立夏を過ぎて気温が少しずつ上がり、万物が栄えて茂っている。この時節から自然界の陽気が徐々に生長して陰気が徐々に減弱する。生体も自然に従って陰陽の盛衰消長が変化しており、心気が強くなって肝気が弱くなる。この頃から逆上せ易くなり、これによって体力も消耗されて疲れを多く感じるる。特に夜間の睡眠が不安定になって朝も早く醒め易い。全て体内の陽気が盛んになってきた現れである。また夏は暑熱から津液を消耗するに伴って気の漏洩も考えられ、常に疲労倦怠、眠く感じる。体力保養・疲労解消のためには睡眠が非常に重要である。
《黄帝内経》には「夏三月,此謂蕃秀,天地気交,万物華実,夜臥早起,無厭于日,使志無怒,使華英成秀,使気得泄,若所愛在外,此夏気之応,養長之道也。逆之則傷心,秋為痎瘧,奉収者少,冬至重病。」という養生原則が記されてあるが、夏季は陽気が盛んになって暑熱の擾乱で心神が安定し難いため、遅寝早起きをお勧めしている。当然、睡眠不足の状態にしてはならず、不足の睡眠は昼寝で補足できる。一日の中で、下記の二つの時刻は睡眠に最も重要であるため、効率的に応用して欲しい。