健康知識:大根の滋養効能を高める五食法

大根は秋冬季節の宝食である。中国では「十月羅卜賽人参」との説があり、即ち旧暦十月頃に大根を食用すると、高麗人参を超えるほど恵まれる意味である。また民間の諺では「冬吃羅卜夏吃姜,不労医生開薬方」と言い、大根は秋冬の旬野菜のみならず、その食餌療法における効能をも説明している。実際大根は秋季に大衆向きの野菜として愛用されるほか、その薬用価値も重視されなければならない。また大根には相性の良い食物があり、栄養を補い合って滋養効果を倍増することができる。

一、大根の薬用価値

中医学的に大根の性味は、辛・甘・涼(煮た物は甘・平)で、肺と胃に帰経する。消食化痰、降気寛中、涼血生津、利尿通淋などの効能を持つ。主に消化不良、食積不化、脘腹脹満、呑酸、嘔吐、泄瀉、赤痢、便秘;肺熱咳嗽、痰多粘稠、咽喉不利、喀血、吐血、鼻血;熱病口渇、消渇口乾、小便不利、熱淋病、尿路結石などに適応する。

また現代医学では、下記のような効果が実証されている。

1、抗酸化、美肌膚:大根は豊富なビタミンAとCなど各種のビタミンを含有し、特にビタミンCの含量は他の根菜の4倍以上である。ビタミンCは皮膚の老化を防ぎ、黒色斑の形成を阻み、皮膚の餅肌(美白、白くて柔らかい肌)を保つ。またビタミンAとCは皆抗酸化作用を持ち、効果的に老化や動脈硬化を予防し、癌化を抑制する。

2、抗癌、癌予防:大根に含まれるリグニン(Lignin)は大食細胞の活性を高めて癌細胞に対する貪食能力を促進する。また大根にある様々な酵素は発癌物質であるニトロソアミン (Nitrosoamine、Nitrosamine)を分解して癌予防の作用を果たせる。

二、大根の効果的な飲食法

大根は下記の五種食物と併用することで相乗効果があり、滋養効能が高められる。

1、大根と梨

潤肺、清熱、化痰。

梨は潤肺涼心、消痰祛火の効能を持ち、大根と一緒に搾って汁を飲用することで、大根の辛味を隠すだけではなく、また食餌効果を高める。秋冬季節は脾胃虚弱の方は冷たい汁が相応しくないため、代わりに大根と梨を煮込んで飲用する。

2、大根と葱

祛風散寒、感冒予防治療。

秋冬季節は風寒感冒の多発時節であり、風寒を感受すると、悪寒悪風、無汗、鼻閉鼻涕、咳嗽喀痰などが多く見られる。この場合は温熱発汗の食物が相応しい。葱を短冊切りし、生姜と大根のスライスと一緒に煮込んだスープを飲用することで、散寒止咳の作用を果たし、感冒予防の効能もある。

3、大根と昆布

化痰消腫、癭瘤(甲状腺肥大)予防。

昆布にはヨードが豊富である。大根と昆布を一緒に煮込んだスープは化痰消腫の効能を持ち、甲状腺肥大の予防に一定の効果を果たす。

4、大根と羊肉

肝臓滋養、逆上せ防止。

秋冬季節の羊肉の食用は駆散寒邪、温暖心胃の効果を果たすほか、また補益気訣、滋養肝腎の効能を持ち、血液循環を改善させる。但し、「肉は痰を生じる」ため、羊肉を多く食用すると逆上せ易い。清涼性質の大根と一緒に煮込んで食用すると、化痰瀉火ができるほか、脂っぽさを解消できて栄養も補い合う。

5、大根と鮒

温中下気、健脾利湿、癌予防。

大根と鮒の煮込みスープは温中下気・健脾利湿の作用を持ち、白色の大根と乳白色の鮒スープとの二白は食欲を増進できる。

三、大根の食用注意

脾胃虚弱、溏便の者は多食や生食すべきではない。

大根は人参、党参、黄耆などの薬物の補気作用を下げるため、併用しない。