会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2018年度)

1、講習会

本年度の定例講習会は理論及び実技を行いました。理論講習「常見病証の辨証分析と選穴処方」は4月から12月にかけて実施し、実技講習「医療気功の理論と実践」は5月に開講して10月に終了しました。また実技講習のテーマに合わせて特別健康講座「太極拳の基礎動作による気功養生」も主催しました。

「常見病証の辨証分析と選穴処方」は理事長の新書「針灸臨床実用参考書 病証の辨析と処方」をテキストとして開講し、主に学校教育や臨床治療の現場で活躍している鍼灸師や療法師が参加しました。講習会では、中国伝統医学の理論基礎に基づき、臨床で最も常見される内科病証の基本概念を明確に説明し、病因病機と辨証分型を分析し、そして治療原則と治療方針を立て、更に具体的な治療方法、特に針灸推拿による選穴処方を解説しました。いつものように基礎知識の復習や、臨床経験の紹介など余談を交えたり、質問に解答したりする事で、沢山の専門知識を要略的に理解して貰えるようにしました。これにより専門従事者には疾病治療の導きとなり、また一般の方々にも日常の健康増進のため大きな役割を果たせると期待しています。

一方、「医療気功の理論と実践」の講習会は当会で三回目の開催となり、医療専門者のほか健康増進に関心を持つ一般の方々も参加されました。以前の経験を活かして今回は講習時間数を増やしたため、比較的に余裕を持って実技の練習を強化する事ができました。講習会では医療気功の基礎知識及び操作方法を分かり易く説明した上、初歩的な静気功「放鬆法」及び動気功「保健功」を実際に練習し、更に参加者の熱意に応えて静気功「六字訣」も追加して紹介しました。これで医療気功に対して正しい認識を築くと共に、毎回の練習で気功法を身に付けることで今後の健康増進に活用できると思います。

また、気功養生の話題に伴って当会会員及び医療気功講習の参加者を対象にし、 「動気功太極拳にある健康関連の動作」の特別講習を行いました。従来中国から世界まで広がっている強身防御の陳式太極拳の準備動作、及び養生保健の楊式太極拳の基本動作を一部抜粋して伝授しました。参加者は実際に練習する事で、身体が直ぐに気持ちよく伸びたと実感していました。今後も日常生活に取り入れて健康の維持と増進、疾病の予防と治療に役立てて頂きたく、このような健康講座を主催すると思います。

2、体験旅行

今年の中国伝統医療体験旅行は8月22日から26日まで実施されました。2007年主催した上海・北京の2都市活動に次いで、久しぶりに北京・西安の2都市で行いました。

今回も医療体験の主な目的として当会顧問の叢法滋先生の特別外来で、中医学的な診療処方を受けました。中薬処方に際して、患者さんの具体的な病状に従って薬の効き目を考慮し、また患者さんの希望も聞き入れ、錠剤の調合や煎じ薬のほか薬酒の処方など、それぞれ細かい工夫が多く見られました。また同じ特別外来にて整体推拿療法を体験していただきました。

伝統医療の背景である伝統文化の体験も重要な一環となっております。今回も少人数にして中国の歴史上最も重要な古都の西安と北京を周遊し、世界遺産を巡り、本場中国での名物料理や田舎料理をご堪能頂くと共に、めったに訪れる事の出来ない特別な場所も楽しんで頂けるように手配し、大変満足したと感想を頂戴しました。

3、ホームページの更新

8月末にレンタルサーバー会社とのトラブルにより、当会のホームページのデータ消失が発生しました。データ復帰の作業に当たり、十年近く運営してきたホームページを改めて見直し作成し、内容を充実したうえ、新しいデザインに更新しました。伝統医学の教育普及など事業活動に伴い、会員への支援や会員との連絡をもっと緊密にする役割を果たしていきたいと期待しております。

4、懇親会

12月02日(日)午前中の講習会が終了した後、当会事務所にて今年の年末懇親会を開催しました。理事4名を含め、当会会員が計12名出席しました。

例年のように、事務局で簡単な料理及びホットワインや紹興酒を用意しました。他に尾形会員と高根会員から美味しい手作り料理をはじめ、今泉会員、鈴木会員、金子会員、金原会員、梅田会員、紙谷会員、月野会員などから沢山の品物を有り難く頂戴しました。また恒例の通り「中医学飲食薬膳療法」として、伝統的な「臘八粥」を準備し実践的な部分も皆様に理解して頂けたと思います。

この機会を利用し、それぞれの分野で活躍されている皆様は食べ飲みながら、中医薬や気功や薬膳などの療法から医療理念まで、様々な話題について自分の経験や感想を懇談したり討論したりし、和やかな雰囲気の中で交流する事ができました。

健康知識:大根の滋養効能を高める五食法

大根は秋冬季節の宝食である。中国では「十月羅卜賽人参」との説があり、即ち旧暦十月頃に大根を食用すると、高麗人参を超えるほど恵まれる意味である。また民間の諺では「冬吃羅卜夏吃姜,不労医生開薬方」と言い、大根は秋冬の旬野菜のみならず、その食餌療法における効能をも説明している。実際大根は秋季に大衆向きの野菜として愛用されるほか、その薬用価値も重視されなければならない。また大根には相性の良い食物があり、栄養を補い合って滋養効果を倍増することができる。

一、大根の薬用価値

中医学的に大根の性味は、辛・甘・涼(煮た物は甘・平)で、肺と胃に帰経する。消食化痰、降気寛中、涼血生津、利尿通淋などの効能を持つ。主に消化不良、食積不化、脘腹脹満、呑酸、嘔吐、泄瀉、赤痢、便秘;肺熱咳嗽、痰多粘稠、咽喉不利、喀血、吐血、鼻血;熱病口渇、消渇口乾、小便不利、熱淋病、尿路結石などに適応する。

また現代医学では、下記のような効果が実証されている。

1、抗酸化、美肌膚:大根は豊富なビタミンAとCなど各種のビタミンを含有し、特にビタミンCの含量は他の根菜の4倍以上である。ビタミンCは皮膚の老化を防ぎ、黒色斑の形成を阻み、皮膚の餅肌(美白、白くて柔らかい肌)を保つ。またビタミンAとCは皆抗酸化作用を持ち、効果的に老化や動脈硬化を予防し、癌化を抑制する。

2、抗癌、癌予防:大根に含まれるリグニン(Lignin)は大食細胞の活性を高めて癌細胞に対する貪食能力を促進する。また大根にある様々な酵素は発癌物質であるニトロソアミン (Nitrosoamine、Nitrosamine)を分解して癌予防の作用を果たせる。

二、大根の効果的な飲食法

大根は下記の五種食物と併用することで相乗効果があり、滋養効能が高められる。

1、大根と梨

潤肺、清熱、化痰。

梨は潤肺涼心、消痰祛火の効能を持ち、大根と一緒に搾って汁を飲用することで、大根の辛味を隠すだけではなく、また食餌効果を高める。秋冬季節は脾胃虚弱の方は冷たい汁が相応しくないため、代わりに大根と梨を煮込んで飲用する。

2、大根と葱

祛風散寒、感冒予防治療。

秋冬季節は風寒感冒の多発時節であり、風寒を感受すると、悪寒悪風、無汗、鼻閉鼻涕、咳嗽喀痰などが多く見られる。この場合は温熱発汗の食物が相応しい。葱を短冊切りし、生姜と大根のスライスと一緒に煮込んだスープを飲用することで、散寒止咳の作用を果たし、感冒予防の効能もある。

3、大根と昆布

化痰消腫、癭瘤(甲状腺肥大)予防。

昆布にはヨードが豊富である。大根と昆布を一緒に煮込んだスープは化痰消腫の効能を持ち、甲状腺肥大の予防に一定の効果を果たす。

4、大根と羊肉

肝臓滋養、逆上せ防止。

秋冬季節の羊肉の食用は駆散寒邪、温暖心胃の効果を果たすほか、また補益気訣、滋養肝腎の効能を持ち、血液循環を改善させる。但し、「肉は痰を生じる」ため、羊肉を多く食用すると逆上せ易い。清涼性質の大根と一緒に煮込んで食用すると、化痰瀉火ができるほか、脂っぽさを解消できて栄養も補い合う。

5、大根と鮒

温中下気、健脾利湿、癌予防。

大根と鮒の煮込みスープは温中下気・健脾利湿の作用を持ち、白色の大根と乳白色の鮒スープとの二白は食欲を増進できる。

三、大根の食用注意

脾胃虚弱、溏便の者は多食や生食すべきではない。

大根は人参、党参、黄耆などの薬物の補気作用を下げるため、併用しない。

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