会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2024年度)

2024年度は、昨年に引き続き教育活動である講習会及び普及活動の健康支援を進展していきたいと思います。

講習会は「常用針灸腧穴の基礎と実用」を予定しており、感染防止を徹底して従来の教育方針に従って少数人数で実行する予定です。本講習では、腧穴学の基礎知識を始め、臨床で最も常用される凡そ100経穴を取り挙げ、それぞれ名称の解釈から、その精確な定位と取法及び主要な性能と主治を伝授し、更に具体的な応用実技まで指導します。腧穴の具体的な臨床応用の方法や経験を習得し、健康の維持と増進、  疾病の予防と治療に役に立てると期待しています。講習は4月後半に開講し、計8回で12月前半に終了する予定です。

健康支援の活動は引き続きホームページを通じて健康情報を発信するほか、臨床センターにて会員の皆様に健康養生法の相談や指導なども実施していきたいと思います。状況が可能な範囲で会員限定の無料講座も開催する予定です。

ほかに、会員の交流を深めるため、年末懇親会を企画して開催する予定です。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2023年度)

1、講習会

2023年度の定期講習会は、4月から翌年1月にかけて「常見病証の針灸治療実技」のⅢ期講習を実施しました。ほかには会員向けの特別健康講座「医療気功八段錦による健康増進」も主催しました。

「常見病証の針灸治療実技」の講習は2021年度及び2022年度に開催していますが、今年はⅢ期として、計4名が参加しました。今回も伝統医学教育の実用性に重点を置きましたが、Ⅰ期とⅡ期とは異なり針灸臨床の常見病証ではなく、日本の針灸現場では余り見られない、針灸治療で特効が得られる病証を6病証新たに取り上げ、それぞれの基本概念、病因病機、そして辨証分型を明確にしたうえ、治療原則と選穴処方を解説し、具体的な刺針実技を指導しながら、技能練習を行いました。更に近年流行っている「美容針灸」及び「新型コロナウイルス感染後遺症」についてテーマを立て、病理認識、辨証分析、そして治療原則などを解説し、実技の練習も行い、個人的な心得と経験を伝授しました。以前参加された針灸師や、新たに参加した針灸学生も大変熱心に取り組んでいました。辨証論治の思想に啓発され、臨床見聞が広がり、臨床実践の技術能力が高まると同時に、針灸治療の特殊技法を身に付けられるようになりました。

また、昨年7月30日当会会員を対象にし、「医療気功八段錦による健康増進」の特別講習を行いました。中国古代から伝わってきた最も完成度の高い導引養生術とされる八段錦は、八つの動作からなり、それぞれの動作は一定の臓腑または病証に対応しており、経絡気血疏通と臓腑機能調節の効果を持っています。八段錦は動作が簡潔で、運動量も適度で、健康効果も高いという特徴があるため、中国ではコロナ禍による外出制限の時期に在宅運動として推奨され、また効果的な免疫増強価値が確認されました。今回は多くの練習方法と特徴的な流派の中から、中国気功学会と北京中医薬大学による医療気功八段錦を紹介しました。実際に練習することで、日常生活に取り入れて健康の維持と増進、疾病の予防と治療に役立てて頂きたいです。

2、教本出版

当会の「針灸臨床実用参考書」シリーズである、新書「経穴の定位と技法」は2年3か月の時間を掛けて出版しました。針灸臨床では、正確かつ精密で迅速に経穴の定位を取ることは臨床技能の第一歩とされ、治療効果に最も深く関係しています。経穴の定位は決まっていますが、取穴方法は様々です。針灸学校の教育で腧穴の定位を学んで国家試験に合格したとは言え、実際臨床に入ると中々上手く取穴できず、取穴するには非常に時間が掛かるのが現状です。これを踏まえ、本書は腧穴の基礎知識を概説し、定位方法と取穴方法を説明し、更に針灸の操作技法を総説したうえ、針灸臨床において常用される212経穴を選び、それぞれの定位、様々な取法、そして針灸方法を詳細に説明しています。更にできるだけ精確に取穴要点を表現して理解しやすいように、自ら拘った図譜の考案と作成に工夫しました。一般の針灸師や針灸学生、按摩マッサージ指圧師などによる医療・健康関連職従事者の臨床治療、並びに伝統医学に関心を持っている方々の健康増進のための参考書にして頂きたく、本書を完成しました。多くの方々に活用して頂きたいと思います。

3、健康支援

教育事業活動と同時に、会員の健康支援活動も引き続き行っています。伝統医学教育会ホームページの会員専用ページにて健康知識を定期的に更新していますので、皆様の健康増進の参考にして頂きたいです。

また、会員の健康支援を目的として前年度に引き続き、伝統医学的な薬茶を二回お送りしました。10月には秋季の寒冷変化と乾燥の特徴及びインフルエンザと新型コロナウイルスの両方の感染が急増する情勢、12月には冬季の寒冷と乾燥の特徴及び上気道感染症やインフルエンザ、そして溶血性連鎖球菌感染(溶連菌感染症)など外感病証が急増する情勢に従って薬茶を考案して処方と見本を送付しました。いつもと同じように、皆様にお送りした薬茶の主要材料は比較的容易に入手できる身近な ものを使って作成しました。作成方法は教育会の会員専用ページに公開しています。

4、懇親会

コロナ禍の影響で3年ほど会員の年末懇親会を控えておりましたので皆様との対面交流も暫く途絶えておりましたが、疫病情勢はようやく少し落ち着いてきましたので、10月1日(日)午後、当会事務所にて会員の懇親会を久しぶりに開催しました。感染を考慮してご参加を控えていた方もいましたが、今回は計8名が出席しました。

事務局で用意した簡単なお飲物や食物のほか、金子会員からお菓子と新鮮な棗、 紙谷会員からチョコレートを頂戴しました。この機会に長年に渡って支援して頂いた会員及び 新しく入会した会員の皆様は一堂に集まり、様々な情報交換や交流懇親をしました。事務局も会員の皆様とお会いして貴重なご意見や近況をお聞きすることができました。また、皆様との交流を通じて今後の伝統医学教育会の活動方針を明確にして事業活動を進んで行きたいと考えています。最後に、中国茶の賞味も少し体験して頂きました。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告書(2022年度)

1、講習会

2022年度の講習会は、4月から12月にかけて「飲食薬膳療法の基礎と応用」講習を行い、4月から11月にかけて前年度実施した「常見病証の針灸治療実技」のⅡ期講習を行いました。

「中医飲食薬膳療法」はテーマが非常に大きくて講習内容がとても広範囲ではありますが、これまでに二度ほど講習を行いました。昨年は10年ぶりの講習に備え、テキストを修正したほか、疫病蔓延の時期における健康増進のため新たな解説方法を加え、これまでと同様に理論と実用の知識に重点を置いて講習しました。最後に薬膳一品の作成実演と試食、薬酒の試飲も行いました。

一方、「常見病証の針灸治療実技」講習は前年度から開催していましたが、今年はⅡ期として継続し、計4名が参加されました。今回も伝統医学教育の実用性に重点を置き、針灸臨床に常見される6病証を新たに取り上げ、その基本概念、病因病機、そして辨証分型を明確にしたうえ、治療原則と選穴処方を解説し、具体的な刺針実技を指導しながら、技能練習を行いました。参加者の皆さんは実技も積極的に練習し臨床での即戦力が高まったようです。

 

2、健康支援

教育事業活動のほか、会員の健康支援活動も引き続き行っています。伝統医学教育会ホームページの会員専用ページにて健康知識を定期的に更新していますので、皆様の健康増進の参考にして頂きたいです。

また、長くご支援下さった会員の皆様に感謝の気持ちを込めて、健康支援のために伝統医学的な薬茶をお送りしました。今回は主に新型コロナウイルス感染の急増状態、及び盛夏の暑熱湿聚の特徴に従って5種類の薬茶を考案して処方と見本を送付しました。会員の皆様にお送りした薬茶の主要材料は比較的容易に入手できる身近なものを使って作成しましたが、作成方法は教育会の会員専用ページに公開しています。

 

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2022年度)

2022年度は引き続き教育活動の講習会と普及活動の健康支援を進展していきたいと思います。

講習会は「飲食薬膳療法の基礎と応用」と「常見病証の針灸治療実技(Ⅱ期)」の二つを予定しており、いずれも感染防止を徹底して実行する予定です。「飲食薬膳療法の基礎と応用」は、健康ブームで多く取り挙げられた時期もありました。当会ではその話題性を避けて伝統性・科学性・実用性の教育方針に基づき、伝統医学の一学科として12年前から2度と講習を行っていました。今年は4月後半に開講し、慣例の年間通しで計8回(4~7月後半と9~12月前半の日曜日午前中)を予定しています。一方、「常見病証の針灸治療実技」は昨年の講習経験を活かし、新たに針灸臨床において常見される6病証を取り挙げ、同じく実用性に重点を置いて実施します。今回も少数人数の設定で、5月後半に開講し、上記「飲食薬膳療法の基礎と応用」講習会の同日午後に行い、計6回で11月前半に終了する予定です。

健康支援は主に会員の皆様のために行っていきます。ホームページを通じて健康情報を発信するほか、臨床センターにて健康養生法の相談や指導なども催しております。ほかに、状況が可能な範囲で会員限定の特別講座も実施する予定です。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2021年度)

1、講習会

2021年度の講習会は、6月から12月まで「常見病証の針灸治療実技」を行いました。本講習は梅田会員の希望と協力により実現し、感染防止対策により少数人数の設定で、針灸学校の卒業生・高学年生及び当会の鍼灸師を主として計6名が参加ししが参加されんで汁が淡い赤色になってから、枸杞とました。

針灸治療学(針灸学校では「東洋医学臨床論」に当たる)は実用的な臨床技能を育成するための最も実践的な学科とされています。日本では、東洋科目の西洋化傾向で伝統医学の病証に対して基本概念の認識がはっきりせず、また総合的な辨別分析の考え方も欠けているため、辨証論治の臨床応用は未だに広く普及されていません。更に学校教育では実践に接した臨床実習が不足しているため、臨床現場に入ると患者さんに対応し難く感じる方が多いようです。この現状を踏まえ、本講習は伝統医学教育の実用性に重点を置き、針灸臨床において最も常見される6病証を代表例として取り挙げ、その基本概念を明確にし、病因病機と辨証分型を解明し、治療原則と選穴処方を解説したうえ、具体的な診察技能及び刺針実技を指導しながら、技能練習を行ないました。参加者の皆さんは全て針灸医学の有志者で勉学意志が強く、講習では常に病証に対する認識を充分に理解したうえ、実技も積極的に練習しました。また講習内容を超えた関連する知識と経験も交流でき、明らかに臨床実践の技術能力が高まりました。

2、健康支援

講習会のほか、会員の健康支援活動も引き続き行っています。伝統医学教育会ホームページの会員専用ページにて健康知識を定期的に更新していますので、皆様の健康増進の参考にして頂きたいです。

また、コロナ禍で既に2年ほど会員の年末懇親会を行うことができませんでした。今年3月に感染情勢が安定して皆様との懇親を深めたいと期待していましたが、非常に残念ながら蔓延防止措置の期間延長により開催する事を断念しました。

その代わりとして、長くご支援下さった会員の皆様に感謝の気持ちを込めて健康支援のため、伝統医学的な薬茶を提案しました。事務局で様々な調査、そして試飲を重ねた結果、5種類の薬茶の処方と見本を送付しました。比較的容易に入手できる材料を用いて手頃に作成できるように工夫しましたので、長期に飲用し続けることで健康増進・病症改善の効果を期待しております。今回は先ず在宅時間増加の現状と季節変化の特徴に合わせて健康維持のための薬茶を考案しましたが、今後も季節の変化や社会の情勢に合わせて薬茶処方をお送りします。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2020年度)

1、講習会

2020年度の定期講習会は4月後半にスタート予定で、慣例の年間通しで8回(4~7月後半と9~12月前半の日曜日)を計画しています。

理論的な伝統医学教科として中医学基礎理論のほか、臨床における証候に対する中医学的な診察と辨別などの実用的な内容に重点をおきたいと思います。また臨床的な伝統医学教科として、「飲食薬膳療法の基礎と応用」や「整体推拿療法の実技と応用」を実施する計画です。

定期講習のほか、会員限定の特別講座も実施する予定です。

具体的な講習内容については皆様のご要望に合わせて調整し、実際にお仕事や健康に役立つ講習を行っていきますので、ご希望がありましたら事務局へご一報下さい。詳細は決定してから後日別途ご案内します。

2、体験旅行

2020年も「中国伝統医療体験旅行」を計画しています。時期は毎年と異なりますが、いつもの方針と目的で計画し実施する予定です。著名中医専門家による診察処方、中医薬博物館の見学、中医外来における推拿治療など、実際に本場の中国伝統医学に立会って見学と体験の機会を得て、同時に中国伝統医学の背景となる中国伝統文化も触れて頂きたいと思います。

日程などの詳細が決まり次第、ご案内をお送りいたします。皆様のご参加お待ちしております。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2019年度)

1、講習会

本年度の講習会は、理論講習の「中医診断学における診察技法」、及び実技講習の「耳穴診療法の実技と応用」を4月と5月に開講しました。

中医診断学は中医学基礎を臨床現場に応用するための橋渡を担う目的で、最も基礎的で実用的な臨床技能を育成する学科とされています。これに関して教育会では望診の実際、辨証方法、そして症状の辨別など、3テーマの講習を設けましたが、そのうち診法は望診だけを三回ほど講習したことがあります。今回は「中医診断学における診察技法」のテーマを立て、望診のほかに聞・問・切診を含む中医学の四診全体に触れ、内容を大幅に拡張してテキストを充実した上、また参加者が学校教育や臨床治療の現場で活躍している状況に合わせ、更に講習内容をより専門的に調整し、また臨床技能に重心を置いて講習を実施しました。講習中は中医学診断方法の膨大な内容に対して要領を掴んで臨床応用のために経験を活かして解説しました。授業の内容が以前より随分増えたため、1回追加することになり、来年1月中旬に終了する予定です。

一方、長年に渡って人気のテーマとして何度も開催した「耳穴診療法の実技と応用」の講習を開催しました。従来の少人数徹底指導という伝統医学療法の教育理念に基づき、実技を中心にして講習を行いました。また遠くから受講される参加者を考慮して総時間数を変えず講習回数を減らすように調整しました。講習は実践を中心にし、教育会独自の教育方式により反復して解説した上、皆さんの実技練習を繰り返して行いました。参加者は殆ど中医学の初心者なので、少しでも多く中医学の知識を広げて治療効果を高めるため、中医学の五臓六腑について解説も加えました。また前回の講習から導入した耳介按摩保健体操を毎回講習会の開始時に復習を兼ねて皆で練習し、毎回楽しく賑わっている雰囲気の中で正確に耳穴診療法の基礎及び技能を把握して貰いました。講習会は11月24日(日)に無事に終了しました。

2、体験旅行

今年の中国伝統医療体験旅行は9月17日から21日まで実施されました。2007年主催した上海・北京、及び昨年主催した北京・西安の2都市活動に次いで、今回は北京・承徳の2都市で行いました。

今回も医療体験の主な目的として当会顧問の叢法滋先生の特別外来で、中医学的な診療処方を受けました。叢先生はいつものようにお元気で、熱心に患者さんの病状を聴いて詳細に診察し、それに相応しい中薬処方を工夫して頂きました。また別の日に同じ推拿特別外来にて整体推拿療法を体験して頂きながら、現地の医者と緊密に交流を行っていました。

従来と同じように伝統医療の体験に伴い、伝統文化の体験も重要な一環として行いました。今回も少人数にしており、中国の古都北京において孔廟・国子監を見学し、また明清時代から避暑地として有名な国家歴史文化名城承徳を訪れ、世界遺産の避暑山荘・外八廟、及び自然景観の棒槌山を巡り、滅多に訪れる事の出来ない特別な場所も楽しんで頂くと共に、本場中国での名物料理や家庭料理をご堪能頂けるように手配し、皆さんから大変満足したと感想を頂戴しました。

3、懇親会

12月8日(日)午前中の講習会終了後、当会事務所にて今年の年末懇親会を開催しました。理事4名を含め、当会会員が計16名出席しました。

恒例の通り、事務局で用意した料理及びホットワインや北京白酒のほか、また多くの会員もお料理、お菓子、果物、ワインなど沢山の品物を持ち寄って下さいました。また例年のように「中医学飲食薬膳療法」として、滋養強壮の「老母鶏(雌親鶏)の薬膳スープ」を準備し、これによって会員の皆様に、特に初体験の新会員に理解して頂けたと思います。

理事長から皆様のご理解ご支援ご協力に対して謝辞を表し、そして金原理事からの乾杯の辞を貰いました。その後、それぞれの分野で活躍されている会員の皆様は一つの輪になって食べ飲みながら、鍼灸気功の療法や、飲食薬膳の療法など、様々な健康関連の話題について会話したり懇談したりしました。和やかな雰囲気の中で皆様の交流と情報交換が進み、大変有意義な時間をゆっくりと過ごせたと思っています。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動計画(2019年度)

1、講習会

2019年度の定期講習会は4月後半にスタート予定で、慣例の年間通しで8回(4~7月後半と9~12月前半の日曜日)を計画しています。

理論的な伝統医学教科として中医学基礎理論のほか、臨床における証候に対する中医学的な診察と辨別などの実用的な内容に重点をおきたいと思います。また臨床的な伝統医学教科として、人気の「耳穴診療法の実技と応用」や「飲食薬膳療法の基礎と応用」を実施する計画です。

定期講習のほか、会員限定の特別講座も実施する予定です。

具体的な講習内容については皆様のご要望に合わせて調整し、実際にお仕事や健康に役立つ講習を行っていきますので、ご希望がありましたら事務局へご一報下さい。詳細は決定してから後日別途ご案内します。

2、体験旅行

2019年も「中国伝統医学研修旅行」及び「中国伝統医療体験旅行」を計画しています。時期は毎年と異なりますが、いつもの方針と目的で計画し実施する予定です。実際に中国伝統医学の臨床に立会って見学、実習、体験の機会を得て、本場の伝統医学に触れて頂き、今後のお仕事やご家族の健康に役立てていきたいと思います。

日程などの詳細が決まり次第、ご案内をお送りいたします。皆様のご参加お待ちしております。

会員通信:NPO法人伝統医学教育会事業活動報告(2018年度)

1、講習会

本年度の定例講習会は理論及び実技を行いました。理論講習「常見病証の辨証分析と選穴処方」は4月から12月にかけて実施し、実技講習「医療気功の理論と実践」は5月に開講して10月に終了しました。また実技講習のテーマに合わせて特別健康講座「太極拳の基礎動作による気功養生」も主催しました。

「常見病証の辨証分析と選穴処方」は理事長の新書「針灸臨床実用参考書 病証の辨析と処方」をテキストとして開講し、主に学校教育や臨床治療の現場で活躍している鍼灸師や療法師が参加しました。講習会では、中国伝統医学の理論基礎に基づき、臨床で最も常見される内科病証の基本概念を明確に説明し、病因病機と辨証分型を分析し、そして治療原則と治療方針を立て、更に具体的な治療方法、特に針灸推拿による選穴処方を解説しました。いつものように基礎知識の復習や、臨床経験の紹介など余談を交えたり、質問に解答したりする事で、沢山の専門知識を要略的に理解して貰えるようにしました。これにより専門従事者には疾病治療の導きとなり、また一般の方々にも日常の健康増進のため大きな役割を果たせると期待しています。

一方、「医療気功の理論と実践」の講習会は当会で三回目の開催となり、医療専門者のほか健康増進に関心を持つ一般の方々も参加されました。以前の経験を活かして今回は講習時間数を増やしたため、比較的に余裕を持って実技の練習を強化する事ができました。講習会では医療気功の基礎知識及び操作方法を分かり易く説明した上、初歩的な静気功「放鬆法」及び動気功「保健功」を実際に練習し、更に参加者の熱意に応えて静気功「六字訣」も追加して紹介しました。これで医療気功に対して正しい認識を築くと共に、毎回の練習で気功法を身に付けることで今後の健康増進に活用できると思います。

また、気功養生の話題に伴って当会会員及び医療気功講習の参加者を対象にし、 「動気功太極拳にある健康関連の動作」の特別講習を行いました。従来中国から世界まで広がっている強身防御の陳式太極拳の準備動作、及び養生保健の楊式太極拳の基本動作を一部抜粋して伝授しました。参加者は実際に練習する事で、身体が直ぐに気持ちよく伸びたと実感していました。今後も日常生活に取り入れて健康の維持と増進、疾病の予防と治療に役立てて頂きたく、このような健康講座を主催すると思います。

2、体験旅行

今年の中国伝統医療体験旅行は8月22日から26日まで実施されました。2007年主催した上海・北京の2都市活動に次いで、久しぶりに北京・西安の2都市で行いました。

今回も医療体験の主な目的として当会顧問の叢法滋先生の特別外来で、中医学的な診療処方を受けました。中薬処方に際して、患者さんの具体的な病状に従って薬の効き目を考慮し、また患者さんの希望も聞き入れ、錠剤の調合や煎じ薬のほか薬酒の処方など、それぞれ細かい工夫が多く見られました。また同じ特別外来にて整体推拿療法を体験していただきました。

伝統医療の背景である伝統文化の体験も重要な一環となっております。今回も少人数にして中国の歴史上最も重要な古都の西安と北京を周遊し、世界遺産を巡り、本場中国での名物料理や田舎料理をご堪能頂くと共に、めったに訪れる事の出来ない特別な場所も楽しんで頂けるように手配し、大変満足したと感想を頂戴しました。

3、ホームページの更新

8月末にレンタルサーバー会社とのトラブルにより、当会のホームページのデータ消失が発生しました。データ復帰の作業に当たり、十年近く運営してきたホームページを改めて見直し作成し、内容を充実したうえ、新しいデザインに更新しました。伝統医学の教育普及など事業活動に伴い、会員への支援や会員との連絡をもっと緊密にする役割を果たしていきたいと期待しております。

4、懇親会

12月02日(日)午前中の講習会が終了した後、当会事務所にて今年の年末懇親会を開催しました。理事4名を含め、当会会員が計12名出席しました。

例年のように、事務局で簡単な料理及びホットワインや紹興酒を用意しました。他に尾形会員と高根会員から美味しい手作り料理をはじめ、今泉会員、鈴木会員、金子会員、金原会員、梅田会員、紙谷会員、月野会員などから沢山の品物を有り難く頂戴しました。また恒例の通り「中医学飲食薬膳療法」として、伝統的な「臘八粥」を準備し実践的な部分も皆様に理解して頂けたと思います。

この機会を利用し、それぞれの分野で活躍されている皆様は食べ飲みながら、中医薬や気功や薬膳などの療法から医療理念まで、様々な話題について自分の経験や感想を懇談したり討論したりし、和やかな雰囲気の中で交流する事ができました。