活動案内:「整体推拿療法の実技と応用」講習会

中医推拿療法は中国伝統医学に基づいた按摩療法のことを指し、古来養生保健と疾病の予防治療の重要な常用手段となっている。推拿療法は操作が簡便且つ安全で、明らかな即効性を持つなどのメリットにより、医薬不足の古代だけでなく、自然療法重視の現代社会でも益々注目されている。整体推拿療法は推拿療法の一部で、人体を一つの全体として考える前提に立ち、生体機能を整えるという意味があり、中国伝統医学の整体観念という基本的な特徴に対応している。

中医推拿療法は長い発展歴史から技法も数多くて応用も様々であるため、初心者は系統的に把握するのが難しく、更に基礎技法を臨床実践まで確実に活用できない事が現状とされている。

今回の講習は推拿療法に関連する人体解剖部位や経絡穴位知識などの基礎理論を重点的に講義した上で、繁雑な推拿実技を実用的にまとめて基本手法と応用要領を講習し実習し、更に長年の臨床と教育の経験に基づいた整体推拿の施術方法を伝授する予定で、いち早く臨床実践に即していけるように期待している。

また、講習終了時には特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証書を授与する。

 

主 催:特定非営利活動法人伝統医学教育会

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全8回 月1回 午後14時00分~16時30分(計20学時間)

① 04月26日 整体推拿療法概説;人体解剖学;推拿基本手法;

② 05月24日 人体解剖学;推拿基本手法;

③ 06月28日 経絡穴位学;推拿基本手法;

④ 07月19日 経絡穴位学;整体推拿療法の施術要領;

⑤ 09月06日 頭頸部の推拿施術実技;

⑥ 10月04日 背腰部の推拿施術実技;

⑦ 11月01日 胸腹部の推拿施術実技;

⑧ 12月06日 四肢部の推拿施術実技。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務局

定 員4名から9名まで。尚、定員超過の場合は当会会員を優先とする。

費 用:70,000円(参考資料を含む)。

教科書「整体推拿療法」(たにぐち書店出版)は別途5,500円(当会会員無料)。

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:FAX 03(5816)5235

申し込みの締め切り:2020年3月31日まで

活動案内:「飲食薬膳療法の基礎と応用」講習会

中医飲食薬膳療法は、中国の伝統医学理論を基礎とし、食物と薬物の有機的な組み合わせを用いて健康増進や病状回復を目的とした治療法である。現在、日本において薬膳は非常に関心を集めているが、殆どが栄養学の角度からで食材や薬材その物に対する認識を中心に取り上げ、生体への応用に関しては深く触れていない状況である。

飲食薬膳は単に食材を調理したり、食材に薬材を加えたりしたものではなく、中国伝統医学の整体観念と辨証施治の基本特徴に従い、時節、地所、そして生体の具体的な状況に応じて食物や薬物を合理的に組み合わせた特殊な膳食である。

今回は中医飲食薬膳療法の基礎理論を説明した上、常用する食材及び薬材の性質効能と応用方法を重点的に紹介し、更に実際に応用するための原則から具体的な方法まで指導する。これにより、健康増進や病状回復の役割を果たし、飲食薬膳療法の重要な基礎を築いて今後の実践をより深めて貰いたい。

また、終了時には特定非営利活動法人伝統医学教育会の修了証書を授与する。

 

主 催:特定非営利活動法人伝統医学教育会

講 師:陳 志強 医学博士

日 程:全8回 月1回 日曜日午前10時30分~13時00分(計20学時間)

① 04月26日 中医飲食薬膳療法の概説;

② 05月24日 薬性理論と薬膳理論;

③ 06月28日 常用する薬効食材の性能と応用;

④ 07月19日 常用する食用薬材の性能と応用;

⑤ 09月06日 飲食薬膳療法の実際応用(男女別の飲食調節);

⑥ 10月04日 飲食薬膳療法の実際応用(年齢別の飲食調節);

⑦ 11月01日 飲食薬膳療法の実際応用(体質別の飲食調節);

⑧ 12月06日 飲食薬膳療法の実際応用(季節別の飲食調節)。

場 所:東京都千代田区外神田6-4-5-401  NPO法人伝統医学教育会事務所

交 通:営団地下鉄銀座線 末広町駅4番出口より徒歩4分

営団地下鉄千代田線 湯島駅5番出口より徒歩5分

都営地下鉄大江戸線 上野御徒町A4番出口より徒歩8分

JR御茶ノ水駅・秋葉原駅・御徒町駅より 徒歩10分~12分

定 員5名以上で開講

費 用:73,000円(テキスト代などを含む)。当会会員は8,000円割引。

振込先:特定非営利活動法人伝統医学教育会

郵便貯金総合口座 10100-55927971

申込み:NPO法人伝統医学教育会事務局  FAX 03(5816)5235

締切り:2020年3月31日まで

健康知識:秋冬における艾草(蓬)の活用

艾草(蓬)は主に山野に生える多年草で、特有の匂いがある。羽状に切れ込みのある葉が互生し、裏面に白い絨毛が密生している。その若葉を摘み、草餅などを作ることで知られているため、餅草とも呼ぶ。中薬では艾葉と言い、純陽の性質に属し、温経止血、散寒祛湿、平喘止咳、安胎などの効能を持ち、また消炎、抗アレルギーの作用もある。蓬の葉を採集して干し、臼で搗いて篩にかけ、陰干しする工程を繰り返して綿状の物を作り、せんねん灸など、お灸を据える際に燃やす材料として用いる。

お灸のほか、日常生活では艾草は非常に簡単な応用法がある。

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健康知識:秋冬における艾草(蓬)の活用

艾草(蓬)は主に山野に生える多年草で、特有の匂いがある。羽状に切れ込みのある葉が互生し、裏面に白い絨毛が密生している。その若葉を摘み、草餅などを作ることで知られているため、餅草とも呼ぶ。中薬では艾葉と言い、純陽の性質に属し、温経止血、散寒祛湿、平喘止咳、安胎などの効能を持ち、また消炎、抗アレルギーの作用もある。蓬の葉を採集して干し、臼で搗いて篩にかけ、陰干しする工程を繰り返して綿状の物を作り、せんねん灸など、お灸を据える際に燃やす材料として用いる。

お灸のほか、日常生活では艾草は非常に簡単な応用法がある。

1、艾葉と焼酎による頸肩腰腿痛の解消

秋から冬に入ると、頚椎症、肩関節周囲炎、腰痛、膝関節症などの持病の発作が多く現れてくる。痛みを解消するために湿布を使用するが殆ど深部まで届かず、鎮痛剤も胃粘膜刺激など副作用が大きく、大変困っている方が少なくない。こんな時には艾葉と焼酎を配合する方法を用いて関節痛を緩解して欲しい。

材料:艾葉(蓬)60g、生姜15g、生葱2~3本、焼酎(30度以上が良い)適量。

方法:艾葉、生姜、生葱を細かく潰してガーゼの袋に入れておき、熱くした焼酎に付けて疼痛部位に塗り付けて擦る。

効果:温経散寒・舒筋止痛の効能を持ち、主に風寒湿邪による関節冷痛に適し、通常1~2回だけで疼痛が解消される。

2、艾葉と竜眼山椒の臍貼付による脾胃虚寒の改善

天気が寒くなるに伴い、本来寒さに弱く、胃腸虚寒で腹痛、下痢、手足が冷える方は症状が増悪し易くなる。少しだけでも生ものや冷たい物を食べると、すぐに吐気、嘔吐、下痢などを起こす。普段は温かい黒糖生姜茶なども役に立つが、艾葉と竜眼山椒の併用により症状を緩和させられる。

材料:艾葉(蓬)1摘み、桂園(干し竜眼)1粒、花山椒6~7粒。

方法:艾葉、桂園、花山椒を一緒に細かくなるまで磨り潰し、寝る前に臍の穴を埋める程度の量を入れ、絆創膏で封する。朝起床時に取り外す。

効果:中焦脾胃を温暖し体内の寒湿邪気を排除し、主に脾胃虚寒による脘腹冷痛、嘔悪泄瀉、手足不温、睡眠不安などに適し、多く2~3回の利用で温かく感じて症状が緩和される。

ほかに、艾草は足浴にも活用することができる。これにより冬季における風寒感冒、咳嗽喀痰、逆上せ(虚火、実火)、眼周の黒クマなどに治療効果があり、当然足の臭いや水虫などの対策としても効果的である。

健康知識:健康的な睡眠生活について

昼と夜の変化は、自然界の陰陽消長運動の一方面である。人間は自然界の一部として、自然界の陰陽転化に従って生命活動を営んでいるため、睡眠と覚醒の生理活動を以てこの律動的な運動に順応している。古来「日出而作(労作)、日暮而息(休息)」と言われるように、人間は一日における陰陽変化の規則性に順応し、陽の昼間は活発に動き、陰の夜間は安静に休むべきである。これにより生体が自然に健康状態を維持しているのである。生体は睡眠により、覚醒時に発生した精神緊張を解消させて身体疲労を回復させる。充分な睡眠時間及び正確な睡眠規則は生体の健康維持に対して非常に重要である。

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健康知識:健康的な睡眠生活について

昼と夜の変化は、自然界の陰陽消長運動の一方面である。人間は自然界の一部として、自然界の陰陽転化に従って生命活動を営んでいるため、睡眠と覚醒の生理活動を以てこの律動的な運動に順応している。古来「日出而作(労作)、日暮而息(休息)」と言われるように、人間は一日における陰陽変化の規則性に順応し、陽の昼間は活発に動き、陰の夜間は安静に休むべきである。これにより生体が自然に健康状態を維持しているのである。

生体は睡眠により、覚醒時に発生した精神緊張を解消させて身体疲労を回復させる。充分な睡眠時間及び正確な睡眠規則は生体の健康維持に対して非常に重要である。

先ず睡眠の量に関して、「人生の三分の一は睡眠」と言われるように、一日に7時間から8時間くらいが相応しいと考えている。年齢など個人差があるが、赤ちゃんは一日の半分以上寝ており、年を取ると睡眠時間が短くなる。通常中壮年の場合は少なくとも6時間以上の睡眠時間を保たなければならない。

また睡眠の規則性に関しては、原則として「早寝早起き病知らず」と言う諺の通りである。

就寝時刻について厳密に言えば、22時頃から静かな睡眠態勢になり、23時から睡眠状態に入らなければならない。通常、この時になると人間は自然に眠くなるが、過ぎると逆に眠気が無くなってしまう。一日を十二刻に分けて23時~1時は翌日の子時となり、一日中最も暗黒で万籟静寂で、陰陽が交わって元気が生み始める時期に当たる。この時に最も相応しいことは睡眠で、全力で静かに気持ちよく寝ることである。また人体の体内では胆気が当令(当番)に当たる時刻になり、少陽胆気が生発し始め、これは全身臓腑の気機通順に大きく役立つ。この時刻に、未だ深い睡眠状態に入っていなければ、夜更かしと言い、陰陽の交会及び元気の生成に影響を及ぼし、また気機不暢となり易い。

しかし現代社会では夜更かしが日常的なことになってしまった。社会的な原因では、電気の過剰使用で深夜になっても白昼のように明るい光線が視力から脳を刺激し、中々落ち着いて休めなくなり、仕事の残業や宴会など、活発な夜活動をしている。個人的な原因では、譬え自由時間が取れても、携帯電話やテレビ観劇など、様々な夜生活で睡眠時間を潰している。現代研究によると、夜更かしは最も不健康な生活習慣であり、癌や心脳疾患など死亡率の高い疾病の発病素因の一位となっている。

一方、起床時刻について正確に言うと、朝5時から6時までの間に起きると、自然界の運気規則に一致すると考えている。一日を一年の二十四節季に当てはめると、朝3時は立春、4時は雨水5時は啓蟄(驚蟄)6時は春分に当たり、驚蟄は世の中の万物が春の陽気の変動を感知して冬眠から覚める時期である。春は昇発と動を主るため、朝5時頃醒めて6時までの間に起きて身体を動かせれば、最も自然界の陽気昇発に合わせられる。

しかし現代社会では睡眠不足や夜更かしなどで朝早く起きれず、寝坊をする方が増えている。時間さえ取れれば午後まで寝てしまうことも少なくない。結局、自然界の陽気昇発に従って身体の陽気を昇発させる時機を失うと、寝れば寝るほど疲れが取れなく、いくら長く寝ても起きてから元気が出せない。早起きは体内の陽気を高進させるため非常に重要な一環であり、譬え疲労過度で眠くて起き難いとしても、この時刻に頑張って一度起きて身体を動かすことで体内の陽気を昇発させ、その後は二度寝や昼寝によって不足した睡眠を補給すれば良い。

自然の変化に順応し、陰陽の法則に従って正しく睡眠生活を調整して保持することが、健康の維持と増進に最も重要な事である。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2020年度)

1、講習会

2020年度の定期講習会は4月後半にスタート予定で、慣例の年間通しで8回(4~7月後半と9~12月前半の日曜日)を計画しています。

理論的な伝統医学教科として中医学基礎理論のほか、臨床における証候に対する中医学的な診察と辨別などの実用的な内容に重点をおきたいと思います。また臨床的な伝統医学教科として、「飲食薬膳療法の基礎と応用」や「整体推拿療法の実技と応用」を実施する計画です。

定期講習のほか、会員限定の特別講座も実施する予定です。

具体的な講習内容については皆様のご要望に合わせて調整し、実際にお仕事や健康に役立つ講習を行っていきますので、ご希望がありましたら事務局へご一報下さい。詳細は決定してから後日別途ご案内します。

2、体験旅行

2020年も「中国伝統医療体験旅行」を計画しています。時期は毎年と異なりますが、いつもの方針と目的で計画し実施する予定です。著名中医専門家による診察処方、中医薬博物館の見学、中医外来における推拿治療など、実際に本場の中国伝統医学に立会って見学と体験の機会を得て、同時に中国伝統医学の背景となる中国伝統文化も触れて頂きたいと思います。

日程などの詳細が決まり次第、ご案内をお送りいたします。皆様のご参加お待ちしております。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2019年度)

1、講習会

本年度の講習会は、理論講習の「中医診断学における診察技法」、及び実技講習の「耳穴診療法の実技と応用」を4月と5月に開講しました。

中医診断学は中医学基礎を臨床現場に応用するための橋渡を担う目的で、最も基礎的で実用的な臨床技能を育成する学科とされています。これに関して教育会では望診の実際、辨証方法、そして症状の辨別など、3テーマの講習を設けましたが、そのうち診法は望診だけを三回ほど講習したことがあります。今回は「中医診断学における診察技法」のテーマを立て、望診のほかに聞・問・切診を含む中医学の四診全体に触れ、内容を大幅に拡張してテキストを充実した上、また参加者が学校教育や臨床治療の現場で活躍している状況に合わせ、更に講習内容をより専門的に調整し、また臨床技能に重心を置いて講習を実施しました。講習中は中医学診断方法の膨大な内容に対して要領を掴んで臨床応用のために経験を活かして解説しました。授業の内容が以前より随分増えたため、1回追加することになり、来年1月中旬に終了する予定です。

一方、長年に渡って人気のテーマとして何度も開催した「耳穴診療法の実技と応用」の講習を開催しました。従来の少人数徹底指導という伝統医学療法の教育理念に基づき、実技を中心にして講習を行いました。また遠くから受講される参加者を考慮して総時間数を変えず講習回数を減らすように調整しました。講習は実践を中心にし、教育会独自の教育方式により反復して解説した上、皆さんの実技練習を繰り返して行いました。参加者は殆ど中医学の初心者なので、少しでも多く中医学の知識を広げて治療効果を高めるため、中医学の五臓六腑について解説も加えました。また前回の講習から導入した耳介按摩保健体操を毎回講習会の開始時に復習を兼ねて皆で練習し、毎回楽しく賑わっている雰囲気の中で正確に耳穴診療法の基礎及び技能を把握して貰いました。講習会は11月24日(日)に無事に終了しました。

2、体験旅行

今年の中国伝統医療体験旅行は9月17日から21日まで実施されました。2007年主催した上海・北京、及び昨年主催した北京・西安の2都市活動に次いで、今回は北京・承徳の2都市で行いました。

今回も医療体験の主な目的として当会顧問の叢法滋先生の特別外来で、中医学的な診療処方を受けました。叢先生はいつものようにお元気で、熱心に患者さんの病状を聴いて詳細に診察し、それに相応しい中薬処方を工夫して頂きました。また別の日に同じ推拿特別外来にて整体推拿療法を体験して頂きながら、現地の医者と緊密に交流を行っていました。

従来と同じように伝統医療の体験に伴い、伝統文化の体験も重要な一環として行いました。今回も少人数にしており、中国の古都北京において孔廟・国子監を見学し、また明清時代から避暑地として有名な国家歴史文化名城承徳を訪れ、世界遺産の避暑山荘・外八廟、及び自然景観の棒槌山を巡り、滅多に訪れる事の出来ない特別な場所も楽しんで頂くと共に、本場中国での名物料理や家庭料理をご堪能頂けるように手配し、皆さんから大変満足したと感想を頂戴しました。

3、懇親会

12月8日(日)午前中の講習会終了後、当会事務所にて今年の年末懇親会を開催しました。理事4名を含め、当会会員が計16名出席しました。

恒例の通り、事務局で用意した料理及びホットワインや北京白酒のほか、また多くの会員もお料理、お菓子、果物、ワインなど沢山の品物を持ち寄って下さいました。また例年のように「中医学飲食薬膳療法」として、滋養強壮の「老母鶏(雌親鶏)の薬膳スープ」を準備し、これによって会員の皆様に、特に初体験の新会員に理解して頂けたと思います。

理事長から皆様のご理解ご支援ご協力に対して謝辞を表し、そして金原理事からの乾杯の辞を貰いました。その後、それぞれの分野で活躍されている会員の皆様は一つの輪になって食べ飲みながら、鍼灸気功の療法や、飲食薬膳の療法など、様々な健康関連の話題について会話したり懇談したりしました。和やかな雰囲気の中で皆様の交流と情報交換が進み、大変有意義な時間をゆっくりと過ごせたと思っています。