今年の天候は特に異常で、夏の暑熱と湿気が厳しく長引き、立冬になってようやく涼しくなり、急に深秋らしくなっている。少し雨が降ったとしても気候の特徴はやはり乾燥を主としている。「天神一合」と言われるように、人体も自然界の影響を受け、口舌が乾燥したり、眼精がゴロゴロしたり、皮膚もカサカサしたりすることが多く、いわゆる秋燥のことである。こんな時は菊花をお勧めする。
菊花は微寒・甘苦の性味で、肺・肝に帰経し、疏風清熱・平肝明目・解毒消腫の効能を持ち、主に外感風熱、または風温初起、または熱毒上攻、または肝陽上亢、発熱、頭痛、目眩、目赤腫痛、視物不清、心胸煩熱、疔瘡腫毒などに用いられる。
菊花は、その清熱降火の性能及び他の食材との組合せにより秋季の乾燥から我々を守ってくれる。
1、菊花の主要作用
① 平肝明目:強い風に伴う乾燥は最も目に影響を及ぼし易い。菊花は肝に帰経して平肝熄風・明目養眼の効果を果たし、日頃目の使い過ぎで眼精疲労、眼精乾燥、視力低下の方にとっては守護神だと言える。
② 清熱解毒:秋の乾燥により体内に熱を生じ易い。菊花は清熱解毒の効能を持ち、体内の「火気」を排出させて生体の陰陽平衡を取り戻す。
③ 抗菌消炎:菊花には様々な抗菌成分が含有され、生体の外的な細菌病毒(ウイルス)の侵襲を防御する助力となり、堅実な防御線を築いてくれる。
④ 美容養顔:菊花にはビタミンとミネラルが豊富であり、新陳代謝を促進して体内の毒素を排出させる。長期の服用で皮膚が潤い艶々し、若々しい弾力をもたらす。
2、菊花の配合応用
菊花は普段主に茶代わりに服用する。多くは他の薬効食材と組み合わせることで、清熱除燥・養肝明目の性能を高めるほか、風味があり美味しい。
① 菊花と枸杞 養肝明目:枸杞も養肝明目の効能を持つ良い薬効食材であり、菊花と最適な配合となり、一緒に茶代わりに服用すると、清肝明目の効果を高めるほか、滋補肝腎の作用を果たして特に疲れ目や夜更かしの方に相応しい。
② 菊花と金銀花 清熱解毒:金銀花が持つ清熱解毒の作用は周知されているが、菊花と合わせて茶代わりに服用すると、身体のために二重保険を掛けるように、咽喉腫痛や口内炎のほか、風熱感冒や皮膚掻痒など全て緩解させる。
③ 菊花と蜂蜜 潤肺美顔:蜂蜜は潤肺止咳・潤腸通便の効能を持ち、菊花と組み合わせると護膚美顔の作用を高め、同時に降火除燥の効果も果たせて一石二鳥の目的に達する。また菊花の微苦味を蜂蜜が調和して服用する時の口当たりが一層美味しくなる。
④ 菊花と紅棗 補気養血:紅棗は補気養血の第一選択であり、菊花と一緒に茶代わりに服用すると、補気養血のほか、菊花の寒性を調和することができ、寒涼体質や気血虚弱の方には温補の良い方法だと言える。
⑤ 菊花と緑茶 醒神清脳:緑茶はフェノール性化合物(Tea polyphenols)を豊富に含み、清脳醒神と抗酸化作用を持っている。両者を合わせて健康効果のほか、菊花と緑茶の風味を感じることができ、心身両面の寛解と愉悦を感じて疲労解消のためとなる。