寝る前にパソコンやスマホンなどから手を離さない方は少なくないが、実際就寝前の30分間は健康養生に最も重要な黄金時間である。毎日この時間を大切に利用し、腎気を補充して毒素を排出する下記の二つの小さな動作を行うことで、健康増進・養生長寿のため大いに役立つ。
生体の最大の排毒通路と言えば膀胱経である。膀胱経が通暢であれば、外邪も侵入せず、内毒も排出され、当然身体は百病から離れていく。但し、この膀胱経はただの通路で、それ自身は運行する動力を持たず、主に腎気の支持に頼って初めて邪気防御・毒素排出の役割を果たすのである。そこで、膀胱経を疏通させるために、補腎が前提として必要である。
下記の二動作は補腎と排毒のためである。
① 腎気保養
就寝前に仰向けにし、両手の外労宮(手背)をそれぞれ腰部の両側に密接させ、5~10分間後、熱感が徐々に全身まで伝わっていく。これにより、運行気化で腎臓にある虚寒の気を汗に変えて体外へ追い出すことができる。始めは両手が腰に押さえられて痺れや張った不快感が現れることもあるが、3~5日続けて慣れていたら解消され、両脚も軽く感じる。また飲酒過度の方は按えると額部に汗が出たり、更に腰にも汗が出るが、いずれも腎気が少しずつ充足する良好現象である。
② 膀胱経排毒
上記の動作を完成させて腎気が補充された後、膀胱経絡を通させて毒を排出する動作に入る。仰臥位から上半身を起こして座り、両脚を合わせて真っ直ぐに伸ばし、足先を手前に最大限に戻し、両手でできるだけ足趾を掴み、上半身を少しずつ下へ落ちて背中を伸ばす。これは膀胱経を助けて排毒する方法であり、できれば15~30分間続け、太股の後部筋肉が引っ張られる感じがあると良い。
二つの動作は簡単で効果的で、補腎であり排毒により健康増進効果が得られる。