健康知識:夜更かしによる肝臓損傷への経穴・薬茶対策

夜更かしで最も損傷され易いのは肝臓である。

中医学的には、肝が気血の巡りに関わり、蔵血作用を持って血液循環量を調節している。生体の血液利用は、昼間より夜間少ないため、余った血液を夜肝臓に貯蔵しなければならない。しかし夜更かしすると、血液が肝臓に入らず無駄に消耗されてしまう。また現代医学的に、肝臓は体内で唯一の解毒器官であり、普段食用した食物の毒素部分は全て肝臓で分解解毒を経て体外に排出される。夜間に休まないことで、肝臓に大きく負担を増やしてしまう。

やむを得ず夜更かしした場合、積極的に工夫して肝臓への損傷を最小限に抑えなければならない。また普段から肝臓を強くするように努めることで、偶にする夜更かしに応えるようになる。

下記の経穴や薬茶などの対策を紹介し、日頃の健康増進に役立って欲しい。

続きは会員専用ページにてご覧いただけます

健康知識:夜更かしによる肝臓損傷への経穴・薬茶対策

夜更かしで最も損傷され易いのは肝臓である。

中医学的には、肝が気血の巡りに関わり、蔵血作用を持って血液循環量を調節している。生体の血液利用は、昼間より夜間少ないため、余った血液を夜肝臓に貯蔵しなければならない。しかし夜更かしすると、血液が肝臓に入らず無駄に消耗されてしまう。また現代医学的に、肝臓は体内で唯一の解毒器官であり、普段食用した食物の毒素部分は全て肝臓で分解解毒を経て体外に排出される。夜間に休まないことで、肝臓に大きく負担を増やしてしまう。

やむを得ず夜更かしした場合、積極的に工夫して肝臓への損傷を最小限に抑えなければならない。また普段から肝臓を強くするように努めることで、偶にする夜更かしに応えるようになる。

下記の経穴や薬茶などの対策を紹介し、日頃の健康増進に役立って欲しい。

1、経穴按揉

① 三陰交

三陰交は足太陰脾経の経穴であるが、肝・脾・腎の三経脈が通過する処なので、補脾養肝益腎・滋陰調和営血の効能を持ち、慢性肝炎や肝機能障害などの肝疾患に用いられる。

取穴:下腿の内側、内果尖の上方3寸で、脛骨内側縁の後方骨際に取る。

操作:胡坐の坐位を取り、一側の拇指指腹を用いて反対側の三陰交を54回ずつ按揉する。その後、10分間温灸を据えると更に効果的である。

② 太衝

太衝は足厥陰肝経の原穴であり、肝を補う効果が強い。疏肝行気・調理気血・鎮静安神の効能を持ち、肝気鬱結による逆上せなどに不可欠の経穴である。

取穴:足背、第1第2中足骨の間に沿って擦上して動脈拍動の陥凹部に取る。

操作:胡坐の坐位を取り、一側の拇指指腹を用いて反対側の太衝を近心方向(足趾から足関節へ)に36回擦るか、54回按揉する。

③ 太溪

太溪は足少陰腎経の原穴であり、滋腎陰・清虚熱・調経血などの効能を持つ。腎に蔵する精と肝に蔵する血は相互に転化しているため、精血同源や肝腎同源と言われるように、腎の陰精を滋養することにより、夜更かしで消耗された肝の陰血を保養することができる。

取穴:足部の内側、内果尖とアキレス腱の間にある陥凹部に取る。

操作:胡坐の坐位を取り、一側の拇指指腹を用いて反対側の太溪を54回ずつ按揉する。

2、薬茶飲用

適量の飲水は新陳代謝を促進して体内の代謝廃棄物や毒素の排出に役立ち、肝臓の保護に繋がるが、これだけでは肝臓の保養にはならない。下記の食物をお湯に浸して薬茶のように普段飲むことで、肝臓の機能を強化して夜更かしによる損傷から守る。

① 紅棗茶

紅棗は補気養血・疏肝解鬱の効能を持っている。果肉豊富な棗を千切ってお湯で浸して茶代わりに飲用すると、肝臓養護と解毒排毒の効果を果たす。夜寝る前にお勧めする。

② 檸檬茶

檸檬は従来養肝排毒・養顔美白の最高の果物だと言われている。檸檬酸は肝臓に胆汁の生成を促進させ、生体の毒素排除のためになり、肝臓の負担を緩和させる。朝起きてからお勧めする。

③ 菊花茶

菊花は味がやや苦く、風熱疏散・肝陽抑制・清肝明目・清熱解毒などの効能を持っている。菊花茶は代表的な肝臓養護の薬茶である。また含有する少量のセレン元素は肝臓修復のための不可欠な栄養物質である。

④ 金銀花茶

金銀花は味が苦く、清肝降火・清熱解毒・通経活絡・抗菌抗ウイルスの作用を持っている。また酒毒解消・美容減肥の効果があり、口臭や便秘の食事療法に用いられる。

⑤ 枚瑰花茶

枚瑰花は香りが濃厚で、お湯に浸すと味がやや苦いが、美味しい。養肝安神の効能を持ち、ストレス過剰や心神不安による郁鬱や肝火上炎による逆上せに対して相応しい調節する効果がある。