健康知識:健脾利水・清熱除湿の良薬 はと麦

梅雨季節に入り蒸し暑い日々が続き、頭が重くて体がだるい、汗がベタベタしてすっきりしない、食欲が出ないなどの症状は湿邪が体内に溜まっている特徴である。そのため、この時期の健康維持で最も重要な原則は清熱除湿である。

中医学的に五臓の中の脾は、気血を化生し運輸するほか、水湿を運化する生理機能がある。脾が健常であれば、気血が充足するし、体内に停滞している湿邪も変化し排除されていく。逆に湿邪が盛んになると、脾の機能も影響されて低下してしまう。

健脾除湿と言うと、真っ先にはと麦が思い出される。はと麦は薬食両用の材料の一種として知られ、その清熱利湿の薬効効果が最も重視されている。はと麦は涼・甘淡の性味で、脾・胃・肺・腎に帰経し、健脾止瀉・利水燥湿・舒筋除痹・清熱排膿などの効能を持ち、主に脾虚湿盛による泄瀉、浮腫、湿温病、脚気、婦人帯下、小便不利;風湿痹痛、筋脈拘攣;肺癕、腸瘍などに用いられる。現代研究によると、はと麦は血圧低下、糖質脂質代謝の改善、腸内菌の調節、抗癌、美白など様々な作用を持っている。また栄養価が高く、適応範囲が広く、安価などのこともあり、日常飲食生活における健康増進に非常に適している。はと麦の作用が平和で、微寒で清熱しながら胃を傷めず、益脾しながら補い過ぎない特徴があり、特に久病体虚や病後回復、そして老人・小児に多く適応している。なお、健脾益胃の場合ははと麦を炒り、利水滲湿・清熱排膿・舒筋除痹の場合は生の物を用いる。

但し普段の食生活では、はと麦の調理に慣れていない方が多いようで、ここで、はと麦の応用方法を紹介するので炎熱と湿気の強い梅雨季節に活用して欲しい。

はと麦小豆粥

[材料]はと麦30g、小豆20g、米50g。

[方法]はと麦と小豆を綺麗に洗ってからお鍋に入れ、お水を加えて強火で煮立ってから弱火に変えて30分間ほど煮込み、更に米を加えて30分間煮込む。

[効用]健脾祛湿。脾虚湿盛による身体困憊、食少腹脹、大便が粘っこくてスッキリしない、舌苔厚膩に適する。

はと麦八宝粥

[材料]はと麦30g、白扁豆、蓮実、胡桃、小豆、竜眼肉各10g、棗6個、糯米100g。

[方法]上記食材を綺麗に洗ってお水と一緒にお鍋に入れ、弱火で柔らかくなるまで煮込んでから、適量の氷砂糖または黒砂糖で調味する。

[効用]健脾開胃祛湿・益気養血。脾虚血少による倦怠無力、食欲不振、慢性泄瀉、心煩不眠などに適する。

はと麦山薬の燕麦粥

[材料]はと麦200g、山薬(皮を剥いて角切り)150g、オートミール30g。

[方法]はと麦を綺麗に洗ってお水で30分間煮込み、そこに山薬を入れて柔らかくなるまで煮込み、オートミールを加えて均等に混ぜる。

[効用]健脾燥湿・開胃消食。脾胃気虚湿滞による面色萎黄、全身無力、食欲不振、消化不良、舌苔厚膩などに適する。

はと麦黄耆棗の粟粥

[材料]はと麦100~200g、生黄耆30~50g、棗10個、粟50g。

[方法]上記食材を綺麗に洗ってお水を加え、弱火で柔らかくなるまで煮込む。

[効用]健脾益気・清熱補血。脾胃虚弱による身体羸痩、面色晄白、倦怠無力、気短自汗などに適する。またはと麦にCoixol(6-methoxybenzoxazolon)、コイクノライド(Coixenolide )という成分が含まれ、また豊かなセレン元素(Selenium)を含有するため、癌細胞の増殖を抑制することができ、癌患者の補助食として用いられる。

はと麦小豆冬瓜皮の鮒スープ

[材料]鮒1匹(約400~500g)、はと麦50g、小豆30g、冬瓜皮50g、陳皮5g、生姜3スライス。

[方法]鮒の鱗と内臓を取り除いて綺麗に洗い、鉄鍋にサラダ油を少々塗して弱火で鮒を炒っておく。はと麦をお水で30分間煮てから小豆、冬瓜皮、陳皮、生姜、鮒を加えて30分間煮込み、料理酒を少々入れて沸騰したら出来上がり。

[効用]健脾利水。脾虚による水腫、脘腹脹満、食少、大便溏泄、四肢倦怠などに適する。

はと麦杏仁冬瓜仁葦茎スープ

[材料]はと麦50g、杏仁10g、冬瓜仁30g、芦の茎30g。

[方法]上記の食材を綺麗に洗ってお水に入れ、強火で沸騰してから弱火に変えて1時間煮込む。

[効用]健脾祛湿・止咳化痰。脾虚湿滞で、肺熱による咳嗽、粘っこい白色または黄色の痰を吐くなどに適する。

はと麦玫瑰花月季花茶

[材料]はと麦30g、玫瑰花5g、月季花3g。

[方法]はと麦を綺麗に洗ってお水に入れ、強火で煮立ってから弱火に変えて1時間ほど煮込み、火を止めて玫瑰花と月季花を加え、蓋を閉めて15分間蒸し、冷めてから飲用する。

[効用]美白潤膚・活血消斑。長期飲用により皮膚が滑々で、褐色斑や面皰を解消する。

 

健康知識:夏季における生姜の応用

中国では「冬に大根、夏に生姜を食べれば、医者の薬方をいらず」との言い方がある。夏季に向けて生姜を活用することで、健康維持に役立つ。

生姜は辛・温の性味で、脾・胃・肺経に帰経し、散寒解表・温肺化痰止咳・温中降逆止嘔・解毒の効能を持ち、主に風寒感冒による悪寒発熱、頭痛鼻閉、肺寒による咳嗽多痰、痰飲喘咳、胸脇脹満;脾胃虚寒による脘腹冷痛、泄瀉、胃寒または胃気不和による悪心嘔吐、食少;婦人月経不順、崩漏、産後血暈、瘀血腹痛、吐血、鼻衄、喀血、便血;魚蟹や半夏の中毒などに用いられる。また、姜には生姜と乾姜の違いがあるが、生姜は温性で発汗解表の作用が強く、乾姜は熱性で温中散寒の作用が強い。

ここで夏季における生姜の応用を紹介する。

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健康知識:夏季における生姜の応用

中国では「冬に大根、夏に生姜を食べれば、医者の薬方をいらず」との言い方がある。夏季に向けて生姜を活用することで、健康維持に役立つ。

生姜は辛・温の性味で、脾・胃・肺経に帰経し、散寒解表・温肺化痰止咳・温中降逆止嘔・解毒の効能を持ち、主に風寒感冒による悪寒発熱、頭痛鼻閉、肺寒による咳嗽多痰、痰飲喘咳、胸脇脹満;脾胃虚寒による脘腹冷痛、泄瀉、胃寒または胃気不和による悪心嘔吐、食少;婦人月経不順、崩漏、産後血暈、瘀血腹痛、吐血、鼻衄、喀血、便血;魚蟹や半夏の中毒などに用いられる。また、姜には生姜と乾姜の違いがあるが、生姜は温性で発汗解表の作用が強く、乾姜は熱性で温中散寒の作用が強い。

ここで夏季における生姜の応用を紹介する。

1、生姜黒糖汁

夏の朝起きてから先ず、生姜と黒糖の煮汁を飲むことで、消化液の分泌を促進して健脾開胃・消化促進の作用を果たし、同時に祛風散寒の効能を持ち、風寒感冒の症状がある場合は緩解する。

2、生姜棗汁

生姜と棗の煮汁は和胃降逆止嘔の作用を果たし、寒冷による胃痛、吐気、嘔吐、腹痛、下痢などに対して緩和効果がある。

3、生姜紅茶

紅茶1~3g、生姜3スライスをコップに入れてお湯を加えて茶代わりに飲むことで、夏季における寒冷飲食による消化機能低下、胃腸機能失調などの諸症状を緩和する。

4、生姜汁外用

夏冷房の室内に長時間いると、肩背部や背腰部の強張りや痛みが屡々見られる。この場合、温かい生姜の煮汁に少々食塩とお酢を加えてそこにタオルを入れて濡らし、患部に当てることで、舒筋活血の効果を持ち、局所筋組織の強張りを緩め、痛みを解消する。

注意して欲しいのは、陰虚内熱及び実熱証のものには生姜の長期食用が適さず、肝疾患、目疾患、痔瘡のものは慎重に食する。また、生姜黒糖汁は風寒感冒の軽症に適するが、風熱感冒や暑湿感冒には適しない。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2023年度)

2023年度は、昨年に引き続き教育活動である講習会及び普及活動の健康支援を進展していきたいと思います。

講習会は「常見病証の針灸治療実技」Ⅲ期を企画しており、感染防止を徹底して少数人数で実行する予定です。2年連続の講習経験を活かし、今回は日本の針灸現場で余り見られない針灸治療で、特効が得られる病証を取り挙げ、同じく実用性に重点を置き、具体的な刺針実技を指導しながら練習を実行し、更に個人的な心得と経験を伝授します。これにより辨証論治の思想を導き、臨床実践の技術能力が高まると同時に針灸治療の特殊技法を身に付けられる事を期待しています。講習は4月後半に開講し、計8回で12月前半に終了する予定です。

健康支援活動はホームページを通じて健康情報を発信するほか、臨床センターにて会員の皆様の健康養生法の相談や指導なども催してゆきたいと思います。ほかに、状況が可能な範囲で会員限定の無料講座も実施する予定です。また引き続き季節の変化や社会の情勢に合わせて薬茶を新たに考案して見本をお送りします。

コロナ禍で3年ほど会員の年末懇親会を開催することができず、非常に残念でしたが、疫病情勢はようやく少し落ち着いてきたようで、夏頃に安全確保の上で会員の交流を深めるため、懇親会を企画してゆく予定です。

 

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告書(2022年度)

1、講習会

2022年度の講習会は、4月から12月にかけて「飲食薬膳療法の基礎と応用」講習を行い、4月から11月にかけて前年度実施した「常見病証の針灸治療実技」のⅡ期講習を行いました。

「中医飲食薬膳療法」はテーマが非常に大きくて講習内容がとても広範囲ではありますが、これまでに二度ほど講習を行いました。昨年は10年ぶりの講習に備え、テキストを修正したほか、疫病蔓延の時期における健康増進のため新たな解説方法を加え、これまでと同様に理論と実用の知識に重点を置いて講習しました。最後に薬膳一品の作成実演と試食、薬酒の試飲も行いました。

一方、「常見病証の針灸治療実技」講習は前年度から開催していましたが、今年はⅡ期として継続し、計4名が参加されました。今回も伝統医学教育の実用性に重点を置き、針灸臨床に常見される6病証を新たに取り上げ、その基本概念、病因病機、そして辨証分型を明確にしたうえ、治療原則と選穴処方を解説し、具体的な刺針実技を指導しながら、技能練習を行いました。参加者の皆さんは実技も積極的に練習し臨床での即戦力が高まったようです。

 

2、健康支援

教育事業活動のほか、会員の健康支援活動も引き続き行っています。伝統医学教育会ホームページの会員専用ページにて健康知識を定期的に更新していますので、皆様の健康増進の参考にして頂きたいです。

また、長くご支援下さった会員の皆様に感謝の気持ちを込めて、健康支援のために伝統医学的な薬茶をお送りしました。今回は主に新型コロナウイルス感染の急増状態、及び盛夏の暑熱湿聚の特徴に従って5種類の薬茶を考案して処方と見本を送付しました。会員の皆様にお送りした薬茶の主要材料は比較的容易に入手できる身近なものを使って作成しましたが、作成方法は教育会の会員専用ページに公開しています。

 

活動案内:「常見病証の針灸治療実技(Ⅲ期)」講習会

針灸医学は理論に基づいた実践的な学科です。臨床では、中医学の辨証論治を元にして正確な診断を下すことができて、初めて正しい治療方針が立てられます。そこから、腧穴の性能に従って相応しい処方を組み合わせ、更に正しい技術を用いた効果的な治療を実施できます。日本の現状は、中医学の病証に対して基本概念がはっきり認識されておらず、また総合的な辨別分析の考え方も欠けているため、辨証論治の臨床応用は広く普及されていません。更に学校教育では実践に接した臨床実習が不足しているため、臨床現場に入ると、患者さんに対応し難く感じる方が多いようです。

伝統医学教育会では、これを踏まえ鍼灸師・鍼灸在学生を対象として針灸臨床にて多く見られる病証を取り挙げて、これまでに治療実技の二回講習を行いました。今回も少数人数で、実用性に重点を置き、日本の針灸現場で余り見られず針灸治療で特効が得られる病証を取り挙げ、その基本概念、病因病機、辨証技能、治療方針などを解説したうえ、具体的な刺針実技を指導しながら練習を実行し、更に個人的な心得と経験を伝授する予定です。これにより辨証論治の思想を導き、臨床実践の技術能力が高まる事と同時に針灸治療の特殊技法を身に付けられる事を期待しています。

講習終了時、NPO法人伝統医学教育会の修了証書を交付します。

 

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全8回 月1回 日曜日10時30分~13時00分(計20学時間)

毎回約30分理論解説、120分実習指導

① 04月23日 喘息(灸法操作を含む);

② 05月28日 帯状疱疹;

③ 06月25日 円形脱毛(梅花針操作を含む);

④ 07月30日 美容針灸の観点(美顔、痩身);

⑤ 09月03日 眩暈;

⑥ 10月01日 顔面神経麻痺;

⑦ 11月05日 坐骨神経痛;

⑧ 12月03日 COVID-19感染後遺症対策(倦怠疲労、咳嗽咽痛、味覚障害)。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401 NPO法人伝統医学教育会臨床センター

交 通:東京メトロ銀座線末広町駅より徒歩4分、千代田線湯島駅より徒歩4分

都営地下鉄大江戸線上野御徒町より徒歩8分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より徒歩10分~12分

定 員4名以上で開講 6名まで

費 用:73,000円(実習用具の費用込み、分割払い可) 当会会員は8,000円割引

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局 FAX 03(5816)5235

締切り:2023年4月10日(月)まで

健康知識:葱姜蒜による春季の疫病予防

春が近付くと自然界は陽気昇発という特徴になり、万物生成の光景が現れている。同時に春は風を主り、風を特徴とする病証が流行り易い。そこで、今の季節には新型コロナウイルス感染症に加え、様々な感染症が多発している。感染症の予防には感染源遮断と免疫力増強が重要な方針である。マスク着装・対人距離保持・随時の手洗いなどは感染源遮断のため効果的な方法であるが、人体生命力の一面である免疫力は医療気功、針灸推拿、薬剤薬膳など東洋的な医療方法により強化できる。

古来、伝統医学では薬食同源を提唱して食物の特性を以て疾病の予防と治療に用いている。これによって陰陽のバランスを取り戻して生体の免疫力を高める。「厨房三宝」と呼ばれる長葱・生姜・大蒜は薬食両用の重要な食材である。辛熱発散の薬性を持っているため、春の特徴と共通し、人体の陽気を助長して風寒湿の邪気を取り除き、疫病の予防効果を果たす。《傷寒論》、《千金方》、《本草綱目》など薬物経典に収録してある疫病の予防治療の食療処方に長葱・生姜・大蒜を含むものが数多くあり、また熱く炒って臍や合谷などの経穴に付けて熱罨法を行う外治療法をも記載している。

ここでは長葱・生姜・大蒜の薬性効果と応用方法について紹介する。疫病蔓延の時期に当たって多めに食用することにより、予防治療の作用を果たして欲しい。

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健康知識:葱姜蒜による春季の疫病予防

春が近付くと自然界は陽気昇発という特徴になり、万物生成の光景が現れている。同時に春は風を主り、風を特徴とする病証が流行り易い。そこで、今の季節には新型コロナウイルス感染症に加え、様々な感染症が多発している。感染症の予防には感染源遮断と免疫力増強が重要な方針である。マスク着装・対人距離保持・随時の手洗いなどは感染源遮断のため効果的な方法であるが、人体生命力の一面である免疫力は医療気功、針灸推拿、薬剤薬膳など東洋的な医療方法により強化できる。

古来、伝統医学では薬食同源を提唱して食物の特性を以て疾病の予防と治療に用いている。これによって陰陽のバランスを取り戻して生体の免疫力を高める。「厨房三宝」と呼ばれる長葱・生姜・大蒜は薬食両用の重要な食材である。辛熱発散の薬性を持っているため、春の特徴と共通し、人体の陽気を助長して風寒湿の邪気を取り除き、疫病の予防効果を果たす。《傷寒論》、《千金方》、《本草綱目》など薬物経典に収録してある疫病の予防治療の食療処方に長葱・生姜・大蒜を含むものが数多くあり、また熱く炒って臍や合谷などの経穴に付けて熱罨法を行う外治療法をも記載している。

ここでは長葱・生姜・大蒜の薬性効果と応用方法について紹介する。疫病蔓延の時期に当たって多めに食用することにより、予防治療の作用を果たして欲しい。

1、長葱

葱は辛味・温性で、肺・胃に帰経し、発汗解表・通達陽気・殺虫解毒の薬効を持つ。風寒感冒の良薬であり、医聖張仲景はその通陽作用を熟用して君薬(処方の主薬)として推奨し、《本草綱目》には「生辛散,熟甘温,外実中空,肺之菜也,肺病宜食之。」と記載している。

長葱には発揮油が含まれ、その成分はアリシンAllicinで、強い殺菌作用がある。調理上、長く茹で過ぎたり煮過ぎたりすべきではない

[応用]葱白粥。

[作り方]お米50g、長葱の白い根、砂糖適量。先ずお米を煮込み、柔らかくなりそうな時に葱白を段冊切りして入れ、一度沸騰してから、砂糖で調味して温かく飲む。1日に1回。

[効能]解表散寒、和胃補中。主に風寒感冒に適応する。

また、咳嗽咽喉疼痛を伴う場合は、長葱を丸ごとフライパンで柔らかくなるまで炒るかグリルで焼いてガーゼやハンカチに巻いて喉に巻き付けることも効果的である。

2、生姜

姜は辛味・温性で、脾・胃・肺に帰経し、発散風寒・発汗解表・活血除湿・化痰止咳・温中止嘔・解毒などの薬効を持つ。これによって血液循環を促進し、毛穴を広げて汗を排出させ体内の余分の熱や邪気を払い出し、また人体の新陳代謝を速めるほか、血栓の形成を予防する。

[応用]生姜紅棗水

[作り方]生姜5スライス、棗5個、黒砂糖適量。たっぷりのお水を入れたお鍋に生姜と棗を入れて強火で沸かしてから、弱火に変えて15分間ほど煮込む。黒砂糖で調味して飲用する。

[加減]好みによって黒砂糖を食塩に変えても良い。寒性体質の場合は生姜を増量する;薄い鼻水、鼻詰まりの場合は長葱の白い根を4~5個加え、根の鬚が更に良い;熱性体質で逆上せ易い場合は生姜を減量し、杭白菊を数個加える。

3、大蒜

大蒜は辛味・温性で、脾・胃・肺・大腸に帰経し、温中健胃・消食止痢・解毒殺虫・理気止咳・抗癌消瘤・宣竅通閉・健脳益知・老衰遅延などの薬効を持つ。「天然の広域スペクトル抗生物質」と呼ばれるように、インフルエンザウイルスや寄生虫などに対して優れている抑制や殺傷の作用を果たす。

大蒜にはアリシンAllicinが含有され、広範の抗菌・殺菌・抗原虫の作用を持っているが、有効成分は加熱すると失ってしまうため、生で食用するのが適宜である。

[応用1]大蒜水

[作り方]生の大蒜を数欠片スライスに切るか潰し、朝昼晩に分けて温湯に浸して飲用する。或いは醤油、お酢、胡麻油で食用する。

[応用2]大蒜泥吸入

[作り方]生の大蒜を泥状に磨り潰し、匙一杯を口に入れ、深呼吸を行う。1回15分間繰り返して1日に3回行う。鼻水、痰、涙などが出る場合は直ぐに鼻をかんだり、痰を出したりして呼吸を続ける。

[効能]清肺健脾、抗ウイルス。

 

健康知識:冬季における感冒咳嗽の食療方法

冬の季節は、感冒(風邪)に罹り易くなり、悪寒発熱や鼻水頭痛などの症状が伴うほか、咳が多く見られる。しかも諸症状が治まっても咳だけが中々治らず、飲食や睡眠など日常生活に支障を来たし、更に慢性化すると咽喉炎や気管支拡張なども起こし易い。

中医学の飲食薬膳療法を活用することで、早急に咳の症状を改善させることができる。具体的に応用する際には、感冒の臨床辨証を行う必要があり、これにより咳嗽の治効を高める。

中医学的に、感冒は外界の邪気を感受して発病する外感病(外感表証)に属する。感冒による咳嗽は主に風寒か風熱の邪気から起こされるが、ほかに風燥によるものもある。臨床では、主に寒熱の辨証に従って相応しい薬膳献立を選択して対応することができる。

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健康知識:冬季における感冒咳嗽の食療方法

冬の季節は、感冒(風邪)に罹り易くなり、悪寒発熱や鼻水頭痛などの症状が伴うほか、咳が多く見られる。しかも諸症状が治まっても咳だけが中々治らず、飲食や睡眠など日常生活に支障を来たし、更に慢性化すると咽喉炎や気管支拡張なども起こし易い。

中医学の飲食薬膳療法を活用することで、早急に咳の症状を改善させることができる。具体的に応用する際には、感冒の臨床辨証を行う必要があり、これにより咳嗽の治効を高める。

中医学的に、感冒は外界の邪気を感受して発病する外感病(外感表証)に属する。感冒による咳嗽は主に風寒か風熱の邪気から起こされるが、ほかに風燥によるものもある。臨床では、主に寒熱の辨証に従って相応しい薬膳献立を選択して対応することができる。

1、風寒咳嗽:咳の音は重く濁る、咽喉が痒い、喀痰が薄くて白い、また悪寒発熱、無汗、頭痛、全身痠痛、嚏、鼻詰まり、薄い鼻水など風寒束表の症状を伴う。

寒性咳嗽の場合は、大根葱白生姜湯を勧める。宣肺解表・止咳化痰・理気消食の作用を以て風寒咳嗽に多く用いられる。作り方は、大根と長葱の白い部分と生姜をそれぞれ15g薄切りにしておき、先ず大根をお椀3杯ほどの水に入れて柔らかくなるまで煮て、葱と生姜を加えて再度沸騰させ、汁を飲んで具も食する。

また、大根のスライスを紫蘇の実(或いは棗)と蜜柑の皮と一緒に煮て黒糖を加えて温かく飲む事も風寒疏散・宣肺止咳・消食化痰の効果を果たす。

ほかに、風寒感冒で悪寒無汗、全身痠痛などで苦しい場合は、生姜と黒糖の煮汁を大量に飲用して発汗することで対策するが、駆寒暖胃の効能に加えて潤肺止咳の効果も強化するため、生姜黒糖大蒜の煮汁をお勧めする。人体の免疫力強化に繋がって風寒感冒の予防策としても用いられる。作り方は、大蒜を15gスライスして10~15分ほど放置し、生姜も15gスライスし、お椀1杯ほどの水に入れて煮立てて大蒜のスライスと黒糖を加え、再度沸騰したら弱火にして10分間煮込む。

2、肺熱咳嗽:咳、咽喉が乾いて腫れて痛い、喀痰が黄色く粘っこい、また発熱頭痛、汗出悪風、黄色い鼻水などの風熱襲肺の症状、或いは空咳で痰が少なくて吐き出し難い、咳が甚だしい時に血痰、胸痛など燥熱傷肺の症状を伴う。

熱性咳嗽の場合は、オレンジの塩蒸しをお勧めする。オレンジの実には理気化痰・潤肺止咳の効能があるが、オレンジの皮にも化痰止咳の重要な成分のノスカピンと橙皮油が含まれ、皮つきで蒸してはじめて有効成分が取り出される。作り方は、食塩でオレンジの外皮を綺麗に洗い、オレンジの上端を水平に切って蓋として残しておく。オレンジを茶碗に入れ、お箸でオレンジの果肉に数個の穴を刺し、適量の食塩を塗してから切り落とした蓋を閉める。鍋に入れて10分間ほど蒸し煮し、オレンジの果肉を取り出して汁と一緒に温かく飲む。通常一日に一個を食す。

老年性慢性気管支炎による咳嗽で痰が多い場合は、大根蜂蜜水をお勧めする。大根には生津止咳・理気化痰の効能があり、蜂蜜には潤肺止咳・潤腸通便・潤膚美顔の効能がある。作り方は、大根を綺麗に洗って千切りするか小さい塊に切り、適量の蜂蜜を掛けて均等に混ぜ、水も油もない容器に2時間ほど放置すると汁が染み出る。汁を飲んで大根も食す。

肺燥による空咳が長らく止らない場合は、鶏卵の胡麻油炒めをお勧めする。胡麻油は通気理肺の効能を持って咳嗽を軽減させるほか、様々な異物による肺臓への損傷を軽減させ、鶏卵は補肺養血・清熱解毒・潤利咽喉の効能を持っている。作り方は、胡麻油を鍋に入れて熱し、生姜の微塵切りを少々加えて香りが出たら、溶いた鶏卵を入れて熱が通るまで炒め、調味料は入れない。