活動案内:「常用針灸腧穴の基礎と応用」講習会案内

腧穴とは、いわゆる「ツボ」のことで、体内の臓腑経絡の気血が体表の皮肉筋骨に輸送されて注入する部位です。腧穴は経絡に属して体内で臓腑に繋がっているため、体内の病証を体外に反映する診断点であり、また針灸推拿・気功導引など外治療法の治療点でもあり、臨床における疾病の診断治療に重要な存在となっています。実際、刺針の刺激のみならず、指圧や温灸など様々な物理的刺激を腧穴に相応しく与える ことで、生体の臓腑経絡機能を調節し、陰陽気血精神を調整することができ、健康  増進・疾病予防の効果も大きく期待されています。

本講習は、腧穴学の基礎知識を始め、臨床で最も常用される凡そ100経穴を取り挙げ、それぞれ名称の解釈から、その精確な定位と取法及び主要な性能と主治を伝授し、更に具体的な応用実技まで指導する予定です。腧穴の具体的な臨床応用の方法や経験を習得し、健康の維持と増進、疾病の予防と治療に役に立てると期待しています。

講習終了時、NPO法人伝統医学教育会の修了証書を交付します。

 

講 師:陳 志強  特定非営利活動法人伝統医学教育会理事長、医学博士

日 程:全8回 月1回 午前10時30分~13時00分(計20学時間)

① 04月21日 腧穴の基礎知識、定位・取法・性能・主治の概説;

② 05月19日 督脈腧穴、任脈腧穴;

③ 06月16日 手太陰肺経腧穴、手陽明大腸経腧穴;

④ 07月21日 足陽明胃経腧穴;

⑤ 09月08日 足太陰脾経腧穴、手少陰心経腧穴、手太陽小腸経腧穴;

⑥ 10月06日 足太陽膀胱経腧穴;

⑦ 11月10日 足少陰腎経腧穴、手厥陰心包経腧穴、手少陽三焦経腧穴;

⑧ 12月08日 足少陽胆経腧穴、足厥陰肝経腧穴。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務所

交 通:東京メトロ銀座線 末広町駅4番出口より徒歩4分

東京メトロ千代田線 湯島駅5番出口より徒歩5分

都営地下鉄大江戸線 上野御徒町A4番出口より徒歩8分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より 徒歩10分~15分

定 員6名以上で開講 10名まで

費 用:73,000円(当会会員は8,000円の割引額、分割払い可)。

教科書「経穴の定位と技法」別途4,950円(当会会員は割引後3,500円)

教科書「経穴の性能と主治」別途3,300円(当会会員は割引後2,200円)

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局

FAX 03(5816)5235

締切り:2024年4月6日(土)まで

健康知識:新型コロナウイルス感染後遺症について

1、概説

新型コロナウイルス性肺炎は、中医学において外感病証の「疫病」の範疇に属する。疫病は強烈な伝染性と流行性を持つ疾病の一種であり、通常の外感六淫(風寒湿燥火)とは異なり、「疫癘」(瘟疫、疫毒、癘気、疫気、毒気、異気、雑気、乖戻之気などとも言う)という病邪(致病素因)により起こされる。疫癘の形成は自然界の異常気候、環境の汚染、飲食の不潔、社会制度などと密接に関係している。新型コロナウイルス性肺炎の発生は、急速な蔓延・広範囲の流行・重篤な病状などの特徴から一般的な外感六淫ではなくて「疫癘」によるものである。病状の性質から見ると、主に寒湿の邪気と密接な関係を持って「寒湿疫」と定義している。

中医学における邪気は一つの抽象的な概念で、人体に疾病を致す全ての素因を指し、いわゆる致病素因のことである。致病素因は大まかに外感病因(風寒湿燥火の六淫、疫癘)、内傷病因(喜怒憂悲恐驚の五臓七情)、そして不内外病因(飲食、労逸、外傷、寄生虫、水湿痰飲、瘀血など)の三大類に分けられるが、新型コロナウイルス性肺炎には外感病因の疫癘が致病素因となっている。邪気は主に発病する時に病状の特徴に従って病邪の性質をまとめてきたのであり、現代医学における細菌やウイルスなど具体的なものと全く一致しない。

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健康知識:便秘解消の五経穴

便秘は日常生活で多く見られ、年齢増加や運動不足などにより胃腸の機能が減退して現れ易い。特に秋季の乾燥に伴って便秘に悩まされている方が増えている。大便が乾燥して腸管に閉塞することで、腹脹腹痛や食思不振、更に煩躁不安などの病症が起こされることもある。

中医学的には、便秘の病位は大腸にあるが、脾胃・肺・肝・腎など臓腑の機能失調に関係している。

便秘の問題の解決には生活方式の調整するほか、人体における経穴の按揉法を行うことも効果的である。下記の五経穴は腑気通調・潤腸通便の効果を発揮して便秘の解消にお勧めできる。

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健康知識:秋季補肺のための百合の応用

酷暑が長引き、立秋から暫く経ちましたが、蒸し暑くて中々爽やかにならず、秋分になってようやく朝晩秋の気配が感じられるようになった。

秋季は「陰長陽消」の時期であり、万物が「引き締まる」特徴を現している。自然界の六気では燥が主気となり、燥は陰を傷め易い。また五行学説では、人体の肺臓は秋季と同じく金に属しているため、秋気に通じて合っている。肺は「嬌臓」と呼ばれるようにデリケートの臓で、湿を好んで燥を嫌悪する生理特徴を持ち、寒熱燥などの邪気に耐え難く、特に燥邪に傷められ易い。そのため、秋季では潤肺が最も重要な養生原則である。飲食薬膳による健康養生では、梨、冬瓜、百合、白木耳、蓮実、銀杏、杏仁、蜂蜜、鳩肉などの食材は直接肺臓に滋潤・補益の作用を持っている。中でも、百合が特にお勧めの一種である。

ここでは百合の食用方法を幾つか紹介して秋季の肺臓補益に役立てて欲しい。

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活動案内:「経穴の定位と技法」 教本出版のご案内

針灸臨床実用参考書シリーズの「経穴の性能と主治」と「病証の辨析と処方」に続き、伝統医学教育会理事長陳志強の新書「経穴の定位と技法」を当会にて出版する運びとなりましたので、皆様にお知らせ致します。

針灸治療では腧穴の定位と取法が最も重要な基礎となっています。腧穴の定位を 精確に把握し、臨床で正しく取穴することにより、刺針施灸の刺激で相応しい針響を促して治療効果を果たせます。また処方配穴の協同作用を考え、速やかに取穴して 処方組成の腧穴を同時に刺激して相乗効果を活かすことにより、治療効果が最大限に発揮できるし、更に病人の緊張する待機時間も短縮できるのです。そのため、精確かつ迅速に腧穴の定位を取ることは大きな意義があります。

本書では、腧穴の基礎知識を概説し、定位方法と取穴方法を説明し、更に針灸の  操作技法を総説したうえ、針灸臨床において常用される212経穴を選び、それぞれの定位、様々な取法、そして針灸方法を詳細に説明しています。更にできるだけ精確に取穴要点を表現して理解しやすいように、2年3ヶ月の時間をかけて自ら拘った図譜の考案と作成に工夫しました。一般の針灸師や針灸学生、按摩マッサージ指圧師などによる医療・健康関連職従事者の臨床治療並びに伝統医学に関心を持っている方々の健康増進のための参考書にして頂きたく、本書を完成しました。

「針灸臨床実用参考書 経穴の定位と技法」

NPO法人伝統医学教育会理事長・医学博士 陳 志強 著

B5判 / 320頁 / 2色刷  定価 4,500円(税別、送料無料)

ご希望の方は、TEL 03-5816-5234またはFAX 03-5816-5235で事務局へお申込み下さい。また多くの方々に広げていくため、まとめて購入する場合は割引き致します。

振込先:ゆうちょ銀行00150-5-426953、特定非営利活動法人伝統医学教育会。

代金が確認でき次第、発送致します。

健康知識:三伏天における冬病夏治の食療処方

三伏天(さんぷくてん)は二十四節季の小暑と処暑の間にあり、一年中最も気温や湿度が高くて蒸し暑い時期である。今年も7月11日から三伏天に入り、ここ数年続いて、初伏10日、中伏20日、末伏10日で、計40日間である。中医学には「春夏養陽」の養生原則があるが、三伏天では特に陽気の保養に注意しなければならない。そのため、普段は温かい飲み物や熱性の生姜棗汁などを飲んだりし、冷たい飲み物や冷える食べ物を控える。また冷房環境に籠ってはいけない。

三伏天の時期、人体の陽気は自然界に従って最も旺盛になっているため、体内に凝集して冬季に疾病発作を起こす陰寒邪気は比較的解けやすい状態になっている。冬季持病の方や身体虚弱の方は、この時機を上手く利用して身体の奥に蓄積している頑固な寒邪宿疾を一気に追い払い、いわゆる「冬病夏治」のことである。また冬病治療と同時に、体内の虚弱陽気を調節し補充し、生体の免疫力を高めて一年中疾病の抵抗力を強める事が出来る。

冬病夏治の方法は沢山あるが、飲食薬膳の内治法も便宜的で効果的である。簡単な飲食薬膳だけで明らかに冬病の再発を減少させ、病状進行を緩和させることかでき、また身体虚弱の補養効果も大きい。ここでは、冬病夏治のための飲食薬膳処方を紹介する。

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健康知識:健脾利水・清熱除湿の良薬 はと麦

梅雨季節に入り蒸し暑い日々が続き、頭が重くて体がだるい、汗がベタベタしてすっきりしない、食欲が出ないなどの症状は湿邪が体内に溜まっている特徴である。そのため、この時期の健康維持で最も重要な原則は清熱除湿である。

中医学的に五臓の中の脾は、気血を化生し運輸するほか、水湿を運化する生理機能がある。脾が健常であれば、気血が充足するし、体内に停滞している湿邪も変化し排除されていく。逆に湿邪が盛んになると、脾の機能も影響されて低下してしまう。

健脾除湿と言うと、真っ先にはと麦が思い出される。はと麦は薬食両用の材料の一種として知られ、その清熱利湿の薬効効果が最も重視されている。栄養価が高く、適応範囲が広く、安価などのこともあり、日常飲食生活における健康増進に非常に適している。

但し普段の食生活では、はと麦の調理に慣れていない方が多いようで、ここで、はと麦の応用方法を紹介するので炎熱と湿気の強い梅雨季節に活用して欲しい。

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健康知識:夏季における生姜の応用

中国では「冬に大根、夏に生姜を食べれば、医者の薬方をいらず」との言い方がある。夏季に向けて生姜を活用することで、健康維持に役立つ。

生姜は辛・温の性味で、脾・胃・肺経に帰経し、散寒解表・温肺化痰止咳・温中降逆止嘔・解毒の効能を持ち、主に風寒感冒による悪寒発熱、頭痛鼻閉、肺寒による咳嗽多痰、痰飲喘咳、胸脇脹満;脾胃虚寒による脘腹冷痛、泄瀉、胃寒または胃気不和による悪心嘔吐、食少;婦人月経不順、崩漏、産後血暈、瘀血腹痛、吐血、鼻衄、喀血、便血;魚蟹や半夏の中毒などに用いられる。また、姜には生姜と乾姜の違いがあるが、生姜は温性で発汗解表の作用が強く、乾姜は熱性で温中散寒の作用が強い。

ここで夏季における生姜の応用を紹介する。

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活動案内:「常見病証の針灸治療実技(Ⅲ期)」講習会

針灸医学は理論に基づいた実践的な学科です。臨床では、中医学の辨証論治を元にして正確な診断を下すことができて、初めて正しい治療方針が立てられます。そこから、腧穴の性能に従って相応しい処方を組み合わせ、更に正しい技術を用いた効果的な治療を実施できます。日本の現状は、中医学の病証に対して基本概念がはっきり認識されておらず、また総合的な辨別分析の考え方も欠けているため、辨証論治の臨床応用は広く普及されていません。更に学校教育では実践に接した臨床実習が不足しているため、臨床現場に入ると、患者さんに対応し難く感じる方が多いようです。

伝統医学教育会では、これを踏まえ鍼灸師・鍼灸在学生を対象として針灸臨床にて多く見られる病証を取り挙げて、これまでに治療実技の二回講習を行いました。今回も少数人数で、実用性に重点を置き、日本の針灸現場で余り見られず針灸治療で特効が得られる病証を取り挙げ、その基本概念、病因病機、辨証技能、治療方針などを解説したうえ、具体的な刺針実技を指導しながら練習を実行し、更に個人的な心得と経験を伝授する予定です。これにより辨証論治の思想を導き、臨床実践の技術能力が高まる事と同時に針灸治療の特殊技法を身に付けられる事を期待しています。

講習終了時、NPO法人伝統医学教育会の修了証書を交付します。

 

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全8回 月1回 日曜日10時30分~13時00分(計20学時間)

毎回約30分理論解説、120分実習指導

① 04月23日 喘息(灸法操作を含む);

② 05月28日 帯状疱疹;

③ 06月25日 円形脱毛(梅花針操作を含む);

④ 07月30日 美容針灸の観点(美顔、痩身);

⑤ 09月03日 眩暈;

⑥ 10月01日 顔面神経麻痺;

⑦ 11月05日 坐骨神経痛;

⑧ 12月03日 COVID-19感染後遺症対策(倦怠疲労、咳嗽咽痛、味覚障害)。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401 NPO法人伝統医学教育会臨床センター

交 通:東京メトロ銀座線末広町駅より徒歩4分、千代田線湯島駅より徒歩4分

都営地下鉄大江戸線上野御徒町より徒歩8分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より徒歩10分~12分

定 員4名以上で開講 6名まで

費 用:73,000円(実習用具の費用込み、分割払い可) 当会会員は8,000円割引

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局 FAX 03(5816)5235

締切り:2023年4月10日(月)まで

健康知識:葱姜蒜による春季の疫病予防

春が近付くと自然界は陽気昇発という特徴になり、万物生成の光景が現れている。同時に春は風を主り、風を特徴とする病証が流行り易い。そこで、今の季節には新型コロナウイルス感染症に加え、様々な感染症が多発している。感染症の予防には感染源遮断と免疫力増強が重要な方針である。マスク着装・対人距離保持・随時の手洗いなどは感染源遮断のため効果的な方法であるが、人体生命力の一面である免疫力は医療気功、針灸推拿、薬剤薬膳など東洋的な医療方法により強化できる。

古来、伝統医学では薬食同源を提唱して食物の特性を以て疾病の予防と治療に用いている。これによって陰陽のバランスを取り戻して生体の免疫力を高める。「厨房三宝」と呼ばれる長葱・生姜・大蒜は薬食両用の重要な食材である。辛熱発散の薬性を持っているため、春の特徴と共通し、人体の陽気を助長して風寒湿の邪気を取り除き、疫病の予防効果を果たす。《傷寒論》、《千金方》、《本草綱目》など薬物経典に収録してある疫病の予防治療の食療処方に長葱・生姜・大蒜を含むものが数多くあり、また熱く炒って臍や合谷などの経穴に付けて熱罨法を行う外治療法をも記載している。

ここでは長葱・生姜・大蒜の薬性効果と応用方法について紹介する。疫病蔓延の時期に当たって多めに食用することにより、予防治療の作用を果たして欲しい。

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