健康知識:冬病夏治の食事療法

三伏天に入りました。今年も過去4年に続き40日間に渡っています。初伏は7月12日から21日の10日間、中伏は7月22日から8月10日の20日間、末伏は8月11日から20日の10日間となります。中医学の「冬病夏治」という特色的な治療法を施す時期になりました。

冬季の寒冷期間になると、身体の持病が急に再発したり、増悪したりしますが、夏季の暑熱期間になると、これらの病症が徐々に軽減したり、緩和したりします。中には、繰り返して発作する感冒、慢性咳嗽、喘息、慢性咽頭炎やアレルギー性鼻炎、凍瘡、肩凝り、リウマチ性筋骨関節の冷えと痛みなどが挙げられます。

三伏天の期間は人体の陽気が最も旺盛であり、体内に凝集している寒気が解け易い状態になっています。この時期に補虚助陽・温裏散寒の性質の食物薬物を用いることで、自然界の陽気を兼ねて体内の伏している陰寒の邪気を追い払って体内に蓄積している寒邪宿病を取り除くに伴い、虚寒体質の方が虚弱する陽気を補益し調節し、生体の免疫機能を高めて一年間の疾病抵抗能力を増強することができます。

相応しい飲食薬膳を用いた調節補養は半分の労で倍の効果が上げられ、病状の進行を抑えて再発を止めます。先ず特に何かの病症を持っていない方には、乾姜紅茶という飲料をお勧めします。乾燥した生姜の煮込み汁に紅茶を入れて飲用することで、陽気を疏通させて冬季の風寒感冒を予防することができます。

ここでは冬病夏治の飲食処方を紹介しますので、それぞれ身体の状態に応じて利用して下さい。

① 慢性気管支炎――緑茶ゆで卵

緑茶15g、卵2個、お水を500mlほど加えて卵白が固まるまで茹で、殻を剥いてから更に水分が乾くまで茹でて卵を食用する。

肺陰虚型の慢性気管支炎、気管支拡張、気管支喘息に適応する。

② 慢性咳嗽・喘息――鶏卵の生姜炒め

生姜を千切りにし、お鍋のサラダ油が熱くなったら生姜を入れて炒め、その後は溶いた卵を1~2個加えて一緒に炒める。毎朝一回食用する。

脾肺虚寒型の慢性咳嗽・喘息、慢性泄瀉に適応する。

③ 空咳無痰――梨川貝母の羹

梨1個、皮を剥いてスライスに切り、薬局から川貝母12gを購入して粉末に潰し、氷砂糖を加えて一緒に煮込んで飲用する。

肺熱型の老年性気管支炎の空咳、痰が少ない者に適応する。

④ 慢性泄瀉――豚胃袋の二姜スープ

豚の胃袋1式、お酢で生臭みを洗い落とし、千切りにする。薬局から購入した乾姜10g、良姜10g、草果3g、そして葱の千切り、生姜のスライスなどを一緒に土鍋に入れて豚の胃袋が柔らかくなるまで煮込む。3~5gの食塩を入れて空腹時に食用する。

脾胃虚弱型の脘腹冷痛、飲食不化、慢性泄瀉、身体羸痩、倦怠無力などに適応する。

⑤ 月経痛、不妊症――羊背骨の甘栗スープ

甘栗12個、羊の背骨1本(金槌で潰す)、肉従蓉12g、草果3g。全てを瓦罐(または土鍋)に入れて適量の葱と生姜を加えて2時間ほど煮込む。適量の食塩を入れて空腹時に食用する。

腎陽虚衰型の婦人科慢性病症、腰腿痠軟、腰膝冷痛、筋骨無力などに適応する。

⑥ 脘腹冷痛――胡椒鮒

新鮮な鮒1匹(約250g)、腮・鱗・内臓を取り除く。生姜を20gスライスに切り、砂仁、胡椒粉と一緒に魚のお腹に入れ、お水を加えて中火で煮込む。柔らかくなったら食塩で調味して料理として食用する。

脾胃虚弱型と胃寒型の胃痛に適応する。

⑦ アレルギー性鼻炎――白胡椒雄鶏のスープ

雄の鶏を1羽綺麗に洗浄して塊に切り、白胡椒9g、草果3g、良姜3g、葱、生姜などと一緒に煮込み、適量の食塩で調味して空腹時に食用する。

寒がり、羸痩少気、寒さで咳する、繰り返す感冒、アレルギー性鼻炎、冬に増悪する喘息などに適応する。

⑧ 反復感冒――黄耆烏骨鶏のスープ

黄耆30g、烏骨鶏半身、鶏肉が柔らかくなるまで煮込み、調味料を加えて3回に分けて肉を食べてスープを飲む。続けて1ヶ月食用する。

益気養肺、滋腎養血、固表防寒の効能を持ち、感冒の予防に適応する。。

⑨ 寒痛嘔吐――大豆山椒のスープ

大豆30g、花山椒5g、お水500ml、一緒に強火で煮込み、沸騰したら弱火に変えて大豆が柔らかくなるまで煮込み、調味して大豆を食べてスープを飲む。

健脾寛中、和胃止嘔、散寒止痛の効能を持ち、脾胃虚弱型の脘腹冷痛、嘔吐などに適応する。

上記のほか、一部の食物を用いて凍瘡の外用薬として塗ることで、冬病夏治の効果が得られます。

熟成した紫皮の大蒜の一つを選んで、皮を剥いて泥状に潰し、日射しの下で温かく干す。冬場、凍瘡になり易い部位に1日3~5回薄く塗り付け、連続して5~7日間行う。

新鮮な胡麻の葉を凍瘡皮膚の上で20分間擦り、汁液を皮膚表面に残し、1時間後に綺麗に洗う。1日数回、連続して1週間行う。

紅花10g、桂枝15gの煮汁を布に浸し凍瘡部位に貼り付ける。1日1回、連続して5日行う(妊婦には使用しない)。

健康知識:三伏天における冬病夏治

中医学では「冬病夏治」という特色的な治療方法があります。冬季に発生し易いか増悪し易い疾病に対し、自然界の陽気が最も旺盛な夏季において目的性のある鍼灸や薬物などの治療を施すことにより、生体の抵抗能力を高め、病症の軽減または治癒の効果を果たします。これを冬病夏治と言います。

夏季でも三伏天の期間は自然界と人体の陽気が最も旺盛であり、この時期に補虚助陽・温裏散寒の性質の食物薬物或いは経穴治法などを用いることで、自然界の陽気を兼ねて体内の伏している陰寒の邪気を追い払い易いです。また虚寒体質の方に虚弱する陽気を補益し調節し、生体の免疫機能を高めて一年間の疾病抵抗能力を増強することができます。

具体的な方法として、先ずは飲食起居から注意して生体の陽気を大事に保養しなければならなりません。温灸法は比較的多く応用されている冬病夏治の方法です。

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健康知識:三伏天における冬病夏治

中医学では「冬病夏治」という特色的な治療方法があります。医学古典《黄帝内経》の《素問・四気調神論》にある「春夏養陽」及び《素問・六節臓象論》にある「長夏勝冬」の克制関係から生まれた養生治療の考え方です。冬季に発生し易いか増悪し易い疾病に対し、自然界の陽気が最も旺盛な夏季において目的性のある鍼灸や薬物などの治療を施すことにより、生体の抵抗能力を高め、病症の軽減または治癒の効果を果たします。これを冬病夏治と言います。

冬は陰、夏は陽に属します。冬季になると、外界気候は陰盛陽衰の状態になり、本来の生体の陽気が不足するため正気が邪気を体外へ祛除できなくなっています、或いは重なって陰寒の邪気を感受し易いため、長患いの咳嗽、喘息、泄瀉、関節冷痛、体虚で寒がりなどのような慢性病症は繰り返して発作するか悪化してしまいます。夏季になると、自然界と生体の陽気が盛んになり、これらの疾病は症状が一時的に軽減しますが、根治にならず冬季になるとまた再発します。実は陽熱が最も旺盛な夏季において、積極的に温補陽気・散寒祛邪などの治療手段を行うことにより、生体の抵抗能力を高めると同時に陰寒の病邪を取り除き、冬季病症の予防と治療の目的に達することができます。

夏季でも三伏天の期間は自然界と人体の陽気が最も旺盛であり、体内に凝集している寒気が解け易い状態になり、身体も陽熱に当たって毛穴や経穴などが開いて開泄状態になっています。この時期に補虚助陽・温裏散寒の性質の食物薬物或いは経穴治法などを用いることで、自然界の陽気を兼ねて体内の伏している陰寒の邪気を追い払い易いです。また自然界の勢いに従って体内に蓄積している寒邪宿病を取り除くに伴い、虚寒体質の方に虚弱する陽気を補益し調節することもでき、生体の免疫機能を高めて一年間の疾病抵抗能力を増強することができます。

三伏天における冬病夏治に相応しい慢性病症として、下記の六種類が挙げられます。

① 呼吸系疾患:上呼吸道感染症、咳嗽、喘息、気管支炎、肺気腫、肺結核、アレルギー性鼻炎、咽喉炎など、特に冬に再発し易い慢性咳嗽、慢性気喘、反復感冒など肺腎虚弱性の病症;

② 消化系疾患:消化不良、胃炎、消化性潰瘍、結腸炎など、特に慢性泄瀉、消化機能低下など脾胃虚寒性の病症;

③ 骨関節疾患:頚椎症、腰椎症、五十肩、関節リウマチ、リウマチ様関節炎、強直性脊柱炎など、特に慢性的な頸・肩・腰・腿の関節冷痛、肢体麻木などの風寒湿性病症(痹証);

④ 婦人科疾患:月経痛、子宮内膜症、不妊症など、特に慢性的な小腹冷痛、不正出血など脾腎陽虚性の病症;

⑤ 小児科疾患:小児喘息、百日咳、小児消化不良、栄養障害などの発育不良性の病症;

⑥ 生体機能低下:易疲労、易感冒、食思不振、不眠、身体羸痩、冷え症、慢性背腰冷痛など様々な身体虚弱性の病症。

今年の三伏天も過去4年に続き40日間に渡っていきます。初伏は7月12日から21日の10日間、中伏は7月22日から8月10日の20日間、末伏は8月11日から20日の10日間となります。この時期を上手く利用することで、一年を通じて健康な状態を築いて頂きたいです。

具体的な方法として、先ずは飲食起居から注意して生体の陽気を大事に保養しなければならなりません。飲食面では、夏は脾胃を大事に保って寒気を排除するため、最も肝心なのは寒冷飲食を避けることです。通常は炎熱暑熱の対策としてあっさりした苦涼性質の飲食が気持よく思われますが、虚寒体質の方には温熱性質の食物薬物をお薦めです。例えば羊肉生姜スープのような益気温陽の作用を持つ食事により、体内の陽気を温補すると共に、発汗して体内の寒気を排出することができます。また起居面では、同じく体表の護衛する陽気を保って寒冷環境を避けなければならなりません。温暖化に伴ってどんどん暑熱が厳酷になる日々は冷房に頼る方が多いようですが、陽気虚弱の方には自然通気の温かい環境が重要です。更に陽気を補う様々な手段も工夫できます。例えば、朝方日出の頃、背中を日光に浴びることで、陽気を補い、慢性咳嗽、感冒に罹り易い、寒がりなどの症状を改善させられる。夕方日暮の頃、日に当たって熱くなって石や木のベンチに座ることだけで、慢性泄瀉、多尿頻尿、前立腺炎や膣炎などの前後陰疾病に比較的良い効果が得られます。

温灸法は比較的多く応用されている冬病夏治の方法です。鍼灸治療院の治療を受けるか、専門的な指導を受けて自分で上手に取り入れることで、持病根治・健康増進の大きな収穫が得られます。

健康知識:経穴による心臓の養護及び救急

心臓病は発病が急激で、死亡率が高いことから、従来死亡率の一位か二位として重視されている。近代社会では生活リズムの加速やストレス過剰などに伴い、心身疲労により心臓に負担をかけて心臓の機能障害に繋がっている。

中医針灸学の経穴刺激を用いて自ら日頃の心臓機能を養護ができ、更に心臓疾病が発作する緊急な場合、応急処置として心機能の調節により救急救命の役割を果たす。

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健康知識:経穴による心臓の養護及び救急

心臓病は発病が急激で、死亡率が高いことから、従来死亡率の一位か二位として重視されている。近代社会では生活リズムの加速やストレス過剰などに伴い、心身疲労により心臓に負担をかけて心臓の機能障害に繋がっている。

中医針灸学の経穴刺激を用いて自ら日頃の心臓機能を養護ができ、更に心臓疾病が発作する緊急な場合、応急処置として心機能の調節により救急救命の役割を果たす。

1、経穴

① 内関:手厥陰心包経の絡穴であり、また八脈交会穴で陰維脈に通じる。

[効能]寛胸理気、寧心安神、活血止痛。主に胃・心・胸の疾病に用いられ、特に心拍調節に長じる。

[取穴]手掌面で手関節横紋から肘にかけて2寸(示指・中指・環指の遠位関節部の3本幅)、2本筋腱の間に取る。

[施術]四指を経穴の手背面に当てて支え、拇指指腹を用いて経穴を深く揉む。

② 神門:手少陰心経の原穴である。

[効能]益気養心、鎮静安神、活血止痛。心の原気に繋がって心気を補い、また心神不安にも効果的である。

[取穴]手掌面の手関節横紋の小指側端、豆状骨の拇指側の陥凹部に取る。

[施術]四指を経穴の手背面に当てて支え、拇指指先を用いて経穴を強く押える。

③ 極泉:手少陰心経が体表に出て初めての経穴である。

[効能]寧心安神、寛胸理気、活血止痛。主に心臓機能の調節に用いられ、また心神疾病の鬱症状にも効果的である。

[取穴]両側腋窩の頂点で、腋動脈拍動部に取る。

[施術]拇指を肩前面に当てて支え、次指または中指の指先を用いて経穴に当て、筋のような物に触れ、後方から前方へ弾く、ピリピリする通電感が手指まで放散させるように行う。

2、応用

① 心臓養護:平素心臓が弱い、或いは過去に心臓病歴を持つ場合は、日頃上記の諸経穴に刺激を行うことで、心臓の機能を改善させることができる。

② 心臓救急

心部の不快感や疼痛、胸部の苦悶・圧迫感、息苦しい、動悸、大汗などの症状が現れる場合は直ちに内関、極泉の経穴に刺激を行うことで、急遽心臓の機能を調節して救急の時間を稼ぐことができる。

ほかに、手掌の拇指球部は心臓の反射区域に当たる。普段両手を合わせて按えたり揉んだりすることで、強心作用を果たす。緊急の場合は強く揉む、或いは青紫の瘀血脈絡を破ることにより、救心効果を起こす。

活動案内:「耳穴診療法の実技と応用」講習会

耳穴診療法は、安全で簡便な手技であり、その適応症の広さや確実で即効性があるなどの特徴を持つことから世界的に注目されています。また学術面で耳穴は、腧穴の一部として中国の教科書にも取り上げられています。しかし残念ながら日本では、健康ダイエット法として有名ですが、それ以上の優れた治療効果に関しては殆ど認識されておらず、学校教育でも全く触られていません。

伝統医学教育会では、耳穴診療法を確実に習得できるようプログラムを組んでおり、以前何度も行われた講習会では多くの受講者の方々より現場で実践できたとの好評を得、耳穴診療法の普及に対して一石を投じたと自負しています。今回も、実用性・厳密性・簡便性の特徴を柱とし、耳穴の基礎定位から実際に臨床応用ができるまで、計6回に渡り実技を中心として詳細に指導する予定にしています。耳穴診療法をマスターして様々な臨床実践に活かしたい方にはより最適な機会であると思います。

講習終了時には特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証を授与いたします。

主 催:特定非営利活動法人伝統医学教育会

講 師:陳 志強 医学博士

日 時:全6回 月1回 日曜日 午後 1時30分~4時30分(計18学時間)

    6月30日 7月28日 8月25日 9月29日 10月27日 11月24日

内 容:① 耳穴診療法の概説、耳介の解剖、耳垂部8穴の定位と実技;

    ② 耳輪部11穴の定位と実技、耳舟部6穴の定位と実技;

    ③ 対輪部14穴の定位と実技、三角窩部5穴の定位と実技;

    ④ 耳珠部9穴の定位と実技、対珠部8穴の定位と実技;

    ⑤ 耳甲介部21穴の定位と実技;

    ⑥ 耳背部6穴と耳根部3穴の定位と実技、耳穴診察法と耳穴治療法。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務所

定 員6名以上で開講 10名まで

費 用:講習費 60,000円(耳穴模型・用具代込み)。当会会員は5,000円割引。

    テキスト代 3,000円(税不要)

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

    郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込みNPO法人伝統医学教育会事務局    FAX 03(5816)5235

締切り:2019年5月30日(木)まで

活動案内:「中医診断学における診察技法」講習会

中医診断学は中医学の理論と臨床を結び付ける重要な学科であり、診法と病証辨別からなる。診法は疾病が各方面に現れた症状と徴候を診察する基本方法である。診察の手段により、疾病の病因病機が把握でき、それに従って辨証論治に根拠を与える。中医診断学は望・聞・問・切(四診)という独特な診察方法を持ち、それぞれ違う角度から病状を評価して臨床資料を収集することで、そこに独自の方法と意義がある。臨床では生体の状況も病状の反応も多種多様であり、それらを精確に識別するため、診察方法は何よりも臨床経験が大切な技能とされている。詳細で実用的な教本も少ないし、独学だけでは習得し難いのが現実である。

今回の講習では、中医診断学の原理と原則を解説した上、望診を主として聞診・問診・切診の内容と意義を講義し、専用のテキストや実際の映像、講師の詳しい経験も交えることにより、正確に診察技法と分析方法を実践に応用できるまで指導する。

また、講習終了時には特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証書を授与する。

主 催:特定非営利活動法人伝統医学教育会

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全8回 月1回 日曜日午前10時30分~13時00分(計20学時間)

    ① 04月21日 中医学診断学の総説、診法の概説、全身望診;

    ② 05月26日 全身望診(望神、望色、望形体、望姿態);

    ③ 06月23日 全身望診総括、局部望診(望頭部顔面部);

    ④ 07月21日 局部望診(望五官、望体躯、望四肢、望二陰、望皮膚);

    ⑤ 09月08日 局部望診総括、望排出物、望絡脈;

    ⑥ 10月06日 舌診(望舌体、望舌苔、舌診の臨床応用);

    ⑦ 11月10日 聞診(聴音声、嗅気味)、問診;

    ⑧ 12月08日 切診(脈診、按診)。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務所

交 通:営団地下鉄銀座線 末広町駅4番出口より徒歩4分

    営団地下鉄千代田線 湯島駅5番出口より徒歩5分

    都営地下鉄大江戸線 上野御徒町A4番出口より徒歩8分

    JR御茶ノ水駅・秋葉原駅・御徒町駅より 徒歩10分~12分

定 員5名以上で開講 9名まで

費 用:73,000円(テキスト代などを含む)。当会会員は8,000円割引。

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

    郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局  FAX 03(5816)5235

締切り:2019年3月31日まで。

健康知識:摩腹揉腹、養生防病

腹部の摩揉法による養生は既に数千年の歴史を持っている。唐代医聖の孫思邈は「食後行百歩,常以手摩腹」(食後に百歩を歩き、常に手を以て腹部を摩する)を自分の養生益寿の道としていた。従来、医療気功の鍛錬においても基本操作の一つとして重視されている。

摩腹揉腹の方法は簡単に聞こえるが、効果が非常に大きい。少しずつ行うことで、先ず消化を促進して腸道を通調させるほか、また精神状態を整えて睡眠を改善する。更に長期に持続することで、健康の維持や増進、疾病の予防と治療に大いに役立つ。

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健康知識:摩腹揉腹、養生防病

腹部の摩揉法による養生は既に数千年の歴史を持っている。唐代医聖の孫思邈は「食後行百歩,常以手摩腹」(食後に百歩を歩き、常に手を以て腹部を摩する)を自分の養生益寿の道としていた。従来、医療気功の鍛錬においても基本操作の一つとして重視されている。

摩腹揉腹の方法は簡単に聞こえるが、効果が非常に大きい。少しずつ行うことで、先ず消化を促進して腸道を通調させるほか、また精神状態を整えて睡眠を改善する。更に長期に持続することで、健康の維持や増進、疾病の予防と治療に大いに役立つ。

中医学では、大腹は脾に属し、脾胃は気血生化の源である。腹部は中焦(気機の枢)に当たり、生命の後天根本である脾胃の所在である。同時に内外からの影響を受け易いため「百病の根」にもなる。清代医家の陳飛霞が腹部と長寿との関係について「腹者,水穀之海,水穀盈也,主寿。」(腹者、水穀の海なり、水穀が充満して寿を主る)と論じてある。また臍(任脈の神闕穴)を人間の先天的な供養通路とし、生体を補養する任脈・衝脈・帯脈などが近くに順行している。腹部の摩揉法により、上下を通和させ、陰陽を調和させ、祛旧生新、外感の諸邪を駆除し、内生の雑病を清除することなど、様々な効果が期待される。

1、百病解消:臨床実践によると、腹部において摩法揉法を行うことにより、肺気腫、心疾患、高血圧、糖尿病、腎炎など様々な慢性疾患に良好的な補助治効を果たす。また摩腹揉腹により、胃腸の蠕動が促進されて便秘の解消に役立つ。

現代医学では、臍下部の腹腔及び骨盤腔に主な神経節が分布しており自律神経機能に最も密接に関係している。腹部の摩法揉法により、胃腸の蠕動を促進して消化液の分泌を調整し、飲食物の消化吸収が充分になり、生体は充足な栄養を得られて健康・強壮・長寿に繋がる。また腹筋への刺激により腹部の血液循環及びリンパ循環を調節することもできる。

2、健美減肥:腹部は脾に属し、脾は気血生化の源となる。脾が健運を失って気血が鬱滞させることは肥満の主な発生原因となる。故に肥満治療に当たっては先ず脾の調整から始まるべきである。摩腹揉腹により腹部の運動も促し、健脾助運の効能を果たして腹部の気血積滞を減少させる。

3、成長促進:成長期で脾気虚弱の場合は、多食なのに羸痩、身長が伸びず、頭髪が黄色いなどの症状が見られる。これは飲食物が体内において運化されず、消化吸収されないことである。摩腹揉腹により脾胃の運化機能を高め、水穀が気血に化生させるのを促進することができる。

ここでは日常に行える摩腹揉腹の方法を紹介するが、実際これに拘る必要はない。要領を把握した上、徐々に操作していくに伴い、各自実施し易いような特徴を持てば良い。健康養生のためには、自分が気持ち良く、長期に持続することが大切である。

【操作時機】

一般的にそれぞれ夜就寝前及び朝起床前に行う。時間が足りない場合は寝る前だけでも良い。

【操作方法】

全身をリラックスさせて仰向けの体位を取り、両足は肩と同じ幅に広げ、顔はやや微笑んで舌を上顎に当てる。精神を集中させて自然に呼吸する。

推拿療法の基本手法として、摩法と揉法は共に円を描くように行う。摩法は即ち腹部を摩ることで、手掌で腹壁の上を移動し、比較的に軽い手法に属する。一方、揉法は即ち腹部を揉むことで、手掌を腹壁の上に乗せ腹部を一緒に動かし、比較的に強い手法に属する。力を適度にして速度を均等にし、回数は18回から36回乃至72回まで自由に調整できる。

摩腹の場合は、先ず右側手掌を用いて臍を中心にし、時計回り方向へ円を描くように行い、最初は臍部において小さい円から始まり、徐々に螺旋状に広がり、最後は腹部全体に大きい円まで摩法を行う。右手の操作が終わってから左側手掌に換えて反対方向に沿って同じ回数を行う。

揉腹の場合は、両手を重ねて(男性には左側手掌を下に、女性には右側手掌を下に置く)臍中央に置き、時計回り方向へ円を描くように行ってから反対方向に沿って同じ回数を行う。

【注意事項】

摩腹揉腹は飽食や飢餓の時に行わず、排尿や排便を我慢してはいけない。

また腹腔内における悪性腫瘍、胃腸穿孔、内臓出血、虫垂炎や腹膜炎など急性腹症の場合は禁止する。

摩腹揉腹の操作中に、腸鳴音や排気など、或いは腹内温熱感や飢餓感や便意などが現れる場合は、いずれも正常反応に属する。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2019年度)

1、講習会

2019年度の定期講習会は4月後半にスタート予定で、慣例の年間通しで8回(4~7月後半と9~12月前半の日曜日)を計画しています。

理論的な伝統医学教科として中医学基礎理論のほか、臨床における証候に対する中医学的な診察と辨別などの実用的な内容に重点をおきたいと思います。また臨床的な伝統医学教科として、人気の「耳穴診療法の実技と応用」や「飲食薬膳療法の基礎と応用」を実施する計画です。

定期講習のほか、会員限定の特別講座も実施する予定です。

具体的な講習内容については皆様のご要望に合わせて調整し、実際にお仕事や健康に役立つ講習を行っていきますので、ご希望がありましたら事務局へご一報下さい。詳細は決定してから後日別途ご案内します。

2、体験旅行

2019年も「中国伝統医学研修旅行」及び「中国伝統医療体験旅行」を計画しています。時期は毎年と異なりますが、いつもの方針と目的で計画し実施する予定です。実際に中国伝統医学の臨床に立会って見学、実習、体験の機会を得て、本場の伝統医学に触れて頂き、今後のお仕事やご家族の健康に役立てていきたいと思います。

日程などの詳細が決まり次第、ご案内をお送りいたします。皆様のご参加お待ちしております。