健康知識:2025年三伏天の特徴と養生

7月20日から三伏天に入った。過去まで十年間に渡った40日間の「長三伏」とは異なり、今年の三伏天は30日間となる。初伏は7月20日~7月29日の10日間、中伏は7月30日~8月8日の10日間、そして末伏は8月8日~18日の10日間である。

三伏天は一年中で最も陽気が盛んで湿気が多い時期である。自然に順応して正しい養生し、更に「冬病夏治」を実現するため、家庭常用の食材を利用したり、簡単な動作を用いたりして身体の調節養生を行うことは非常に重要である。

そこで三伏天における健康養生の要領を整理し、具体的な応用も紹介するので、活用して欲しい。

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健康知識:2025年三伏天の特徴と養生

7月20日から三伏天に入った。過去まで十年間に渡った40日間の「長三伏」とは異なり、今年の三伏天は30日間となる。初伏は7月20日~7月29日の10日間、中伏は7月30日~8月8日の10日間、そして末伏は8月8日~18日の10日間である。

三伏天は一年中で最も陽気が盛んで湿気が多い時期である。自然に順応して正しい養生し、更に「冬病夏治」を実現するため、家庭常用の食材を利用したり、簡単な動作を用いたりして身体の調節養生を行うことは非常に重要である。

そこで三伏天における健康養生の要領を整理し、具体的な応用も紹介するので、活用して欲しい。

 

三伏天の利湿・祛寒・解暑

① 利湿

三伏天は湿気が強くて蒸し暑いため、生体は湿邪の侵襲を受け易く、倦怠無力、頭身沈重、食欲不振、大便溏薄、舌苔厚膩などが見られる。健脾化湿を重要な原則として、下記の家庭食療処方をお勧めする。

赤小豆薏米茯苓粥(小豆とはと麦の茯苓粥):材料は赤小豆30g、炒りはと麦20g、茯苓15g、オニバスの実10g、陳皮5g、皮付き生姜(熱性体質の場合は不要)3スライス。赤小豆とオニバスの実を1時間半ほどお水で浸して他の材料と共に煮込んでお粥を作る。

また日頃から冬瓜、糸瓜、苦瓜など瓜類の食材を用いることによって清熱作用を働かせながら利水作用も果たす。なるべくアイスクリーム、冷たいドリング、西瓜など生ものや冷える物を取らず、脾胃陽気の損耗を避ける。

② 祛寒

体内の宿寒(古い寒邪)を取り除くことは「冬病夏治」のカギである。民間では「伏羊一碗湯,不用開薬方」と言われるように、羊肉は祛寒気・補脾胃・助元陽・補精血・益労損などの効能があり、虚寒体質の方に最も適応する。そのための代表的な薬膳料理を挙げるので試してみて欲しい。

当帰生姜羊肉湯(当帰と生姜の羊肉スープ):羊肉250gを小さく角切りにしてお湯を通して灰汁を取り除く。羊肉をお鍋に入れてたっぷりとお水を加える。老生姜(とうを通ったものが良い)30gを押し潰し、当帰15gと枸杞10gと一緒にお鍋に入れて強火で煮立ててから弱火に変えて2時間ほど煮込み、お塩と胡椒で調味して食す。

また「夏防寒気,冬病不擾」(夏に寒気を防ぐと、冬に病気に患わぬ)と言われるように、三伏天ではなるべく冷房に吹かれず、冷飲を多く飲まないことで、寒邪の侵襲を避ける。

参考として寒性病証に適する漢方薬を挙げると、脘腹冷痛・手足不温のものには温中健脾の附子理中丸;腸鳴腹脹・早朝泄瀉のものには温腎止瀉の四神丸;腰膝寒冷・夜尿頻多のものには温補腎陽の桂附地黄丸;咳痰白稀・冷風苦手のものには解表宣肺の通宣理肺丸;悪寒頭痛・嘔吐泄瀉のものには解表散寒化湿の藿香正気丸が用いられる。

③ 解暑

三伏天では避暑も重要である。暑は火熱の邪気で、津液損耗と共に昇散耗気の性質を持ち、心煩口渇、頭暈目眩、汗が出て止まらないなどが多く見られる。解熱清暑の原則下で、下記の家庭食療処方がお勧めである。

西瓜翠衣緑豆湯(西瓜皮と緑豆のスープ):西瓜皮の白い部分と薄緑の部分を薄いスライスに切り、緑豆と一緒にお水から30分間ほど、緑豆が柔らかくなるまで煮込み、冷ましてから飲用する。蓮の葉を加えると清熱解暑の効果が更に高まる。

また暑熱に損耗され易い気と津液を補給するため、日頃から山薬、蓮根、木耳、百合根など、益気養陰の食材を多めに摂ることをお勧めする。熱中症対策として仁丹、十滴水、藿香正気水などの漢方薬を常備する。

 

三伏天の必要な三行動

1、背に日を浴びて陽気を補う

背は生体の「陽の中の陽」で、督脈と足太陽膀胱経が循行する部位である。朝7~9時または午後3~5時頃、日射しが温和の時に、15~20分ほど背に日を浴びることで、陽気を激動させて寒湿を祛除する効果があり、手足寒冷などの陽虚症状を改善させられる。正午は日光浴をしてはいけない。日よけ帽子または日傘などを利用して頭部の陽気過剰吸収による頭暈や頭痛などを防ぐ。日を浴びてから温湯を少しずつゆっくりと飲用すると良い。

2、子午時刻の睡眠を大事に取る

子の時刻(23時~1時)は胆経の時節に当たり、この時に深い睡眠状態に入らなければならない。また午の時刻(11時~13時)は心経の時節に当たり、この時に短い睡眠が取れたら養心安神の効果があり、疲労や煩躁を解消して暑熱からの心神消耗を避ける。

3、適度な緩和運動

散策、六字訣、八段錦、五禽戯、太極拳など、動作が穏やかで軽度な緩和運動を行うことで、全身の気機を疏通させ、発汗による湿邪の排出を助ける。但し、汗は微かな程度に納め、大汗を流してはいけない。

 

上記のほか、三伏天の時節、特に炎天高温の日時にはできるだけ外出を避け、過剰に汗を流した場合は随時に水分を補給し、頭暈や心悸など不快感が現れた場合は直ちに涼しい場所で休まなければならない。冷房を利用する際に、外界との温度差を大きくしてはいけず、なるべく28度以上に設定したり、扇風機を活用することが相応しい。