新型コロナウイルス感染が長期化する情勢で、不要不急の外出を避けるほか、在宅勤務なども推奨されており、こんな状況はこれからも長引いていくと予想される。
家に居てどうしても長く座り続けがちである。長時間、座ったり立ったりする場合は、腰椎への圧力が大きく、腰筋も緊張が続くため、この状態を長期に繰り返していくと慢性腰筋損傷や腰椎間板ヘルニアなどの疾病に罹り易い。腰椎病変予防の最も簡単な方法として、長時間に同一姿勢を持続せず、適度な運動及び充分な休息を保たなければならない事が重要である。
ここでは、腰部養護の四動作を紹介する。毎日仕事の合間に行うと、腰部の疲労が解消される。また長く続けることで、腰部の関節と筋肉を調節する効果があり、慢性腰筋過労損傷や腰椎・腰椎間板病変を予防する事もできる。
1、腰部按推
[方法]真っ直ぐに立って身体を正面に向ける。
両手は拳を握り、示指の中手指節間関節を用いて手が届く高さの腰椎両側に当てておく。吸気時に腹部の方向へ垂直に按圧して痠感や脹感(怠くて張った感じ)が現れるまで行う。その後、呼気に伴って腰を徐々に伸ばし、手の関節は腰部体表から離れず、按圧しながら上方から下方へ骶骨まで推し下ろし、同時に腰を後方に伸展する。
計3回繰り返す。
[注意]先に按圧して後に推し下ろし、腰は手の按推に伴って真っ直ぐまで伸ばす。
2、腰部回転
[方法]椅子に座って身体を正面に向ける。
左手で左側の背もたれ上部を握り、右手は左側の大腿外側に当てて固定する。呼吸時に腰を最大限に左側へ回して10秒間ほど保持してから、吸気に伴ってゆっくりと正面に戻る。その後、呼気に伴って右側に変えて同様に行う。
左右交互に10回繰り返す。
[注意]上半身を真っ直ぐにし、腰を回す時に下肢は動いてはいけない。
3、腰部牽引
[方法]椅子に座って身体を正面に向ける。
両手の十指を交差させ、吸気時に手掌を頭上に向けて上方へ押し上げ、同時に身体も上方へ引き延ばし、最大限になったら、1秒間ほど止める。呼気時に身体を一側に倒し、最大限になったら1秒間ほど止め、吸気時に正中に戻る。その後、呼気に伴って反対側に変えて同様に行う。
左右交互に5回繰り返す。
[注意]上方へ押し上げて腰部に伸ばされた感じが現れてから、左右の側屈を行う。
4、両手攀足
[方法]椅子に座って身体を正面に向ける。
呼気時に腰を前屈させ、胸をなるべく大腿部に付くようにし、両手は両踝を掴み、最大限になったら5~10秒間ほど止めてから、ゆっくりと腰を戻す。
連続して10回繰り返す。
[注意]膝関節は90度屈曲するが、難度が高くするために真っ直ぐに伸ばしても良い。