健康知識:秋季における梨の活用

近年は異常気候が続いており、今年も立秋を過ぎても残暑と湿気は長引いている。ようやく気温が下がり、冷たい風と共に秋の気配を感じるようになって来た。同時に秋の主気である燥気が強まることで、喉の渇きや痒み、痰の少ない空咳などに悩まされる方が増えている。

「一つの梨で三つの秋を潤す」と言われるように、秋の梨は非常に理にかなった旬の食物です。肺を潤して余分な熱を冷まし、咳を鎮めて痰を切る良薬でもある。梨の詳細な薬効については、当会の会員専用ページで2024年09月29日公開した健康知識「秋季における潤肺止咳の宝 梨」をご参照下さい。ここでは、梨の性能を要約してその応用を補足する。

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健康知識:秋季における梨の活用

近年は異常気候が続いており、今年も立秋を過ぎても残暑と湿気は長引いている。ようやく気温が下がり、冷たい風と共に秋の気配を感じるようになって来た。同時に秋の主気である燥気が強まることで、喉の渇きや痒み、痰の少ない空咳などに悩まされる方が増えている。

「一つの梨で三つの秋を潤す」と言われるように、秋の梨は非常に理にかなった旬の食物です。肺を潤して余分な熱を冷まし、咳を鎮めて痰を切る良薬でもある。梨の詳細な薬効については、当会の会員専用ページで2024年09月29日公開した健康知識「秋季における潤肺止咳の宝 梨」をご参照下さい。ここでは、梨の性能を要約してその応用を補足する。

一、梨の薬用価値

梨は甘・微酸・涼の性味で、肺と胃に帰経し、清熱生津潤燥・潤肺止咳化痰・解酒毒などの効能を持ち、主に肺燥による空咳無痰または粘稠痰で吐き難い、口鼻乾燥、肺熱による咳嗽痰多、咽痛嗄声、温熱病後や消渇(糖尿病)による陰虚煩渇、食道癌による反胃、大便干結、飲酒過度に用いられる。

二、梨の食用注意

梨は寒冷性質であり、多食すると脾胃を傷め、陰湿を助長するため、脾胃虚寒、溏便、腹部冷痛、風寒咳嗽の者や血虚の者や産後は慎重に食用すべきである。

普段、梨を果物として食べる時は、食感が良くないことや残留農薬などを心配して皮を剥く人が多いが、実際には梨の皮自身は薬草とされている。清熱潤燥・止咳化痰の効果は梨肉よりも優れており、中薬処方の桑杏湯には梨の皮を入れて燥咳による治療に用いる。咳嗽痰多の者は梨の皮を煎じて煮汁を飲むか、或いは皮付きのまま食べるのも良い。

また梨には種類が様々あるが、全て薬用として病症の治療に使われるわけではない。李時珍の《本草綱目》には「梨品甚多……乳梨即雪梨,鵝梨即綿梨,消梨即香水梨也。俱為上品,可以治病。其他如青皮、早穀、半斤、沙糜等梨,皆粗渋不堪,止可蒸煮及切烘為脯爾。」と記載されている。これは、乳梨は現在の雪花梨、鵝梨は現在の鴨梨(中国河北省特産)や酥梨(中国安徽省原産)消梨は現在の庫爾勒香梨(中国新疆特産)や南果梨・香水梨(中国遼寧省原産)であり、肉質が細やかで果汁が豊富、甘くて渋みがないため、生食では清熱潤燥、加熱して養陰止咳の効果に優れ薬用の上品とされている。このほかに皇冠梨(白梨の亜種)、豊水梨、そして秋月梨なども肉質が柔らかく果汁が豊富で甘いため、食事療法に用いられる。

一方、古人によれば青皮梨や早穀梨などは、収穫時期が早過ぎて果肉がパサパサしているものや、酸味が強く渋みがある品種を指します。これらは果肉が粗く果汁も少ないため味も淡泊で渋みがある。加熱処理や砂糖漬けにして加工食品の材料として用いられるが、食事療法や薬用には適してない。

三、梨の活用方法

梨の性質は寒涼に偏って脾胃虚弱のものは下痢を起こし易いため、日常的な健康維持には加熱して調理するのが望ましい。蒸したり煮込んだりすることで寒涼の性質が和らぎ、性能も「清六腑之熱」から「滋五臓之陰」へ変わり、穏やかで持続的な効果が期待できる。

また下記のような組み合わせを工夫することで、梨の薬用効能を更に高められる。

1、山椒梨盅(花山椒の梨器)

雪花梨を1個準備し、上部を切って蓋とし、中の種をくり抜いて梨の器にしておく。そこに花山椒6~10粒と氷砂糖少々を入れ、蓋を閉めて爪楊枝で固定し、蒸し器で30~40分間ほど蒸して完成したら、梨を食して汁を飲む。

主に秋に入って寒さに当たることで起こる咳、薄くて白い痰が出る、夜間や体が冷えた時に増悪する、舌苔が薄白などの場合に適する。花山椒は辛温の性質を持って温中散寒・通利肺気の作用があり、梨は甘涼の性質を持って潤肺止咳の作用があり、この一温一涼の組み合わせによって寒熱のバランスが調和し、風寒を疏散するとともに、肺燥を滋潤することができる。

2、白萝卜炖梨(大根と梨の煮込み)

大根1/2本、雪花梨1個を綺麗に洗い、皮つきのままひと口大に切り、適量の水と一緒に強火で煮込む。沸騰したら弱火にして20~30分煮込み、氷砂糖で味を調えます。汁を飲み、また梨と大根は食べても良い。

主に風邪が治りかけているものの、咳が長引いてすっきり治らない、白色または黄色の痰が出る、喉に違和感が残る時に適します。また腹部膨満感、食思不振などを伴う外邪未清で肺胃不和に適する。本来は脾胃虚寒で痰が白い、発熱のないものには煮込む際に生姜を3スライス加えることで、食材の持つ寒涼の性質を中和させる。大根は辛甘涼の性質を持って下気消食・清熱化痰に優れ、更に梨の潤肺生津の作用と合わせることで、肺と胃を共に整え、消食化痰の効能が高まる。

3、川貝梨盅(川貝母の梨器)

雪花梨を1個用意し、上部を切って蓋にし、中の種をくり抜いて梨の器を作っておく。川貝母3~5gを細かい粉末にし、氷砂糖少々と共に梨の器に入れ、蓋を閉めて爪楊枝で固定し、蒸し器で40~60分間ほど蒸し、梨の果肉を食べて汁を飲む。就寝前に服用すると最も効果的である。

咳で痰は無い、或いは痰が少なくて粘稠、更に血が混じる、喉が乾いて声がかすれる、舌は紅、苔は少ない肺熱燥咳に適する。川貝母は微寒の性質を持ち、清熱潤肺・化痰止咳の常用生薬である。梨は養陰潤燥の効能を持ち、この2つを組み合わせることで薬効が相互に高まる。秋燥傷肺による空咳痰少の治療に代表的なレシピです。

なお、上記の雪花梨の代わりに幸水や豊水や新高など、果汁豊富でやや大きめ梨を使用しても良い。

健康知識:中医薬茶材料製作法(続き)

2022年8月の健康知識では、① 橘皮(蜜柑の皮)、② 蓮芯(蓮実の芯)、③ 竹葉(竹の葉)、④ 魚腥草(ドクダミ)、⑤ 蒲公英(タンポポ)、⑥ 冬瓜皮(冬瓜の緑皮)、⑦ 西瓜皮(西瓜の緑皮)、⑧ 薏米(はと麦)、⑨ 枇杷葉(枇杷の葉)などの製作法を紹介しましたが、その続きとして下記の二種を追加します。

⑩ 荷葉(蓮の葉)

新鮮で害虫のない蓮の葉を綺麗に洗い、小さく切り、風通しの良い場所で自然乾燥させるか、電子レンジの強火で少しずつ様子を見ながら加熱して乾かす。鉄鍋で軽く炒って揉んでから保存しておくこともできる。

⑪ 艾草(ヨモギ)

端午節の前後の最初の若芽が最も良い。古い葉は苦味が強く食感が悪いため、収穫後は水で何度も洗って水気を切る。

新鮮なヨモギの新芽を採り、綺麗に洗い、重ならないように広げて天日干しし、充分に乾燥させる。

渋くて苦い味を軽減させるため、新鮮なヨモギを湯掻くか、蒸し器で2分強火で蒸して青止めし、熱くない程度に冷ましたら繰り返し揉んで水分を出し、広げて充分に乾燥させる。フライパンで弱火~中火、全体が乾くまで炒っても良い。

 

健康知識:夏季に身体を潤す清熱栄養スープ

梅雨のジメジメした涼しい日々が一段落し、気温が一気に上がって30度を超える日が増えている。間もなく一年中で最も気温が高くなる三伏天に入る。今年の三伏天も40日間と長く、初伏は7月15日~24日、中伏は7月25日~8月13日、末伏は8月14日~23日となる。高温が続くと大量の汗をかき脱水してしまう恐れがあるため、こまめな水分補給が重要である。また体内の水分は浸透圧によって保たれているため、ただお水を飲むだけでは体内に留め難く、蛋白質と電解質を一緒に摂取することが必要である。

ここでは、夏季にぴったりな清熱栄養スープを6種類紹介する。作り方も簡単なので、これらのスープを日々食卓に取り入れることで、暑熱を和らげ不足しがちな栄養を補足し、効率よく体内に水分を補給することができる。

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健康知識:夏季に身体を潤す清熱栄養スープ

梅雨のジメジメした涼しい日々が一段落し、気温が一気に上がって30度を超える日が増えている。間もなく一年中で最も気温が高くなる三伏天に入る。今年の三伏天も40日間と長く、初伏は7月15日~24日、中伏は7月25日~8月13日、末伏は8月14日~23日となる。高温が続くと大量の汗をかき脱水してしまう恐れがあるため、こまめな水分補給が重要である。また体内の水分は浸透圧によって保たれているため、ただお水を飲むだけでは体内に留め難く、蛋白質と電解質を一緒に摂取することが必要である。

ここでは、夏季にぴったりな清熱栄養スープを6種類紹介する。作り方も簡単なので、これらのスープを日々食卓に取り入れることで、暑熱を和らげ不足しがちな栄養を補足し、効率よく体内に水分を補給することができる。

1、冬瓜トウモロコシ人参のあっさりスープ

材料:冬瓜1/8個、トウモロコシ1/2個、人参1/4個、水3カップ、長葱少々、生姜少々。

作り方:冬瓜、トウモロコシ、人参を角切りにし、長葱と生姜を微塵切りにしておく。お鍋に油を少々ひき、長葱と生姜を入れて炒め、香りが立って来たらお湯を注ぎ玉蜀黍を加え、10分間ほど煮込んでから人参を加えて更に10分間煮込む。最後に冬瓜を加えて5分間ほど煮込み、具材が柔らかくなったら、塩で味を調える。

特徴:さっぱりとしていてしつこくなく、日々の栄養を豊富に摂取できるスープ。

2、新鮮野菜と茸の卵スープ

材料:しめじ茸1/4袋、小松菜(青梗菜)1/2袋、水3カップ、卵1個、長葱少々、生姜少々。

作り方:お鍋に油を入れて熱し、卵を入れて両面が黄金色になるまで焼いたら、取り出して小さく切っておく。再度、鍋に長葱と生姜の微塵切りを入れて香りが立つまで炒め、しめじ茸を加えて水分が出るまで炒める。そこへお湯を注ぎ、先ほどの卵を戻し入れ、5分間ほど煮込む。最後に小松菜(青梗菜)を加えて塩で味を調える。

特徴:良質な蛋白と食物繊維が豊富に含まれており、あっさりして消化に良い。

3、椎茸と卵のスープ

材料:新鮮な椎茸5~6、ほうれん草1/2袋、人参1/4、卵1個、水4カップ、葱少々、生姜少々。

作り方:椎茸を薄切り、人参を細切りにする。ほうれん草は下茹でしてアク抜きをしておく。鍋に少量の油をひき、長葱と生姜の微塵切りを入れて炒める。香りが立ってきたら、人参と椎茸を加えて水分が出るまで炒める。お湯を注ぎ、沸騰したら弱火にして5分間ほど煮込む。最後にほうれん草を加え、溶き卵を回し入れ、塩で味を整える。

特徴:ビタミン豊富で、あっさりとしつこくない味わいで、疲労回復にお勧め。

4、海苔と干し小海老の卵スープ

材料:海苔1/2枚、干し海老大さじ2、卵1個、水3カップ、万能葱少々。

作り方:お椀に海苔、干し海老、小口切りにした万能葱を入れ、塩、味の素(鶏がらスープの素)、料理酒、醤油を加える。鍋でお湯を沸かし、溶き卵を回し入れ、再び沸いたらお椀に注いで全体を混ぜる。

特徴:ミネラルが豊富で栄養たっぷり水分補給や身体を潤す効果に優れている。

5、海老団子と豆苗のスープ

材料:海老10尾、豆苗1/2袋、水3カップ、生姜の千切り少々。

作り方:海老は殻をむいて背わたを取り除き、細かく刻む。そこに卵白、片栗粉、塩を加え、同一方向に混ぜてから、小さめの団子状に丸めておく。鍋に水を入れて海老団子を加えて火にかける。火が通ったら油を少々垂らし、豆苗を加えて3分間ほど煮込み、塩と胡椒で味を調える。

特徴:新鮮であっさとした、高蛋白・低脂肪の一品。

6、海苔と魚肉団子のスープ

材料:魚肉団子6個、海苔1/2枚、水3カップ、白胡椒少々。

作り方:お湯で魚肉団子を熱が通るまで茹でる。器の底に切り分けた海苔を敷き、塩と白胡椒を少々振っておく。そこへ魚肉団子を煮汁ごと注いで全体を混ぜる。

特徴:磯の香が豊かな夏の暑さを吹き飛ばす一品。

 

健康知識:昼寝の重要性

午前中の多忙な状態を経て正午を過ぎると、頭がぼんやりとして瞼が重くなり、昼寝を求める強烈な眠気に襲われるなど身体が休息の合図をしてくる。この時の昼寝は非常に重要である。

昼寝と聞くと、つい怠けているような印象を抱く人が多いかも知れない。しかし、一日は二つの活動時間に分けて身体を稼働させると考えると、比較的に過ごし易いと言えよう。特に体質虚弱の方や中老年の方に対して、持久的な消耗から元気を守る手段として昼寝は非常に有効である。実際、昼寝は特定の人に限らず、あらゆる人々健康を維持するのに重要な価値がある。昼寝は怠けなどではなく、生体が自己修復を行うための大切な時間である。昼食後は消化のために大量の血液が胃腸へ集中し、脳への供給が一時的に低下するため、眠気を感じ易くなる。こんな時はこの眠気の弾みに乗って暫く休息を取れば生体リズムに順応できる。

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健康知識:昼寝の重要性

午前中の多忙な状態を経て正午を過ぎると、頭がぼんやりとして瞼が重くなり、昼寝を求める強烈な眠気に襲われるなど身体が休息の合図をしてくる。この時の昼寝は非常に重要である。

昼寝と聞くと、つい怠けているような印象を抱く人が多いかも知れない。しかし、一日は二つの活動時間に分けて身体を稼働させると考えると、比較的に過ごし易いと言えよう。特に体質虚弱の方や中老年の方に対して、持久的な消耗から元気を守る手段として昼寝は非常に有効である。実際、昼寝は特定の人に限らず、あらゆる人々健康を維持するのに重要な価値がある。昼寝は怠けなどではなく、生体が自己修復を行うための大切な時間である。昼食後は消化のために大量の血液が胃腸へ集中し、脳への供給が一時的に低下するため、眠気を感じ易くなる。こんな時はこの眠気の弾みに乗って暫く休息を取れば生体リズムに順応できる。

昼寝の習慣は古くから重視されている。《黄帝内経》には「陽気尽則臥,陰気尽則寐」と記されており、陽気が最も盛んな時には身体を休めなければならないと提唱している。一日の中で陽気が最も盛んなるのは午の時で、つまり11時から13時までの時間帯で、この時は閉目養神が必要である。同様に、陰気が最も盛んな子の時、つまり23時から1時までの時間帯には深い睡眠を取らなければならない。これを合わせて「子午眠」と言い、生命を営む重要な時間とされている。「午時小憩,子時大睡」の原則を守って睡眠を取ることは効率的な健康養生の効果を果たす。

特に陽気が盛んな夏季には、生体の陽気が自然界の特性に従って体外まで溢れ出し、暑熱の開泄特徴によって発散され易いため、身体は最も疲れ易く感じる。長い一日の中間に仕切りを入れて昼寝をするだけで、陽気の消耗が最小限に抑えられる。また《黄帝内経》における「夏三月……夜臥早起」という養生方針によると、夜遅く寝て、朝は早起きるが自然界の時節に適しているが、睡眠時間不足を補うためにも昼寝はとりわけ重要である。

昼寝は健康維持のために様々な効果を果たしている。

1、陰陽調節

午の時は一日において「陽中の陽」であり、この時間帯に休憩を取ることは自然界の陰陽変化に順応し、体の陰陽平衡を取り戻すためになり、心のおもむくままに伸び伸びと快適に感じさせられる。

2、養心安神

午時は陽気が最も盛んな時機であるが、同時に心臓が最も活躍している時間帯でもある。中医学的には「心主血脈」とされており、この時に適当な休憩は心臓を滋養して気力を回復し、午後に活力が満ちている。《黄帝内経》には「心者,君主之官也,神明出焉」とあり、心は血脈を主るだけではく、また神志を主って精神活動を制御する中枢である。そのため、昼寝は情緒を安静させ、焦慮や緊張を減少させて養心安神の効果が期待できる。

3、記憶力と認知力の改善

現代研究によると、短い昼寝は大脳の機能効率を高め、特に記憶強化に対して積極的な作用を持つとされている。中医学は脳機能の養生を大切にし、《黄帝内経》には「脳為髄之海」とされ、頭脳の重要性を重視している。従って合理的に昼寝を取り入れることで、思惟が更に敏捷で明晰にでき、学習や仕事のためになる。

ほかに、昼寝は血圧を安定させる効果も検証され、毎日20~30分間の昼寝を保つ方は収縮圧が平均して5~8mmHgほど下がるとされている。昼間の時間帯に交感神経が興奮状態に続き、緊張により血管が収縮し続けるため、血圧が上昇し易い。少しだけ横になって休息すれば、交感神経が弛緩し、血管も拡張して血圧は安定してくる。これによって心脳血管への負担も軽減され、発症リスクも大いに低下する。

昼寝は健康養生の良い習慣であるが、幾つかの注意点がある。

① 昼寝を食事直後に取らず、20~30分ほど軽く歩いてから寝ると胃に負担を減らす。食後30分を経つと、飲食物の消化吸収で脾胃機能は少し弱くなり、この時に適当な休憩は正常な消化吸収を維持させ、食積や消化不良を避ける。また、飲食が胃に入ってから直ぐ横になると、胃酸が食道に逆流するリスクが高くなり、昼寝を起きたら口に酸っぱく感じたり、胸やけを感じたりする場合がある。

② 昼寝を長く取らず、1時間以内に寝ると、心身に十分な緩和を得られるし、夜間の正常な睡眠に影響を及ぼさない。昼寝が長過ぎると、深い睡眠に入り易く、醒めてから逆に頭暈頭脹ですっきりせず、更に疲れを感じる。これは「陰盛陽衰」の状態で、いわゆる体内の陽気が抑えられて夜間の睡眠質に影響を来たす。通常、20~30分間が好ましく、長くても40分間を超えない方が良い。

③ 昼寝は俯せてせず、きちんとリラックスの姿勢を保つ。ベッドで横になる姿勢が最も理想的であり、全身の筋肉骨節が十分に緩め、血液循環を促進させられる。横になることができず椅子に座って休む場合でも、脊柱が真っすぐな姿勢を保ち、特に机などに俯せしてはいけない。これは呼吸や循環に妨害し、頚椎や腰椎に相応しくなく、頸部疼痛などの不快感を起こすからである。

ほかに、本来夜間に不眠に患う方は昼寝を長めに取ると、夜間の睡眠に影響する恐れがあり、また血圧が比較的低い方は昼寝で血圧が更に低下する恐れがあるため、昼寝は向いていない。

 

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2026年度)

2026年度は昨年に引き続き、教育活動である講習会及び普及活動の健康支援を進展していきたいと思います。

講習会は通常通り従来の教育方針に従って少人数で行い、前年度と同じように実技講習を主として「常見病証の針灸治療実技」及び「医療気功の理論と実践」の二学科を予定しています。

針灸治療実技の講習は、2021年から梅田会員の希望と協力得て、針灸師及び針灸学生を対象に開設した針灸臨床学科で、2022年度と2023年度を加えて計3期の講習を積み重ねることが出来ました。2025年度はその講習経験を活かして再度開講し、今年度も行う事が決まりました。針灸臨床において常見される四病証のほか、日本の針灸臨床現場では触れる機会の少ない五官病症を四つ選出し、基礎的な理論分析を解説したうえ、具体的な刺針実技を指導と技能練習を行います。これらから辨証論治の思想へと導かれ、臨床実践における技術能力が高められることを切に願っています。講習会は4月後半に開講し、計8回で12月前半に終了する予定です。

一方、医療気功の講習は当会で六年ぶり四回目の開催となります。これまでの経験を活かし今回は講習時間数を増やし、実習を重点的に取り組む予定です。医療気功の基礎知識及び操作方法を分かり易く説明したうえ、初歩的な健康気功法として静気功の「放鬆法」、動気功の「保健功」を実際に練習し、更に実用的な「六字訣」も紹介します。これにより医療気功に対して正しい認識を築き、反復練習で気功法を身に付け今後の健康増進に活用して欲しいと思います。

当会は従来教育活動の一環として、本場中国において中医学大学教育及び病院の外来治療の研修を、北京中医薬大学国際学院の提携協力を得て開催してまいりました。これまでに十回ほどの研修活動を開催し針灸師や針灸学生、薬剤師、療法士、及び中医学に関心を持つ一般の方々が参加されました。中医学病院での針灸科、推拿科、中医内科などの臨床治療をはじめ、大学での解剖学や診断学の特別講義、また中国でも希少な中医学・中薬学博物館を見学など、更に現地での治療体験は、これまでご参加された皆様には貴重な経験となりました。新型コロナウイルス感染拡大により社会情勢に大きな変化がおこりましたが、ようやく社会秩序を少しずつ取り戻してきましたので、中国研修の活動を再開し、今年度に実行できるよう、計画や連絡に取り組んでおります。

最後に、健康支援活動に関してはホームページを通じて健康情報を発信するほか、臨床センターにて会員の皆様に向けて無料健康養生の相談や指導なども催していきたいと思います。また季節の変化や社会の情勢に合わせて薬茶を新たに考案し見本をお送りする予定です。

会員の交流を深めるため、本年も会員懇親会を開催する予定です。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2025年度)

1、講習会

2025年度の定期講習会は実技の教育を中心に行い、4月から12月まで「常見病証の針灸治療実技」及び「耳穴診療法の実技と応用」を開講しました。

「常見病証の針灸治療実技」の講習は2021年度から2023年度にかけて三期ほど開催しましたが、本年度はこれまでの経験を活かし、更なる質の向上を図り、内容を一層充実させる講習を行いました。講習には当会会員の針灸師計7名が参加されが参加しました。伝統医学教育の実用性に重点を置き、針灸臨床において常見される8病証を取り上げました。それぞれの基本概念、病因病機、そして辨証分型を明確にし、治療原則と選穴処方を解説した上で、具体的な刺針実技を指導と共に操作練習に取り組みました。以前の講習から更に臨床実践の能力を強化すべく、新たに診察要項と辨証要点を伝授しました。参加者の熱心な研鑽により、辨証論治の思想に啓発され、臨床見聞が広がり、臨床技法が鍛えられ、針灸治療の技術能力や実用的な応用能力が高まったと感じております。

もう一方では、当会で長年において最も多く執り行われた「耳穴診療法の実技と応用」の講習を開催しました。従来の少人数徹底指導という伝統医学療法の教育理念に基づき、実技を中心に据えて講習を行いました。講習は教育会独自の指導方法で実施し、反復の解説と練習をすることで、参加者の技能向上にも役立ちました。また講習の合間に耳介按摩保健体操を練習し、毎回活気に満ちた雰囲気の中で正確に耳穴診療法の基礎及び技能を把握して貰いました。

 

2、健康支援

教育事業活動と同時に、会員の健康支援活動も引き続いて行っています。伝統医学教育会ホームページの会員専用ページにて健康知識を定期的に更新していますので、皆様の健康増進にお役立てください。

また、会員の健康支援の一環として前年度に引き続き、伝統医学に基づいた薬茶をお送りいたしました。今回は主に盛夏季節の暑熱特徴、並びに観光客急増による感染症再燃に従い、過去に考案した薬茶の中から特に効果的なものを厳選し調整し、処方と見本を送付しました。以前と同じように、皆様にお送りした薬茶の主要材料は身近なものを使って作成し、作成方法は教育会の会員専用ページに紹介しています。

 

3、懇親会

10月12日(日)午後、当会事務所にて今年度の会員懇親会を開催しました。今回は計6名が出席されました。

参加された皆様と健康増進に関する様々な情報交換や経験交流を行いました。事務局も会員の皆様とお会いして貴重なご意見や近況をお聞きすることができ、また、皆様との交流を通じて今後の伝統医学教育会の活動方針を明確にして事業活動を進んで行きたいと考えています。

 

活動案内:「医療気功の理論と実践」講習会案内

気功は中国古代の人々が疾病や老衰と抗う長い歴史の中で次第に認識し創造した一種の自己心身鍛錬の方法及び理論です。主に姿勢調整、呼吸鍛錬、意念集中などの様々な操作を行う事で、人体各部分の機能を調節し増強させ、生命の潜在能力を引き出します。これにより人体の内的な臓腑経絡・気血陰陽の平衡を保ち、健康の維持と増進、疾病の予防と治療、そして老衰対抗や長寿などの効果をもたらす事を医療気功または養生気功療法と呼びます。医療気功は中国伝統医学の重要な一部であり、薬草や針灸推拿などと違い、無苦無痛の特徴を持つ最も理想的な治療法と言っても過ぎません。しかし長い歴史の中で、医療気功は神秘的なベールを被り、実際には伝授され難い状態です。

本講習では、医療気功の基礎知識を分かりやすく説明し、基本的な気功鍛錬方法を導き、更に放鬆功、保健法、そして六字訣など具体的な気功法を行う予定です。これによって医療気功に対して正しい認識を築くと共に、毎回の練習で養生気功法を身に付けて今後の健康増進に活かして頂きたいと思います。

また、終了時には特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証書を授与します。

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全6回。月に1回 日曜日午後14:30~16:30。

毎回約30分理論解説、90分実践指導

① 05月24日 医療気功の概説、分類、作用原理;放鬆功実習

② 06月28日 気功鍛錬の基本操作(調身);放鬆功復習

③ 07月26日 気功鍛錬の基本操作(調息);保健功実習

④ 09月06日 気功鍛錬の基本操作(調心);保健功復習

⑤ 10月04日 気功鍛錬の要領、注意事項、反応;六字訣実習

⑥ 11月01日 六字訣実習;放鬆功復習、保健功復習、六字訣復習

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務所

定 員:8名(定員を超える場合は、当会会員を優先にします)

費 用:54,000円(講習資料代などを含む、分割払い可)。当会会員は6,000円割引。

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局FAX 03(5816)5235

締切り:2025年4月30日(木)まで

備 考:気功実践のため座布団またはヨガマットが必要になりますのでご持参下さい。