会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2025年度)

2025年度は昨年に引き続き、教育活動である講習会及び普及活動の健康支援を進展していきたいと思います。

講習会は引き続き感染防止を徹底したうえ、従来の教育方針に従って少数人数で実行する予定です。理論講習として「常見病証の針灸治療実技」を行う予定です。本講習は2021年に梅田会員の希望と協力により始めて開設した針灸臨床学科で、2022年度と2023年度を加えて計3期の講習を実行してきました。今回は以前の講習経験を活かし、同じく少数人数で実用性に重点を置き、針灸臨床において常見される8病証を取り挙げ、基礎的な理論分析を解説したうえ、具体的な刺針実技を指導しながら技能練習を実行します。これにより辨証論治の思想を導き、臨床実践の技術能力が高まることを期待しています。講習は4月後半に開講し、計8回で12月前半に終了する予定ですが、参加者のご希望により中国針の技法に関する予備講習を無料で行います。

また実技講習として「耳穴診療法の実技と応用」行う予定です。本講習は当会にて長年に渡って人気のテーマとして何度も開催したことがありますが、今回も厳密性・実用性の特徴を柱とし、教育会独自の教育方式により耳穴の基礎定位から実際に臨床応用まで、計8回に渡り実技を中心として詳細に指導する予定にしています。

健康支援活動はホームページを通じて健康情報を発信するほか、臨床センターにて会員の皆様の健康養生法の相談や指導なども催していきたいと思います。ほかに、状況が可能な範囲で会員限定の無料講座も実施する予定です。また引き続き季節の変化や社会の情勢に合わせて薬茶を新たに考案して見本をお送りします。

ほかに、会員の交流を深めるため、会員懇親会を企画して開催する予定です。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2024年度)

1、講習会

2024年度の定期講習会は、理論講習の「常用針灸腧穴の基礎と実用」を4月から、実技講習の「整体推拿療法の実技と応用」を6月から開講し、双方ともに翌2025年2月に終了しました。

「常用針灸腧穴の基礎と実用」の講習は、2023年8月出版した針灸臨床実用参考書シリーズの新書「経穴の定位と技法」に合わせて開設し、鍼灸師・推拿療法士のほか、一般の方計8名が参加されました。

腧穴は、臨床治療や健康保健において病証反映の診断点としても、また針灸推拿・気功導引など外治療法の治療点としても重要な役割を果たしています。応用に際しては腧穴の定位を精確に把握し、臨床で正しく取穴することにより、相応しい物理的な刺激を促して治療効果を果たします。そのため、精確かつ迅速に腧穴の定位を取ることは大きな意義があります。今回の講習では、腧穴学の基礎知識を始め、臨床で最も常用される凡そ120経穴を取り挙げ、それぞれ名称の解釈から、その精確な定位と取法及び主要な性能と主治を伝授したうえ、更に具体的な応用実技まで指導して取穴技法の練習を行いました。これにより腧穴の臨床応用の方法や経験を習得し、健康の維持と増進、疾病の予防と治療に役に立てたと思います。

一方、「整体推拿療法の実技と応用」の講習は当会で三回目の講習となり、今回は安藤会員の希望と協力を得て、計6名が参加されました。

中医推拿療法は最も古い自然療法として、古来養生保健と疾病の予防治療の重要な手段です。操作が簡便且つ安全で、明らかな即効性を持つなどのメリットにより、医薬不足の古代だけでなく、自然療法重視の現代社会でも益々注目されています。長い発展歴史から技法も数多くて応用も様々であるため、初心者は系統的に把握するのが難しく、更に基礎技法を臨床実践まで確実に活用できない事が現状としています。

今回の講習は参加者全員が針灸資格所有者のため、関連する人体解剖及び経絡腧穴の基礎理論を省略し、その時間を活かして推拿実技の説明と練習に利用できました。繁雑な推拿実技を実用的にまとめて基本手法と応用要領を講習して実習し、更に長年の臨床と教育の経験に基づいた整体推拿の施術方法を伝授し、いち早く臨床実践に即していけるようになりました。

 

2、健康支援

教育事業活動と同時に、会員の健康支援活動も引き続き行っています。伝統医学教育会ホームページの会員専用ページにて健康知識を定期的に更新していますので、皆様の健康増進の参考にして頂きたいです。

また、会員の健康支援を目的として前年度に引き続き、伝統医学的な薬茶をお送りしました。今回は主に新型コロナウイルス感染の急増状態、及び季節的に盛夏の暑熱湿聚の特徴に従って薬茶を考案して処方と見本を送付しました。いつもと同じように、皆様にお送りした薬茶の主要材料は身近なものを使って作成し、作成方法は教育会の会員専用ページに公開しています。

 

3、懇親会

コロナの影響で会員の皆様との交流も暫く控えておりましたが、2023年の懇親会で久し振りに皆様とお会いでき、ご近況やご意見をお聞きし、お元気な姿を見て嬉しく思いました。今年度も10月13日(日)午後、当会事務所にて会員の懇親会を久しぶりに開催しました。感染を考慮してご参加を控えていた方もいましたが、今回は計8名が出席しました。

この機会に長年に渡って支援して頂いた会員及び新しく入会した会員の皆様は一堂に集まり、様々な情報交換や交流懇親をしました。事務局も会員の皆様とお会いして貴重なご意見や近況をお聞きすることができました。また、皆様との交流を通じて今後の伝統医学教育会の活動方針を明確にして事業活動を進んで行きたいと考えています。

活動案内:「常見病証の針灸治療実技」 講習会の予備講習案内

この度はNPO法人伝統医学教育会の講習会にご参加頂き、誠にありがとうございます。

本講習は針灸臨床の実技に重心を置いているため、中国針の使用をお勧めしています。中国針は日本針に比べて刺針技法の広汎性と針響調節の敏活性という特徴があり、適応範囲が広い、操作時間が短い、治療効果が高いなどのメリットを持っています。しかし刺針操作には高い技能が要求され、専門的な指導と練習が必要とされています。ご参加者の実技の幅を広げて技能を高めるため、予備講習を行いたいと思います。

今まで中国針の経験がない方や、中国針の操作が苦手な方に、中国針の実技指導を一回無料で行うことになりました。この機会に、今回の講習要領と実習要領、針灸臨床治療に関する基礎知識を合わせて説明する予定です。

 

講 師:陳 志 強    梅田 伸威

日 程:2025年3月30日(日)10時30分~12時30分

① 針灸治療概説(約30分間)

② 中国針技法指導及び練習(約90分間)

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  伝統医学教育会臨床センター

交 通:東京メトロ銀座線末広町駅より徒歩4分、千代田線湯島駅より徒歩4分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より徒歩10分~12分

費 用:無料

申込み:03(5816)5234(水・日曜を除き、10:30~19:00)

締切り:2025年3月27日(木)

 

ご希望の方は電話にて当会事務局までご連絡下さい。なお、お申込み頂いてからの取消しはご遠慮願います。

活動案内:「耳穴診療法の実技と応用」講習会案内

耳穴診療法は、安全で簡便な技法であり、その適応症の広さ及び確実な即効性などの特徴を持つことから世界的に注目されています。また学術面で耳穴は、腧穴の一部として中国の教科書にも取り上げられています。日本では、健康ダイエット法として有名ですが、それ以上の優れた治療効果に関しては殆ど認識されておらず、学校教育でも全く触られていません。

伝統医学教育会では、耳穴診療法を正確に習得できるよう教育方法を組んでおり、二十数年間に渡り何度も行われた講習会では多くの受講者より現場で実践できたとの好評を得て、耳穴診療法の普及に対して一石を投じたと自負しています。今回も、厳密性・実用性の特徴を柱とし、耳穴の基礎定位から実際に臨床応用ができるまで、計8回に渡り実技を中心として詳細に指導する予定にしています。耳穴診療法を把握して様々な臨床実践に活かしたい方には最適な機会であると言えます。

講習終了時には特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証書を授与いたします。

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全8回 月1回 日曜日午後14時00分~16時30分(計20学時間)

① 04月27日 耳穴診療法の概説、耳介の解剖、耳垂部8穴の定位と実技;

② 05月25日 耳輪部11穴の定位と実技、耳舟部6穴の定位と実技;

③ 06月29日 対輪部14穴の定位と実技;

④ 07月27日 三角窩部5穴の定位と実技、耳珠部9穴の定位と実技;

⑤ 09月07日 対珠部8穴の定位と実技、耳甲介部8穴の定位と実技;

⑥ 10月05日 耳甲介部13穴の定位と実技;

⑦ 11月09日 耳背部6穴と耳根部3穴の定位と実技;

⑧ 12月07日 耳穴診察法と耳穴治療法。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  伝統医学教育会臨床センター

交 通:東京メトロ銀座線末広町駅より徒歩4分、千代田線湯島駅より徒歩4分

都営地下鉄大江戸線上野御徒町より徒歩8分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より徒歩10分~12分

定 員4名以上で開講 8名まで

費 用:講習費 73,000円(耳穴模型・施術用具の費用込み、分割払い可)

当会会員は7,000円割引

教科書「中国伝統医学 耳穴診療法」別途3,000円(税不要)

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局 FAX 03(5816)5235

締切り:2025年3月31日(月)まで

活動案内:「常見病証の針灸治療実技」講習会案内

針灸医学は理論に基づいた実践的な学科です。臨床では中医学の辨証論治を元にして正確な診断を下す事ができて、初めて正しい治療方針が立てられます。そこから、腧穴の性能に従って相応しい処方を組み合わせ、更に正しい技術を用いれば効果的な治療が実施できます。日本の現状は、中医学の病証に対して基本概念がはっきり認識されておらず、また総合的な辨別分析の考え方も欠けているため、辨証論治の応用は広く普及されていません。学校教育では実践に接した臨床実習が不足しているため、臨床現場に入ると、患者さんに対応し難く感じる方が多いようです。

伝統医学教育会では、これを踏まえ鍼灸師・鍼灸学生を対象として針灸臨床にて多く見られる病証、及び針灸治療で特効が得られる病証を取り挙げ、これまでに治療実技の三回講習を行って好評を博しました。今回も少数人数で、実用性に重点を置き、針灸臨床において常見される8病症を取り挙げ、その基本概念を明確にし、病因病機と辨証分型を解明し、治療原則と選穴処方を解説したうえ、具体的な診察技能と刺針実技を指導しながら、技能練習を行う予定です。これにより病証に対する診断と治療を導き、臨床実践の技術能力が高まる事を期待しています。

また初めて参加する方にはご希望に応じて中国針実技指導を一回無料で行います。

講習終了時、特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証書を交付します。

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全8回 月1回 日曜日10時30分~13時00分(計20学時間)

毎回約30分理論解説、120分実習指導

① 04月27日 腰痛;

② 05月25日 頭痛;

③ 06月29日 腹痛;

④ 07月27日 心痛;

⑤ 09月07日 便秘;

⑥ 10月05日 月経痛;

⑦ 11月09日 絶経前後症候;

⑧ 12月07日 中風半身不遂。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  伝統医学教育会臨床センター

交 通:東京メトロ銀座線末広町駅より徒歩4分、千代田線湯島駅より徒歩4分

JR御徒町駅・秋葉原駅・御茶ノ水駅より徒歩10分~12分

定 員6名以上で開講 9名まで

費 用:73,000円(実習用具の費用込み、分割払い可) 当会会員は8,000円割引

教科書「病証の辨析と処方」別途4,180円(当会会員は割引後3,100円)

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局 FAX 03(5816)5235

締切り:2025年3月31日(月)まで

健康知識:感染症対策の清肺食療処方

冬季に入ってから一般の感冒に加えてインフルエンザやコロナウイルス感染など、様々な病原体による呼吸系疾患の発病率が徐々に上昇してきた。このような時期に感染症に掛かった場合適切な飲食療法を用いれば咳嗽、発熱、咽喉痛、鼻詰まりなどの症状を緩解させることができる。また飲食療法は比較的安全で化学薬物による生体機能障害のリスクも避けられる。

ここでは7種類の食療処方を紹介して感染症による症状に役立てて欲しい。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:感染症対策の清肺食療処方

冬季に入ってから一般の感冒に加えてインフルエンザやコロナウイルス感染など、様々な病原体による呼吸系疾患の発病率が徐々に上昇してきた。このような時期に感染症に掛かった場合適切な飲食療法を用いれば咳嗽、発熱、咽喉痛、鼻詰まりなどの症状を緩解させることができる。また飲食療法は比較的安全で化学薬物による生体機能障害のリスクも避けられる。

ここでは7種類の食療処方を紹介して感染症による症状に役立てて欲しい。

1、黒砂糖生姜湯

材料:生姜3-5スライス、黒砂糖適量。

作法:お鍋に生姜片を入れて適量のお水を加え、煮立ててから黒砂糖を加えて混ぜながら、黒砂糖が完全に溶けるまで煮込む。

効能:解表散寒、温肺止咳。外感風寒による悪寒、頭痛、咳嗽、鼻塞、鼻汁などに一定の緩解作用を果たす。但し咽喉腫痛など熱性症状には適しない。

2、白葱生姜湯

材料:長葱の白根(髭も含む)15g、生姜15g。

作法:白葱と生姜をスライスにし適量のお水の中に入れる、お水が煮立ってから弱火にして10分間ほど煮込み濾して汁を飲む。

効能:解表発汗、止咳化痰。白葱も生姜も辛散温通の作用を持ち、風寒感冒による悪寒無汗、全身痠痛、頭痛、鼻塞、咳嗽などに適する。

3、雪梨の氷砂糖蒸し煮

材料:梨(二十世紀、幸水)1個、氷砂糖適量。

作法:梨の種を除いて小さい塊に切り、茶碗に入れて氷砂糖を加え、少しお水を入れて蒸し器に移して30分間ほど蒸す。

効能:清熱潤肺、止咳化痰。雪梨には潤肺止咳のほか、清熱降火の効果もあり、また氷砂糖は潤肺止咳の作用を持ち、両者の配合は咳嗽、咽喉乾燥疼痛のものに適する。但し梨は寒冷性質で、脾胃虚寒で腹痛泄瀉のものは慎重に食する。

4、生姜糸大根湯

材料:生姜15g、大根50g、黒砂糖適量。

作法:生姜を千切りにし、大根をスライスにする。共にお鍋に入れて500㏄のお水を加え、10~15分間煮込んで黒砂糖を入れ、更に1~2分間煮る。

効能:温肺散寒、止咳化痰。生姜には発汗散寒・温肺止咳の効能があり、大根は理気下端の作用を持ち、両者の配合で感冒鼻塞、咳嗽、喀痰などに効果的である。

5、大根蜂蜜飲

材料:大根1本、蜂蜜適量。

作法:大根を綺麗に洗い、皮を剥いて小さくカットする。お鍋に入れて適量のお水を加え強火にかけ、煮立ってから弱火に変え20~30分間煮込む。火を止めて煮汁が常温に冷めたら蜂蜜を加えて均等に混ぜる。

効能:潤肺止咳、理気化痰。感受風寒による咳嗽多痰、咽喉腫痛、便秘などに適する。

6、金柑の蜂蜜漬け

材料:金柑10個、蜂蜜適量。

作法:金柑を綺麗に洗って切り開き、お鍋に入れて適量のお水を加え、煮立ってから蜂蜜を入れ、弱火で10分間煮込む。

効能:理気潤肺、止咳化痰。金柑には理気解鬱・止咳化痰のほか、また開胃・消化促進の効能があり、蜂蜜は潤肺止咳の作用を果たす。両者の配合で咳嗽、咽喉腫痛、消化不良などの症状を緩解することができる。

7、白木耳と雪梨の煮込み

材料:乾燥白木耳1房(約30g)、梨1個、氷砂糖適量。

作法:白木耳をお水で戻してから綺麗に洗って小さく千切っておく。梨の種を除いて小さくカット。お鍋に充分のお水を入れて白木耳を加え強火にかける。煮立ってから弱火に変えて20分間ほど煮込み、梨と氷砂糖を入れて更に20分間煮込む。

効能:滋陰潤肺、止咳化痰。咳嗽、気喘など肺気上逆の症状に一定の緩解作用を果たす。

健康知識:冬至時節における艾灸養生技法

天候が一気に冷え込み、小雪・大雪も過ぎて冬至になろうとしている。冬至は一年中で最も陽気が少なく陰気が多い時節であり、人体も自然界に従って陰盛陽衰の状態になっている。この時期は陽気保養が最も重要な養生原則である。そのため、飲食調節や日光浴など様々な方法が挙げられるが、最も効果的な方法として艾灸法をお勧めしている。

艾灸法はヨモギなどを体表の経穴に据えて焼灼することで、灸火の温熱刺激及び艾草の薬理性能を以て、経絡の伝導によって体内の臓腑まで到達し、臓腑機能を高めて陰陽気血を調節し、扶正祛邪・防病治病の作用を果たす。艾草は温経散寒・祛風燥湿・行气活血などの効能を持つため、陰盛陽衰の冬至時節において保健養生の温灸が最も相応しく、特に痩弱虚損や陰寒凝滞などに対し、艾灸法は独特な効果をもたらす。

当会会員専用ページにて2017年12月に公開した「保命之法、艾灸第一」の健康知識で、艾灸法の効果を解説して保健養生の温灸に常用される経穴を紹介している。また昨年出版した《針灸臨床実用参考書 経穴の定位と技法》の教科書に経穴の灸法を詳細に記述してあるが、ここでは艾灸法の操作技法及び注意事項について説明する。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:冬至時節における艾灸養生技法

天候が一気に冷え込み、小雪・大雪も過ぎて冬至になろうとしている。冬至は一年中で最も陽気が少なく陰気が多い時節であり、人体も自然界に従って陰盛陽衰の状態になっている。この時期は陽気保養が最も重要な養生原則である。そのため、飲食調節や日光浴など様々な方法が挙げられるが、最も効果的な方法として艾灸法をお勧めしている。

艾灸法はヨモギなどを体表の経穴に据えて焼灼することで、灸火の温熱刺激及び艾草の薬理性能を以て、経絡の伝導によって体内の臓腑まで到達し、臓腑機能を高めて陰陽気血を調節し、扶正祛邪・防病治病の作用を果たす。艾草は温経散寒・祛風燥湿・行气活血などの効能を持つため、陰盛陽衰の冬至時節において保健養生の温灸が最も相応しく、特に痩弱虚損や陰寒凝滞などに対し、艾灸法は独特な効果をもたらす。

当会会員専用ページにて2017年12月に公開した「保命之法、艾灸第一」の健康知識で、艾灸法の効果を解説して保健養生の温灸に常用される経穴を紹介している。また昨年出版した《針灸臨床実用参考書 経穴の定位と技法》の教科書に経穴の灸法を詳細に記述してあるが、ここでは艾灸法の操作技法及び注意事項について説明する。

一、灸法の操作

艾灸法の材料は古来艾を主としており、臨床では艾を用いて多く艾炷や艾棒を製作して使用する。常用する艾灸法には艾炷灸、艾棒灸、温針灸、温灸器灸などがあり、操作方法は種類によって異なるが、ここでは最も応用し易い艾炷灸、艾棒灸、そして温灸器灸を紹介する。

1、艾炷灸

艾炷灸は純粋な艾を利用し、手指または器具を使用して上が尖って下が大きい円錐形の艾炷を作る。経穴または病痛局所に据え、点火して施灸する方法である。

艾炷の大きさは様々である。米粒大を小炷、箸後端の大きさを中炷と言い、いずれも直接灸に用いられる;オリーブ半分の大きさを大炷と言い、主に間接灸に用いられる。艾炷の数え方は1個を1壮と言う。

艾炷灸の操作方法は主に直接灸と間接灸の二種類に分けられる。

① 直接灸:艾炷を直接施術部位の皮膚表面に据え、点火して施灸する方法である。施灸後の火傷の化膿の有無によって更に化膿灸(打膿灸)と非化膿灸(透熱灸と知熱灸)に分けられる。化膿灸は施灸時に灼熱痛を伴い、施灸後にも火傷の水疱や化膿の処置が繁雑で、また灸瘡(瘢痕)が半永久的に残るため、通常の保健養生には非化膿灸が安全で便宜である。

② 間接灸:漢方薬物を用いて艾炷を施術部位の皮膚表面と隔て、点火して施灸する方法であり、隔物灸とも言う。応用する薬物は数十種類が数えられるが、常用されるのは生姜、大蒜、そして塩がある。

新鮮な生姜や大蒜を厚さ0.2~0.3㎝の薄切りにし、中央を針で刺して数個の穴を開け、施灸する経穴または病痛局所の皮膚表面に置き、その上に艾炷を据えて点火して施灸する。艾炷が燃え尽くしたら取り外し、新たに艾炷を据えて施灸し、必要な壮数に達したら終了する。皮膚が発赤するが水膨れを起こさない適度とする。隔生姜灸は多く寒邪感受による嘔吐、腹痛、泄瀉、及び風寒痹痛などの病証に、隔大蒜灸は多く頸部リンパ節結核、肺結核、腫瘍の初期などの病証に用いられる。

その他に隔塩灸もあり、一撮みの純粋な食塩で臍窩を平らに埋め、その上に大炷を据え、点火して施灸する。艾炷が燃え尽くしてから取り外し、新しい艾炷を据えて施灸する。多く陰寒病証、急性腹痛、嘔吐泄瀉、中風脱証、四肢厥冷、虚脱などに用いられる。なお、回陽固脱の場合は壮数に拘らず、脈象回復・四肢温暖・証候改善になるまで連続して施灸する。

2、艾棒灸

艾棒灸は純粋な艾で作られた直径約1.5㎝、長さ約20㎝の艾棒を用いて経穴または病痛局所に施灸する方法である。具体的な操作方法は温和灸、雀琢灸、そして回旋灸などに分けられる。

温和灸は艾棒の一端に点火し、施灸部位の皮膚表面から2~3㎝ほど離して燻(いぶ)し焼いて施灸し、局所に温熱感があって灼熱痛を感じない。

雀琢灸は艾棒の一端に点火し、施灸部位の皮膚表面と一定の距離に固定せず、雀が啄ばむように艾棒を上下に動かして施灸する。

回旋灸は艾棒の一端に点火し、施灸部位の皮膚表面と一定の距離を保持しながら、前後または左右に動かすか、円を描くように繰り返して均等に回旋して施灸する。

通常、艾棒灸では一部位に5~7分間施灸し、皮膚が発赤するのを適度とする。施灸時に施灸手を施灸部位の付近に当てて安定させ、補助手の示指・中指を開いて施灸部位付近に置き、手指の感覚を通して患者の局所温度を感知し、これにより随時に施灸距離を調整し、施灸時間を把握して火傷を防ぐ。

艾棒灸は一般的な灸法適応の病証全般に応用できるが、温和灸は多く慢性病証の治療、雀琢灸と回旋灸は多く急性疾病の治療に用いられる。

3、温灸器灸

温灸器灸は身体部位に応じて様々な形状の温灸器具を選択し、1~2㎝ほど短い棒灸や切り艾を入れて点火して経穴または病痛局所に施灸する方法である。

温灸器灸は安全で便宜な特徴を持ち、操作方法が簡単なため、普段の保健養生には広く応用できる。

二、灸法の注意

① 実熱証及び陰虚発熱の者、妊婦の腹部と腰部には艾灸法を行わない。

② 顔面五官、関節部、そして大血管のある部位には化膿灸(打膿灸)を行わない。

③ 灸法の操作はなるべく順序に従って行う。一般的には、身体の上部を先に、下部を後に操作し、身体の陽部を先に、陰部を後に操作する;壮数は先に少なめ、後に多めに施灸し、艾炷は先に小さく、後は大きく施灸する。

④ 施灸時は安全を確保する。施灸時に艾火が脱落して皮膚や衣服を焼かないように注意し、また施灸後に艾棒を完全に消火して再燃しないことを確認する。

⑤ 施灸時に室内の排煙換気及び温度調節に注意し、特に厳冬と酷暑の時期は快適な環境を保つ。施灸後も患者は温かくして風に当たらないようにする。

また、施灸後に皮膚が微かに発赤して灼熱感が出現することは正常で特に処置の必要は無い。万が一、施灸の熱過ぎや時間の長過ぎにより局所に小さな水膨れが現れる場合は、破れないように注意して自然に吸収させる。水膨れが比較的大きい場合は消毒済みの毫針で水膨れを破り、液体を流し出すか、注射針で液体を吸い出し、ヨードチンキを塗り、ガーゼなどで覆い、汚染を避けて自然癒合を待つ。

なお、健康増進のための温灸経穴として、「保命之法、艾灸第一」の健康知識で紹介した足三里、関元、大椎、命門、神闕、中脘、太溪のほか、百会、湧泉なども必要に応じて応用できる。厳冬季節において艾灸法を上手く活用して健康増進に役立てて欲しい。

健康知識:秋季における菊花の応用

今年の天候は特に異常で、夏の暑熱と湿気が厳しく長引き、立冬になってようやく涼しくなり、急に深秋らしくなっている。少し雨が降ったとしても気候の特徴はやはり乾燥を主としている。「天神一合」と言われるように、人体も自然界の影響を受け、口舌が乾燥したり、眼精がゴロゴロしたり、皮膚もカサカサしたりすることが多く、いわゆる秋燥のことである。こんな時は菊花をお勧めする。

菊花は、その清熱降火の性能及び他の食材との組合せにより秋季の乾燥から我々を守ってくれる。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます