頭を働かせなければリラックスして休めると勘違いをしている方は少なくない。仕事から帰宅しても携帯電話を手離さず、食事中、睡眠前、更に入浴中でも、ずっと携帯電話を見ている。実際には全く休息できず、精神を消耗している。何故なら、目を開けているためである。
《黄帝内経》には「目受血則能視」や「五臓之精皆上注于目」などが記されており、つまり目を使う度に血を消耗し、五臓の精気を損耗している。
中医学における望診では、目を診ることで神気の充足度を判断することができる。目に神気が無い時は病状が深刻になり、眼神散漫の時は病状が危篤で、予後が悪いとされている。すなわち目は生体の健康状態を反映する重要な器官で、精気と神気を養護するためには目をいたわって使うのが大事である。
ここでは、何時でも何処でも随時に行える「閉目養神」という方法を紹介し、精気を五臓に帰還させて濡養作用を果たし、心身の調節養護に役立つ。