黄耆、葱、生姜を加えて強火を掛け、沸騰したら弱火に変えて牛肉が柔らかくなるまで1時間ほど煮込む。④ 適量の塩と胡椒粉で調味して出来上がり。

[補足]脾胃虚弱の場合は煮込み時間を1.5時間ほど長くすることで、肉質を柔らかくして消化への負担を減らす。また口乾、ニキビ、便秘などの場合は補気過剰で逆上せるのを避けるため、黄耆を半分の量(5~10g)に減らす。

三、注意事項

牛肉は冬季に温補養生の良品であるが、全ての人に適応するわけではない。下記の場合は慎重に食しなければならない。

① 痛風の急性発作期の方:牛肉はプリン体の高い食材に属しているため、尿酸増加で症状が増悪する恐れがある。

② 脾胃虚弱者:牛肉は筋繊維が比較的粗くて消化に負担がかかる。胃炎や胃潰瘍の罹患者、消化不良の方、或いは胃腸機能低下の老年は食後に腹脹や呑酸などの不快感が現れ易い。

③ 熱性体質や炎症発作の方: 牛肉は性質が温熱に偏って、虚寒体質のものに向いているとされている。本来熱性体質で逆上せ易い、或いは口内炎や咽喉腫痛や皮膚掻痒症など炎症が発作する期間において牛肉を過食することで熱象が増悪することがある。

健康知識:2025年三伏天の特徴と養生

7月20日から三伏天に入った。過去まで十年間に渡った40日間の「長三伏」とは異なり、今年の三伏天は30日間となる。初伏は7月20日~7月29日の10日間、中伏は7月30日~8月8日の10日間、そして末伏は8月8日~18日の10日間である。

三伏天は一年中で最も陽気が盛んで湿気が多い時期である。自然に順応して正しい養生し、更に「冬病夏治」を実現するため、家庭常用の食材を利用したり、簡単な動作を用いたりして身体の調節養生を行うことは非常に重要である。

そこで三伏天における健康養生の要領を整理し、具体的な応用も紹介するので、活用して欲しい。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:2025年三伏天の特徴と養生

7月20日から三伏天に入った。過去まで十年間に渡った40日間の「長三伏」とは異なり、今年の三伏天は30日間となる。初伏は7月20日~7月29日の10日間、中伏は7月30日~8月8日の10日間、そして末伏は8月8日~18日の10日間である。

三伏天は一年中で最も陽気が盛んで湿気が多い時期である。自然に順応して正しい養生し、更に「冬病夏治」を実現するため、家庭常用の食材を利用したり、簡単な動作を用いたりして身体の調節養生を行うことは非常に重要である。

そこで三伏天における健康養生の要領を整理し、具体的な応用も紹介するので、活用して欲しい。

 

三伏天の利湿・祛寒・解暑

① 利湿

三伏天は湿気が強くて蒸し暑いため、生体は湿邪の侵襲を受け易く、倦怠無力、頭身沈重、食欲不振、大便溏薄、舌苔厚膩などが見られる。健脾化湿を重要な原則として、下記の家庭食療処方をお勧めする。

赤小豆薏米茯苓粥(小豆とはと麦の茯苓粥):材料は赤小豆30g、炒りはと麦20g、茯苓15g、オニバスの実10g、陳皮5g、皮付き生姜(熱性体質の場合は不要)3スライス。赤小豆とオニバスの実を1時間半ほどお水で浸して他の材料と共に煮込んでお粥を作る。

また日頃から冬瓜、糸瓜、苦瓜など瓜類の食材を用いることによって清熱作用を働かせながら利水作用も果たす。なるべくアイスクリーム、冷たいドリング、西瓜など生ものや冷える物を取らず、脾胃陽気の損耗を避ける。

② 祛寒

体内の宿寒(古い寒邪)を取り除くことは「冬病夏治」のカギである。民間では「伏羊一碗湯,不用開薬方」と言われるように、羊肉は祛寒気・補脾胃・助元陽・補精血・益労損などの効能があり、虚寒体質の方に最も適応する。そのための代表的な薬膳料理を挙げるので試してみて欲しい。

当帰生姜羊肉湯(当帰と生姜の羊肉スープ):羊肉250gを小さく角切りにしてお湯を通して灰汁を取り除く。羊肉をお鍋に入れてたっぷりとお水を加える。老生姜(とうを通ったものが良い)30gを押し潰し、当帰15gと枸杞10gと一緒にお鍋に入れて強火で煮立ててから弱火に変えて2時間ほど煮込み、お塩と胡椒で調味して食す。

また「夏防寒気,冬病不擾」(夏に寒気を防ぐと、冬に病気に患わぬ)と言われるように、三伏天ではなるべく冷房に吹かれず、冷飲を多く飲まないことで、寒邪の侵襲を避ける。

参考として寒性病証に適する漢方薬を挙げると、脘腹冷痛・手足不温のものには温中健脾の附子理中丸;腸鳴腹脹・早朝泄瀉のものには温腎止瀉の四神丸;腰膝寒冷・夜尿頻多のものには温補腎陽の桂附地黄丸;咳痰白稀・冷風苦手のものには解表宣肺の通宣理肺丸;悪寒頭痛・嘔吐泄瀉のものには解表散寒化湿の藿香正気丸が用いられる。

③ 解暑

三伏天では避暑も重要である。暑は火熱の邪気で、津液損耗と共に昇散耗気の性質を持ち、心煩口渇、頭暈目眩、汗が出て止まらないなどが多く見られる。解熱清暑の原則下で、下記の家庭食療処方がお勧めである。

西瓜翠衣緑豆湯(西瓜皮と緑豆のスープ):西瓜皮の白い部分と薄緑の部分を薄いスライスに切り、緑豆と一緒にお水から30分間ほど、緑豆が柔らかくなるまで煮込み、冷ましてから飲用する。蓮の葉を加えると清熱解暑の効果が更に高まる。

また暑熱に損耗され易い気と津液を補給するため、日頃から山薬、蓮根、木耳、百合根など、益気養陰の食材を多めに摂ることをお勧めする。熱中症対策として仁丹、十滴水、藿香正気水などの漢方薬を常備する。

 

三伏天の必要な三行動

1、背に日を浴びて陽気を補う

背は生体の「陽の中の陽」で、督脈と足太陽膀胱経が循行する部位である。朝7~9時または午後3~5時頃、日射しが温和の時に、15~20分ほど背に日を浴びることで、陽気を激動させて寒湿を祛除する効果があり、手足寒冷などの陽虚症状を改善させられる。正午は日光浴をしてはいけない。日よけ帽子または日傘などを利用して頭部の陽気過剰吸収による頭暈や頭痛などを防ぐ。日を浴びてから温湯を少しずつゆっくりと飲用すると良い。

2、子午時刻の睡眠を大事に取る

子の時刻(23時~1時)は胆経の時節に当たり、この時に深い睡眠状態に入らなければならない。また午の時刻(11時~13時)は心経の時節に当たり、この時に短い睡眠が取れたら養心安神の効果があり、疲労や煩躁を解消して暑熱からの心神消耗を避ける。

3、適度な緩和運動

散策、六字訣、八段錦、五禽戯、太極拳など、動作が穏やかで軽度な緩和運動を行うことで、全身の気機を疏通させ、発汗による湿邪の排出を助ける。但し、汗は微かな程度に納め、大汗を流してはいけない。

 

上記のほか、三伏天の時節、特に炎天高温の日時にはできるだけ外出を避け、過剰に汗を流した場合は随時に水分を補給し、頭暈や心悸など不快感が現れた場合は直ちに涼しい場所で休まなければならない。冷房を利用する際に、外界との温度差を大きくしてはいけず、なるべく28度以上に設定したり、扇風機を活用することが相応しい。

 

健康知識:随時に行える養生法 閉目三分間

頭を働かせなければリラックスして休めると勘違いをしている方は少なくない。仕事から帰宅しても携帯電話を手離さず、食事中、睡眠前、更に入浴中でも、ずっと携帯電話を見ている。実際には全く休息できず、精神を消耗している。何故なら、目を開けているためである。

《黄帝内経》には「目受血則能視」や「五臓之精皆上注于目」などが記されており、つまり目を使う度に血を消耗し、五臓の精気を損耗している。

中医学における望診では、目を診ることで神気の充足度を判断することができる。目に神気が無い時は病状が深刻になり、眼神散漫の時は病状が危篤で、予後が悪いとされている。すなわち目は生体の健康状態を反映する重要な器官で、精気と神気を養護するためには目をいたわって使うのが大事である。

ここでは、何時でも何処でも随時に行える「閉目養神」という方法を紹介し、精気を五臓に帰還させて濡養作用を果たし、心身の調節養護に役立つ。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:随時に行える養生法 閉目三分間

頭を働かせなければリラックスして休めると勘違いをしている方は少なくない。仕事から帰宅しても携帯電話を手離さず、食事中、睡眠前、更に入浴中でも、ずっと携帯電話を見ている。実際には全く休息できず、精神を消耗している。何故なら、目を開けているためである。

《黄帝内経》には「目受血則能視」や「五臓之精皆上注于目」などが記されており、つまり目を使う度に血を消耗し、五臓の精気を損耗している。

中医学における望診では、目を診ることで神気の充足度を判断することができる。目に神気が無い時は病状が深刻になり、眼神散漫の時は病状が危篤で、予後が悪いとされている。すなわち目は生体の健康状態を反映する重要な器官で、精気と神気を養護するためには目をいたわって使うのが大事である。

ここでは、何時でも何処でも随時に行える「閉目養神」という方法を紹介し、精気を五臓に帰還させて濡養作用を果たし、心身の調節養護に役立つ。

閉目養神は簡単便宜で効果顕著な心身の調節方式である。中医学によると、「神」は生命活動の主宰であり、また生命活動の総合体現でもある。《黄帝内経》曰く「得神者昌,失神者亡」のように、閉目養神は非常に重要な価値がある。

現代研究でも閉目養神が確実な科学性を持つと検証されている。両目を閉じることで外界から大脳への情報量を大いに減少させ、大脳の情報受理によるエネルギー消耗を軽減させて大脳は休息と調整が得られる。また閉目は視神経の緊張を緩め、神経系全体のリラックスのためにも役立つ。

1、閉目養神の練習方法

大腿を水平状態に保つ高さの椅子に座り、膝を90度屈曲させる。両脚は肩よりやや広く開いて平行して置き、両手掌を下に向けて大腿の上に置く。両目を自然に閉じて静かにリラックスする。最初は雑念が多いかも知れないが、少しずつ馴染んで行くと、思考が落ち着いて心境が平静になる入静状態になれる。

研究によると、人体は通常午前9時、午後1時、そして午後5時に倦怠困憊を感じ易いため、この時機に目を閉じて3~5分間、或いは10~15分間の休憩が取れたら、疲労回復の効果が良好である。

2、閉目養神の練習原則

閉目養神を練習する際に、下記「三無」の原則を守らなければならない。

① 無目的:閉目養神の練習は何らの効果に達しなければならないことを考えず、ただ自分の緊張を緩めて健康を維持し増進する方法の一つとして欲しい。

② 無定式:閉目養神の練習は余りに時間や姿勢などに拘らず、自分が気持よく感じられるようにすれば良い。できるだけ卓上に俯せず、椅子に座るのが最も相応しい。

③ 無場所:閉目養神の練習は場所を気にせず、安全・安静の前提下で行えば良い。特に試験や講演などの前に数分間ほど目を閉じていれば、緊張感を解消して精神が落ち着くための助けにもなる。

疲労を感じる時に、仕事の合間、昼間の休憩時、そして仕事の終了後に帰宅した時でも、少しだけの時間を利用して閉目養神を行うことで、精気を体内に収めて外へ散らさず、神志を宿って夜の入眠にも有益である。

現在では電子情報が盛んになって人々は常に電子機器を注視しているが、その危害は実に大きい。少しでも心神を擾乱することを避けて清浄な心を保つことこそ、正統の養生道であろう。

健康知識:西瓜翠衣も良薬になる

西瓜翠衣は西瓜の皮であり、西瓜皮や西瓜翠とも呼ばれる。西瓜の内層にある柔らかい部分を除いた青い果皮を洗浄し乾燥させて薬用されているが、食用の際に外側の蝋成分を含有する硬い外皮を削って青と白の部分を利用することもある。

中医薬的に、西瓜翠衣は甘味で涼性であり、心・胃・膀胱経に帰経し、清熱解暑・除煩止渇・利尿消腫などの効能を持ち、暑熱による津傷煩渇、心火上炎、口舌生瘡、湿熱蘊結、小便短赤不利や混濁、水腫、消渇(糖尿病)、高血圧、中暑や秋冬気候乾燥による咽喉乾痛、煩咳不止などに適応する。また血圧降下や酒毒解消の効果もある。

西瓜翠衣の薬用効果は西瓜の果肉よりも優れており、また糖含量とカロリーが低いため、高血糖・高血脂や肥満の方に適している。合理的に西瓜翠衣を応用すれば、下記のような日常生活における健康問題を簡単に解決できる。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:西瓜翠衣も良薬になる

西瓜翠衣は西瓜の皮であり、西瓜皮や西瓜翠とも呼ばれる。西瓜の内層にある柔らかい部分を除いた青い果皮を洗浄し乾燥させて薬用されているが、食用の際に外側の蝋成分を含有する硬い外皮を削って青と白の部分を利用することもある。

中医薬的に、西瓜翠衣は甘味で涼性であり、心・胃・膀胱経に帰経し、清熱解暑・除煩止渇・利尿消腫などの効能を持ち、暑熱による津傷煩渇、心火上炎、口舌生瘡、湿熱蘊結、小便短赤不利や混濁、水腫、消渇(糖尿病)、高血圧、中暑や秋冬気候乾燥による咽喉乾痛、煩咳不止などに適応する。また血圧降下や酒毒解消の効果もある。

西瓜翠衣の薬用効果は西瓜の果肉よりも優れており、また糖含量とカロリーが低いため、高血糖・高血脂や肥満の方に適している。合理的に西瓜翠衣を応用すれば、下記のような日常生活における健康問題を簡単に解決できる。

 

1、暑熱煩渇

西瓜翠衣3~5g、氷砂糖適量。一緒に沸騰したお湯に5分ほど浸して茶代わりに服用する。(昨年7月に送付した西瓜翠衣茶を参照)

西瓜翠衣20g、緑豆20g、白いんげん豆5g。緑豆と白いんげん豆を一緒に煮込み、豆が柔らかくなったら、西瓜翠衣を細かく砕いて加え、暫く蓋をして蒸してから、汁を飲んで豆を食する。西瓜翠衣は解暑開胃、白いんげん豆は健脾祛湿、緑豆は清熱解暑、三者を合わせて暑熱に湿を伴う方に最も良い。

* 単純に清熱解暑の効能から、西瓜の果肉果汁は中暑に効果的であるが、寒性が強いため、脾胃虚寒や湿盛便溏のものは慎重に食用しなければならない。

2、口舌生瘡

西瓜翠衣60g、薄荷15g。お水から15分ほど煎じて汁を取り、1日3回に分けて飲む。また西瓜翠衣を緑豆と一緒に煮込んで汁を飲むことで、平素に逆上せて口舌生瘡の予防になる。

或いは西瓜翠衣を火で焦がして粉末に磨り潰し、口に付ける。中薬の西瓜霜は西瓜翠衣と芒硝(硫酸ナトリウム)を混合して精製された白い結晶であり、鹹味で寒性を持ち、咽喉腫痛や口内炎などに特効を持つ。

3、咳嗽咽痛

西瓜翠衣250gをお椀2杯分のお水に入れて1杯分になるまで煮込み、氷砂糖を少々加えて冷ましてから飲む。西瓜翠衣は清熱解暑、氷砂糖は甘味平性で潤肺止咳、合わせて効果的に燥熱による咳嗽と咽喉腫痛を解消できる。通常では三日間で完治できる。

4、歯痛齦腫

白い粉が付いた西瓜翠衣を焼いて灰にしてから、直接歯齦に付ける。或いは西瓜翠衣を天日干ししてから少量の氷片(竜脳、ボルネオール)を加えて歯痛局所に付ける。

5、食思不振

漬物を漬ける方法で、西瓜翠衣(白い部分を含む)を2~3日漬けておき、食事の小皿として食すると、開胃作用を果たして食欲増進できる。

6、大便秘結

新鮮な西瓜翠衣(外層の硬い部分)をジューサーミキサーでジュースにして飲むことで清熱通便の作用を果たす。また便秘が長い場合は蜂蜜を加えると良い。

* 陽虚・気血虚の方は下痢を起こす恐れがあるため、慎重に使用する。

7、小便短赤

西瓜翠衣50g、竹葉芯20枝、生地黄5g、木通10g、生甘草5g。お水で煎じて汁を1日3回に分けて飲む。

8、腎炎水腫

西瓜翠衣(白い部分を含み、乾燥したものが良い)40g、新鮮白茅根50g。お水で煎じて汁を取り、1日3回に分けて飲む。

9、腰部捻挫屈伸不能

西瓜翠衣(青い外層が良い)を陰干ししてから細かい粉末に磨り潰し、塩と酒で調合して空腹時に服用する。1日3回で、1回2~3g。

 

ほかに、また下記の応用ができる。

暑湿汗疹

中医学によると、汗疹は盛夏時節に暑熱が湿邪を挟んで肌膚に蘊結し、毛竅が鬱塞されて起こされる。瓜翠衣には清熱解毒利湿の作用があるため、外用でも内服でも汗疹の予防と治療に一定の効果が期待できる。

日焼修復

新鮮な西瓜翠衣を薄いスライスに切り、日焼けした皮膚局所に付ける。炎症が酷い場合は西瓜翠衣を冷蔵庫に暫く冷やしてから使用する。一週間ほど続けると、治療効果が明らかに得られる。

降圧補助

新鮮な西瓜翠衣(青い外層を切り落として白い部分が良い)25g、食酢500g。西瓜翠衣を食酢に4時間ほど漬けてから食する。1日に1回、15日間を1クールとする。夏季に肝陽上亢の高血圧で、蒸し暑い天気による頭暈、心煩、血圧上昇に対して即効性がある。

但し、薬物治療の代わりにはならない。